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(3)世紀末パソコンソフトの実力 part2


先日、発売されたばかりの東大将棋2を入れたノートパソコン(MMXPentium166)を友人が持ってきた。
一日中、そのソフトをやっていたのだが、前回の東大将棋1に比べると、様々な所が改良されていて、なかなか面白かった。このことを日記帳に書こうと思ったのだが、かなりの分量になるため、あえてこちらに「感想レポート」として載せることにした。

前回その九として評価レポートを載せたときは、かなりの時間を割いて検証したが、今回は、わずか一日だけ使った感想である。したがって、正確な評価をしているかどうかはあまり自信がない。
あくまで、一個人の「感想レポート」という感じで読んでもらいたいと思う。


目次
(1)対局した私の感想
(2)コンピュータ同士の対局
(3)様々な機能
(4)詰将棋を解かせる機能
(5)結論


(1)対局した感想

東大将棋2のレベルは6まである。最初はレベル4までしか表示されていないが、4に勝つと5が、さらに5に勝つと6が出るようになっている。
最初レベル4を初めて指したとき、非常に強いのと同時に、指し手がものすごく早いのに感心した。レベル4では、最長でも一手20秒以内に指してくる。5になると一手30秒、6になると60秒だ。強さも少しずつ強くなっているのだろうが、レベル4から6はあまり目立って強くなっているという感じはしない。したがって、ここでの感想はレベル4で行いたいと思う(これについては不満だという人もいるかもしれないが、普段指すのに(コンピュータに)一手60秒考えられるのは論外で、絶対の一手のところでは、30秒考えられるだけでも結構うっとうしいものだからである。しかもほとんど強くなっているとは思えない。)。

まず、数局指した感想であるが、東大将棋1に比べるとかなり強くなった感じを受けた。ただ、AI将棋もそうだが、万全の体制のところへはなかなか攻め込んでこないで、手待ちを繰り返すことが多いようだ。ただもちろんちょっとでもすきがあれば攻め込んでくる。この辺は現段階では限界なのかもしれない。

東大将棋1で気になっていた、中盤での悪手が2になって極端に少なくなったような気がする。おそらくこのことだけでかなり強くなったのではないだろうか。
さらに1で、もっとも気になっていた、人間側の同じ手に対して、同じ手で返すという「欠点」、最初何回か指したところ、全く同じ指し手を返したので、がったりしたのだが、設定項目に、定跡の小、中、大とあり、最初は小に設定されていたので、大に変えてみたら、なんと、人間側の指し手に対して様々に変化するではないか。なぜ、最初から大にしておかないのかな、と思ったが、いずれにしてもこれなら東大将棋1の大いなる不満は解消されたと言っていい。

(2)コンピュータ同士の対戦

コンピュータ同士の対戦と言っても、実はそれほど時間がなかったため、二局しかやっていない。
一局目は、東大将棋2のレベル4と、AI将棋2000のレベル6、そして二局目は、東大将棋2のレベル4とAI将棋2000のレベル5である。

対局方法は、前回の方法と同じで、一台のコンピュータに対局ソフトを二つ起動させ、人間(私)が、コンピュータの指した手を、もう一方のソフトの人間側の指し手に入れてやるという方法だ。


結果は、なんと東大将棋2の二連勝だった。ただ、将棋の内容を見るかぎりにおいては、AI将棋2000と東大将棋2はほぼ互角だった。何十局も指したら結果はいい勝負になるんじゃないかという感じを持ったが、実際はどうであろうか。いつか機会があったら、また試してみたいと思う。


この対局の二局目の棋譜はこちら

実は、この対局の二局目で、面白いことがあった。コンピュータは終盤自分で詰みが分かったりすればさっさと投了するが(人間側が分からなくても)、詰みでなくても、必死をかけられても投げることがある。
で、そのことは別におかしくないのだが、この二局目、終盤受けが、ほぼなくなったところでAI将棋が投了した。しかし、確かに不利だが、まだ指し手はありそうなところなのだ。そこで、私がAI側を持って、投了した局面から東大将棋2と指してみた。するとやはり局面は紛れて、最後には逆転してしまったのである。
東大将棋は本当に詰みの直前まで指すが、AIはどうも早く投げすぎるようだ。人間のためにも、詰みの一手前まで、一手必死までは指して欲しいと思う。

(3)様々な機能

AI将棋もそうだが、東大将棋も通常の対局以外に様々な機能がある。
前回からある、目隠し将棋や、各種設定対局の他に、定跡別対局が増えた。これは様々な定跡の局面から対局できるということでなかなかいい機能である。また、対戦詰将棋や棋力判定など、いろいろ機能が増えたようだ。一日ではずべて試してみることはできなかったが機能的にはAI将棋2000と互角と言えようか。

(4)詰将棋を解かせる機能

実を言うと、この東大将棋2で、最も驚き、また感心したのが、この詰将棋を解かせる機能だ。

詰将棋を解くことでは、脊尾詰の右に出るものはいない。
最近はプレステの将棋ソフトあたりでも、この機能があり、かなりの詰将棋なら解けるようになってきてはいる。しかし、実戦の詰みとなると、まだ全然だめだ。これは以前、森田将棋(今の最新版ではない)で試したところ、25手くらいまでの詰将棋を解いておきながら、実戦は全く解けなかったことがあり、それだけ実戦は変化が多いということなのだろうと感じていた。

まず、17手の詰将棋を解かせてみた。・・・・・簡単に解いた。まあ、このくらいは解けるだろうと思い、今月の近代将棋の8番を解かせてみた(これには、森田将棋で1分18秒という結果が載っているので)。
すると、なんと、36秒で解いた(コンピュータの性能はずっと低いにもかかわらず)。
これに驚いて、実戦を詰ませてみた。
すると、多少時間はかかったものの、難解な実戦の詰みを詰ませた。時間は、脊尾詰(これも古いバージョン)の約倍かかった。

しかし、はっきり言って、これはかなり驚くべきことだった。これなら、実戦で詰みがあるかないか調べるのに使えるかもしれない。今のところ、まだ時間的に脊尾詰に負けているが、値段的なことを考えたら高い評価を上げたいと思う。

(5)結論

さて、多少、重複するが、感想をまとめておこう。

今回使ったパソコンが、今となっては古い、MMXPentiumの166ということで、不満のある人もいるかもしれない。
ただ、私としては、自分のP2の266で指した、AI将棋2000、友人のK6-2の380で指したAI将棋2000、いずれもPの166で指したときとそれほど強さが変わったという感じは受けていない。
どの場合も本気でやると二枚落ちでいい勝負だったが、コンピュータと同じくらいの棋力の人が指すと、その違いが分かるのかもしれない。
ただ、東大将棋2については、高性能のパソコンで試してないので、強さがどのくらい変わるかは分からない。

※個人的には、AI将棋のように、遅いパソコンでも、早いパソコンと変わらない強さを発揮するソフトを高く評価したい(普通の人は毎年パソコンを買い換えられないでしょう)。


では、次に個人的な感想を点数で評価してみたいと思う。

100点満点で、東大将棋1を50点とすると、
今までのソフト、AI将棋3は70点、AI将棋3DXは78点、AI将棋2000は80点という点数を付けてみた。
では、東大将棋2はどうか。一日使い続けた結果としては、83点という高得点を付けたいと思う。

東大将棋1とAI将棋3では、明らかにAIの方がいい。主な理由は、強さと、同じ手の対応という二つの欠点だ。
AI将棋2000は、AI将棋3に対して、様々な機能を盛り込んだ分、点数は上がったものの、際だって強くなった訳ではないため、10点しか上がらなかった。

しかし、東大将棋2は、機能も強さもAI将棋2000に追いついたと思う。さらに欠点もなくなり、詰将棋解答というすごいおまけも付いた。
この詰将棋解答は使わない人にとってはそれほどたいした機能ではないかもしれないが、それでも格段に強く、早くなったこのソフトをみれば、東大将棋1にがっかりしていた人には、かなり期待した製品ができたと言えるのではないだろうか。


最近、雑誌などでも将棋ソフトの話題が出ることが多いが、少し前に、柿木将棋に定跡を入れることで、かなり強いソフトができるという話も聞いている。このへんのところも、いずれ新しいバージョンが出たら、試してみたいと思っている。

1999年09月03日作成

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