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(4)「最強将棋塾」12冊+「未来の定跡」3冊 全15冊

データ
出版社:河出書房新社  大きさ:四六判(130*189)  P220〜P270

「最強将棋塾」(指しこなす本シリーズ5冊)
(1)四間飛車を指しこなす本1    藤井猛著   P266 2000年3月24日初版 1300円
(2)四間飛車を指しこなす本2    藤井猛著   P264 2000年5月25日初版 1300円
(3)四間飛車を指しこなす本3    藤井猛著   P264 2000年6月15日初版 1300円
(4)8五飛を指してみる本       森下卓著   P247 2001年11月10日初版 1300円
(5)ごきげん中飛車を指しこなす本 近藤正和著 P249 2002年7月20日初版 1300円

「最強将棋塾」(絶対感覚他7冊)
(6)読みの技法            島朗著     P220 1999年3月25日初版 1300円
(7)これが最前線だ!        深浦康市著  P238 1999年4月15日初版 1400円
(8)将棋新理論            谷川浩司著  P221 1999年6月25日初版 1300円
(9)佐藤康光の戦いの絶対感覚  佐藤康光著  P246 2000年1月20日初版 1400円
(10)森内俊之の戦いの絶対感覚 森内俊之著  P222 2000年2月10日初版 1300円
(11)羽生善治の戦いの絶対感覚 羽生善治著  P252 2001年11月20日初版 1400円
(12)谷川浩司の戦いの絶対感覚 谷川浩司著  P254 2003年4月20日初版 1400円

「未来の定跡」3冊
(13)現代矢倉の思想       森下卓著  P222 1999年5月25日初版 1300円
(14)現代矢倉の闘い       森下卓著  P222 1999年8月25日初版 1300円
(15)8五飛戦法          森下卓著  P238 1999年10月25日初版 1400円

将棋タウンの古書店」内で見つける場合は、「河出書房」又はその本の名称で検索して下さい(この文字をコピーし、検索窓に貼り付けると簡単です)。
シリーズ概略
同じ体裁で「最強将棋塾」と「未来の定跡」に分かれているが、この分け方はちょっと不自然だ。分けるなら、「指しこなす本シリーズ」と「それ以外」にして何らかの名称を付けるべきだろう。
つまり、「指しこなす本シリーズ」はどんどん読み進められるやさしい定跡書であり、それ以外は有段者向け(将棋新理論を除く)で研究書に近いからだ。

河出書房新社の本は、ほとんどハズレのない本と言って良いほど内容的にはすぐれたものが多い。但し、難しい本も多いので、買う時には注意して欲しい。

指しこなす本シリーズと将棋新理論は級位者から初段前後まで、それ以外の本は有段者向けなので棋力に合った本を読んでもらいたいと思う。
(1)四間飛車を指しこなす本1

級位者向け四間飛車の定跡書として確固たる地位を築いた本だ。(級位者向け定跡書としては、この他に先崎学著「ホントに勝てる〜」シリーズがこの本とあわせてお勧めである)

指しこなす本全体がそうであるが、中の構成が面白い。一ページずつ次の一手形式で読み進めていき、最後まで行ったら、今度は本を逆にしてまた読み進めて行く。

変化そのものはそれほど多岐に渡り終盤まで、という風には書かれていないが、主要な定跡手順はほぼ網羅されており、級位者なら十分、有段者でももう一度ざっと頭の中を整理したい時にはスラスラ読めてうれしい。

このシリーズは、三冊あるが、続編という訳ではなく、単に内容(定跡の種類)が違うだけなので、目次を見て、自分の興味ある定跡が書かれている本をまず読んで、役に立つようだったらそれ以外の二冊も揃えると良いだろう。

なお、第3章の「最短の仕掛け」は、居飛車が端を手抜きして一手早く斜め棒銀に出た変化について。第7章の「終盤の手筋」は分量は少ないが(16ページ)、囲いの崩し方受け方を実戦の次の一手で出題しているもの。

目次(実際の本には目次が書かれていない)

まえがき

第1章 斜め棒銀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

第2章 6五歩早仕掛け・・・・・・・・・・・・・・・・・81

第3章 最短の仕掛け・・・・・・・・・・・・・・・・・・110

第4章 山田定跡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・130

第5章 棒銀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・157

第6章 矢倉引き角・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・203

第7章 終盤の手筋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・250

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(2)四間飛車を指しこなす本2

この第2巻は、居飛車穴熊に対する四間飛車の対策本で、構成や難易度は第1巻と同じだ(上のレビューも参考に)。

第1章では、▲7七角から居飛車側が△1二香と上がった瞬間に▲6五歩と角交換をせまる指し方。(49ページ)

第2章は、▲5六銀と出て居飛穴が完成しないうちに▲4五歩と仕掛ける指し方。(41ページ)

第3章は、居飛車側が工夫して舟囲いから穴熊を目指した場合などの四間飛車側の指し方について。(57ページ)

第4章は、4筋に飛車を振り戻し、この筋を主戦場とする指し方。(48ページ)

第5章は、藤井システムの主要な変化、定跡を解説。(59ページ)

全体としては、とにかく居飛車穴熊に対して囲われる前に仕掛ける、というスタンスが前面に出ている。藤井システムは居玉なので(居玉のことが多いので)、反撃が厳しく難しいという人には、この本の1〜4章にあるように、美濃に囲って居飛穴が完成する前に仕掛けるという方法も面白いと思う。

居飛車穴熊に悩まされている級位者から初段前後向けの定跡書だ。

目次

まえがき

プロローグ−居飛車穴熊対策以前・・・・・・・・i

第1章 角交換挑戦型・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

第2章 5六銀速攻作戦・・・・・・・・・・・・・・・・・50

第3章 6六銀型四間飛車・・・・・・・・・・・・・・・91

第4章 4八飛戦法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・148

第5章 藤井システム基礎編・・・・・・・・・・・・196

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(3)四間飛車を指しこなす本3

この第3巻は、2巻に続き居飛車穴熊に対する藤井システムの他、左美濃や位取りなど持久戦に対する指し方が載っている(1、2巻のレビューも参考に)。

まず第1章は、藤井システムについて。第2巻の最後の章が藤井システム基礎編だったが、これはその続編と言った感じで、さらに居飛車側の別の指し方に対する藤井システムの解説である。分量的にはかなりある。(114ページ)

第2章は、対左美濃について。玉頭をからめた様々な戦い方だ。(79ページ)

第3章は、5筋位取りについて。昔からある対策プラス藤井なりに分かりやすく説明している。(42ページ)

第4章は、玉頭位取りについて。中央からの反撃と、石田流からのさばき。これも以前からある基本的な定跡をやさしく解説している。(28ページ)

全体としては、居飛車の持久戦に対するいろいろな指し方、考え方が載せられている。基本的な定跡の部分もかなりあるので、初段になるまでに押さえておきたい本である。

目次

まえがき

第1章 藤井システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

第2章 左美濃完全撃破・・・・・・・・・・・・・・・・115

第3章 5筋位取り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・194

第4章 玉頭位取り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・236

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(4)8五飛を指してみる本

この本は、森下が8五飛戦法をやさしく解説した定跡書だ。

森下は、まえがきの中で次のように述べている。
『そんな方々(難しくて良く分からないと言う方々)に、8五飛戦法を実際に指してもらい、その面白さを味わってもらう為の本である。
難解複雑でプロでも悩む細かい変化などはあえて省き、ここを押さえておけば十分に指せるという主要ポイントを「定跡次の一手」形式でまとめ上げたのが本書の特徴だ。』

ここでは、対象を2〜3級から二〜三段と言っているが、級位者でも読みこなせるくらい分かりやすく作成されている(これは指しこなす本全体に言える)。但し一点、分かりやすいようにと、先後を逆にしている。しかしこれは8五飛戦法のプロの棋譜などを常に後手で見てきている人にはかえって違和感がある。大きなお節介だったと思うがどうであろうか(あまり棋譜を見慣れない人にはあるいは見易いかもしれない)。

第1章は、超急戦の基本として、△2三歩(本と同じように先後逆)でいきなり銀頭を叩く△8七歩とした場合。さらに、序盤の知っていなければならない飛車取りに打つ△1四角の変化などを主に解説。(51ページ)

第2章は、中住まい、つまり△5二玉型について(75ページ)、第3章は△4二玉型の攻防について(70ページ)詳しく解説されている。ここが8五飛戦法の主要部分と言える。

第4章では角交換型への対策が載せられている。これは相手が△2三歩と飛車を追わない場合にどう指すべきかと言うことだ。(48ページ)

8五飛戦法を指してみたい級位者、概略を知っておきたい有段者向けと言った感じか。

目次

まえがき

第1章 超急戦の基本・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

第2章 中住まいの攻略・・・・・・・・・・・・・・・・・52

第3章 4二玉型への攻防・・・・・・・・・・・・・・・127

第4章 角交換型への対策・・・・・・・・・・・・・・199

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(5)ごきげん中飛車を指しこなす本

指しこなす本のごきげん中飛車版だ。構成や難易度は、四間飛車を指しこなす本と同じで分かりやすい。

第1章は、居飛車側が超急戦を仕掛けてきた時の対処法だ。最近は少なくなってきたが以前はプロの対局でも良く見た気がする。ごきげんを指す以上、知っておかなければならない変化でもある。(46ページ)

第2章は、基本の基本として主に居飛車が舟囲いに組み銀を進出(△7三から△6四)してきた場合の指し方についての解説だ。変化もかなりあるが、それ以上に一つの変化にかなり先まで書かれている感じを持った。実戦ではなかなかその通りにはならないだろうが、戦い方を感覚で掴むには良いだろう。(97ページ)

第3章は、変化球にも、と書かれているが、これはごきげんが中央の位を取った手に対し、居飛車側が△3二金と守った形の解説をしている。ごきげん対策用に指される形だ。(30ページ)

第4章は、居飛車穴熊破りの解説。穴熊に対しごきげん側は▲5六に銀を据え好形な局面から仕掛ける順。(20ページ)

第5章は、初手▲5六歩から始めるごきげん中飛車。先手、後手どちらでも使えるという訳だ。それに対し、飛車先を破ってくる指し方、あるいは中央の位を取らせない指し方などいろいろな居飛車の指し方に対応する方法が書かれている。(56ページ)

全体としては、細かな変化を覚えるのではなく、ごきげん中飛車の指し方の呼吸を読み取って欲しいと思う(級位者から初段前後向け)。

目次

まえがき

第1章 ごきげん流のカウンター・・・・・・・・・・・・・1

第2章 ごきげん流 基本の基本・・・・・・・・・・・・47

第3章 変化球にもごきげん流・・・・・・・・・・・・・・144

第4章 ごきげん流穴熊破り・・・・・・・・・・・・・・・・175

第5章 進化するごきげん中飛車・・・・・・・・・・・・194

あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・249

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(6)読みの技法

私がこの本を最初に見た時、「これはすごい本だ!」と感嘆したのを覚えている。トッププロの”読み”をこれほど解説した本と言うのは今までになかったからである。

この本は、序、中、終盤に渡って25の局面を選び出し、それを羽生、佐藤、森内がどのように読んでいるのかをインタビューの形で載せたものだ。

まえがきに『決定的な正解が存在しない局面ばかり』なので、『自分ならどんなふうに読んでいくか、どんな方針で指していくのか、それを決めたあとで、三氏の読みと比較されるとよいと思う。』とある。

したがって、問題も難しいし、読みの内容も難しい。しかしプロの読みがどういうものかをじっくりと読むのは有段者にとってとても有益だ。

今では似たような本として、「絶対感覚」が四冊出ているので、好きな棋士がいるなら直接その本を、いないならまずこの本を読んで、役に立ちそうなら引き続き「絶対感覚」を買ったので良いと思う。(有段者向け)

目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第1番 紛れを生み出す・・・・・・・・・・・・・・11
第2番 堅さと進展性・・・・・・・・・・・・・・・・・19
第3番 寄せの事前工作・・・・・・・・・・・・・・27
第4番 見えている狙いとその迎撃・・・・・35
第5番 決め手を与えない指し方・・・・・・・43
第6番 形の違いから展開を読む・・・・・・51
第7番 速度計算と状況・・・・・・・・・・・・・・59
第8番 戦機と駒組み・・・・・・・・・・・・・・・・67
第9番 勝負形につなぐ・・・・・・・・・・・・・・・75
第10番 単純ながらうるさい攻め・・・・・・・83
第11番 細い攻め---つなぐ技術と切らす技術・・・91
第12番 手詰まりとその打開・・・・・・・・・・99
第13番 仕掛けの構図・・・・・・・・・・・・・・・107
第14番 王様までの距離・・・・・・・・・・・・・115
第15番 仕掛けと変化球・・・・・・・・・・・・・123
第16番 狙いを見切った陣立て・・・・・・・・131
第17番 戦いをにらんだ駒組み・・・・・・・・139
第18番 仕掛けの最善形・・・・・・・・・・・・・147
第19番 短期決戦と延長戦・・・・・・・・・・・155
第20番 微差から大差へ・・・・・・・・・・・・・163
第21番 陣形と戦い方・・・・・・・・・・・・・・・171
第22番 反撃を予測した仕掛け・・・・・・・179
第23番 動きと押さえ込み・・・・・・・・・・・・187
第24番 手を作るための駒組み・・・・・・・195
第25番 勝利までの道のり・・・・・・・・・・・203

座談会「5×10」の宇宙・・・・・・・・・・・・・・211

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(7)これが最前線だ!

この本は、様々な定跡、形を50のテーマに分けて、実戦を引き合いに出しながら解説している本である。

以下に著者である深浦プロの「まえがき」を紹介することで、この本の内容と”すごさ”を分かってもらえれば、と思う。

『本書は、今現在、私たちプロ棋士が最も注目しているテーマ図ばかりを集め、その局面の焦点、過去の実戦例、筆者の独自の研究と今後の見どころなどをまとめたものである。
一口に最新定跡といっても、ここ数年で大きく変貌を遂げた形もあれば、昭和の時代からいまだに生き続けている形もある。その中で、節目となった重要対局、タイトル戦などで指された有名な将棋などは極力取り上げたので、結果として、ここ10年ぐらいのささやかな「将棋戦法史」にもなったのではないかと思っている。主要な戦型もほぼ網羅した。したがって、本書を辞書として手元に置いてタイトル戦やテレビ将棋、観戦記などを見ていただければ、これまで以上にプロの将棋を楽しめるはずである。
また、筆者独自の研究では、まだ実戦で指していない手(これから指すつもりの手)まで正直に記したので、実戦的には不利だが、それは今後の研究を深めることで補っていくしかないと思っている。
400字原稿用紙にして約300枚、図面約400図もの書き下ろしはもちろん初めてである。一つのテーマに費やした時間は最低でも六時間。この九ヶ月ほど、対局に支障を来さない限り、自由な時間のほとんどを本書の執筆にあてたような気がする。(以下略)』

定跡を良く勉強している級位者、及び有段者向けの本である。

目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第一部 これが振り飛車最前線だ!・・・・7

テーマ1 新旧山田定跡・・・・・・・・・・・・・・・9
テーマ2 斜め棒銀・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
テーマ3 4五歩早仕掛け・・・・・・・・・・・・・17
テーマ4 棒銀の基本・・・・・・・・・・・・・・・・21
テーマ5 棒銀対策6五歩型・・・・・・・・・・・25
テーマ6 先手四間飛車対斜め棒銀・・・・29
テーマ7 5七銀右戦法・・・・・・・・・・・・・・・33
テーマ8 左美濃対藤井システム・・・・・・・37
テーマ9 居飛車穴熊対藤井システム1・・41
テーマ10 居飛車穴熊対藤井システム2・45
テーマ11 先手藤井システム1・・・・・・・・・49
テーマ12 先手藤井システム2・・・・・・・・・53
テーマ13 居飛車穴熊対浮き飛車・・・・・57
テーマ14 銀冠対振り飛車穴熊・・・・・・・61
テーマ15 銀冠穴熊対振り飛車穴熊・・・65
テーマ16 相穴熊急戦篇・・・・・・・・・・・・・69
テーマ17 相穴熊持久戦篇・・・・・・・・・・・73
テーマ18 向かい飛車の挑戦・・・・・・・・・77
テーマ19 最新の三間飛車・・・・・・・・・・・81
テーマ20 近藤流コキゲン中飛車・・・・・・85
テーマ21 立石流最前線・・・・・・・・・・・・・89

第二部 これが矢倉最前線だ!・・・・・・・93

テーマ22 3五歩早仕掛け・・・・・・・・・・・・95
テーマ23 飛車先不突き雀刺し・・・・・・・101
テーマ24 郷田流3八飛戦法・・・・・・・・・107
テーマ25 森下システム物語1・・・・・・・・113
テーマ26 森下システム物語2・・・・・・・・119
テーマ27 後手7三銀型の攻防・・・・・・・125
テーマ28 3七銀戦法・・・・・・・・・・・・・・・131
テーマ29 後手8五歩型・・・・・・・・・・・・・137
テーマ30 8四歩・9四歩型・・・・・・・・・・143
テーマ31 △4五歩の反発・・・・・・・・・・・149
テーマ32 8四歩・9五歩型・・・・・・・・・・155
テーマ33 9五歩・7三桂型・・・・・・・・・・161
テーマ34 脇システム・・・・・・・・・・・・・・167
テーマ35 矢倉中飛車最新版・・・・・・・・171

第三部 これが居飛車最前線だ!・・・・177

テーマ36 角換わり腰掛け銀同型・・・・・179
テーマ37 角換わり腰掛け銀6五歩型・・183
テーマ38 角換わり腰掛け銀6三金型・・187
テーマ39 角換わり後手棒銀・・・・・・・・・191
テーマ40 角換わり先手棒銀・・・・・・・・・195
テーマ41 相横歩取り・・・・・・・・・・・・・・・199
テーマ42 横歩取り3三桂戦法・・・・・・・・203
テーマ43 空中戦5二玉・8四飛型・・・・・207
テーマ44 空中戦8五飛型・・・・・・・・・・・211
テーマ45 中原流3七銀戦法・・・・・・・・・215
テーマ46 塚田流中住まい・・・・・・・・・・・219
テーマ47 1筋省略型3七銀戦法・・・・・・223
テーマ48 ひねり飛車拒否の△3四歩・・227
テーマ49 相掛かり腰掛け銀最新形・・・231
テーマ50 最新のひねり飛車対策・・・・・235

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(8)将棋新理論

これは今までにないようなちょっと毛色の変わった本である。書名の「新理論」にはやや疑問符が付くが、内容は手筋本に入る。
具体的には、駒の特性を一章ずつに分けて解説しているものである。

まえがきの中で『上級者には高度な将棋の本質を、中級者には一層の飛躍のための考え方を、初級者には効率よく上達するための秘訣を伝えたいと思っている』と書かれていて、確かに級位者から初段クラスの人たちには、駒の特性、手筋の解説部分は面白く役に立つものが多いと思う。

ただ、そのことをさらに説明するために使っている実戦譜がプロである谷川のものであるため、内容がやや難しくなってしまった感じはする。

第1章は最もページ数がさかれている歩(80ページ)。第2章以降は、ほぼ20ページずつ取られている。

このような駒の特性をまとめた本と言うのはあまり見ない為、すぐに上達できるかどうかは別にして貴重な本になっていると思う(内容的にはやさしいので、級位者から初段向け)。

目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第1章 歩 その多様性・・・・・・・・・・・・・・・5

第2章 香 その直進性・・・・・・・・・・・・・・・85

第3章 桂 その意外性・・・・・・・・・・・・・・105

第4章 銀 その機動力・・・・・・・・・・・・・・123

第5章 金 その信頼感・・・・・・・・・・・・・・141

第6章 角 その総合力・・・・・・・・・・・・・・159

第7章 飛 その攻撃力・・・・・・・・・・・・・・181

第8章 玉 その存在感・・・・・・・・・・・・・・201

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(9)佐藤康光の戦いの絶対感覚

トッププロ四人が出している「戦いの絶対感覚」のうちの一冊。52の局面をテーマ図としてそこからの佐藤の読みを解説している。

まえがきで佐藤は次のように書いている。『本書「戦いの絶対感覚」では、私の実戦から、私らしい戦い方のポイントを選び出し、それぞれじっくり解説しました。読みと同時に、私の考え方についてよりスペースを割きました。』

内容は難しいが、じっくり読むことで、有段者には十分役に立つと思う。


目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第1章 序盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・・・7

テーマ1 ポイントを稼ぐ攻め・・・・・・・・・・9
テーマ2 完成までの我慢・・・・・・・・・・・・13
テーマ3 誘いの隙を見破る・・・・・・・・・・17
テーマ4 攻めを残す受け・・・・・・・・・・・・21
テーマ5 迎え撃つ戦い・・・・・・・・・・・・・・25
テーマ6 激しい主導権争い・・・・・・・・・・・31
テーマ7 飛車を攻める構想・・・・・・・・・・35
テーマ8 攻めの目標を考える・・・・・・・・39
テーマ9 手詰まりを避ける構想・・・・・・・43
テーマ10 作戦勝ち確定の構想・・・・・・・47
テーマ11 手損の裏表・・・・・・・・・・・・・・・51

第2章 中盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・・55

テーマ12 堅さを生かすさばき・・・・・・・・57
テーマ13 中盤は駒の損得より速度・・・61
テーマ14 穴熊流の攻め・・・・・・・・・・・・65
テーマ15 駒の効率・・・・・・・・・・・・・・・・69
テーマ16 厚みで勝つ・・・・・・・・・・・・・・73
テーマ17 押さえ込みの構想・・・・・・・・・77
テーマ18 勝てない形を見極める・・・・・81
テーマ19 攻め駒の効率・・・・・・・・・・・・85
テーマ20 手筋一発・・・・・・・・・・・・・・・・89
テーマ21 大駒を切るタイミング・・・・・・93
テーマ22 二者択一・・・・・・・・・・・・・・・・97
テーマ23 遊び駒を使う・・・・・・・・・・・・101
テーマ24 位の奪還・・・・・・・・・・・・・・・105
テーマ25 手を稼ぐ受け・・・・・・・・・・・・109
テーマ26 切り返し・・・・・・・・・・・・・・・・113
テーマ27 攻め合いを望む・・・・・・・・・117
テーマ28 攻め駒を責める・・・・・・・・・121
テーマ29 歩切れを衝く・・・・・・・・・・・・125
コラム 穴熊の強手・・・・・・・・・・・・・・・68

第3章 終盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・129

テーマ30 攻防の香・・・・・・・・・・・・・・131
テーマ31 詰めろ逃れのテクニック・・135
テーマ32 玉対玉の戦い・・・・・・・・・・139
テーマ33 玉頭の勢力争い・・・・・・・・143
テーマ34 厚みの重要性・・・・・・・・・・147
テーマ35 必至・・・・・・・・・・・・・・・・・・151
テーマ36 速度計算・・・・・・・・・・・・・・155
テーマ37 一手勝ち・・・・・・・・・・・・・・159
テーマ38 手を伸ばす受け・・・・・・・・163
テーマ39 安全にする攻め・・・・・・・・167
テーマ40 詰めろの連続で押し切る・・173
テーマ41 変化の余地を少なくする・・179
テーマ42 即詰み・・・・・・・・・・・・・・・・183
テーマ43 必至への手順・・・・・・・・・・187
テーマ44 入玉を防ぐ・・・・・・・・・・・・191
テーマ45 強く寄せ合う・・・・・・・・・・・195
テーマ46 攻防・・・・・・・・・・・・・・・・・201
テーマ47 絶対条件を生かす・・・・・・205
テーマ48 駒を集中する攻め・・・・・・209
テーマ49 寄せの構図を描く・・・・・・213
テーマ50 即詰み・・・・・・・・・・・・・・・217
テーマ51 強い受け・・・・・・・・・・・・・221
テーマ52 あます・・・・・・・・・・・・・・・225

コラム 強い受け・・・・・・・・・・・・・・・154
     一手必至・・・・・・・・・・・・・・・190
     八手の得あり・・・・・・・・・・・216
     先逃げの手筋・・・・・・・・・・220

参考棋譜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・246

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(10)森内俊之の戦いの絶対感覚

トッププロ四人が出している「戦いの絶対感覚」のうちの一冊。42の局面をテーマ図としてそこからの森内の読みを解説している。

まえがきで森内は次のように書いている。『本書は、私の実戦の中から特に印象に残っている局面を選びだし、それぞれじっくり解説したものである。アマチュアの方にも参考になりそうな題材を選ぶよう心がけたが、プロ棋士としての考え方を知っていただきたくて取り上げた場合も多い。変化は正直に記した。よってかなり高度な内容であることをお断りしておきたい。』

森内も、『なにがなんでも正解にだどり着こうというのではなく、自分なりにある程度考えたら、解説に移っていただいて結構である。』と書いているように、じっくり読んで、プロの読みの本筋を少しでも身につけたい。

目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第1章 序盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・・・7

テーマ1 読み以前の感覚・・・・・・・・・・・・9
テーマ2 とがめる意識・・・・・・・・・・・・・・13
テーマ3 隙あらば急戦・・・・・・・・・・・・・・17
テーマ4 好形を目指す構想・・・・・・・・・・21
テーマ5 矢倉の可能性・・・・・・・・・・・・・25
テーマ6 枡目の支配・・・・・・・・・・・・・・・29

テーマ7 千日手の思想・・・・・・・・・・・・・33
テーマ8 仕掛けの逆用・・・・・・・・・・・・・39
テーマ9 序盤の勝負手・・・・・・・・・・・・・43
テーマ10 読みの試行錯誤・・・・・・・・・・47

第2章 中盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・・53

テーマ11 定跡の裏表・・・・・・・・・・・・・・・55
テーマ12 新型と既成手順・・・・・・・・・・・59
テーマ13 圧殺の戦略・・・・・・・・・・・・・・65
テーマ14 手渡しの高等戦術・・・・・・・・・69
テーマ15 攻め駒を責める・・・・・・・・・・・73
テーマ16 加速の連続手筋・・・・・・・・・・77
テーマ17 中盤の勝負手・・・・・・・・・・・・81
テーマ18 大駒封鎖・・・・・・・・・・・・・・・・85
テーマ19 研究にはまる・・・・・・・・・・・・89
テーマ20 手得の構造・・・・・・・・・・・・・・93
テーマ21 常識の罠・・・・・・・・・・・・・・・99
テーマ22 後の先・・・・・・・・・・・・・・・・・103
テーマ23 温故知新・・・・・・・・・・・・・・・107
テーマ24 主導権争い・・・・・・・・・・・・・111
テーマ25 見落とし・・・・・・・・・・・・・・・・115
テーマ26 駒損の代償・・・・・・・・・・・・・121
テーマ27 攻めをつくる受け・・・・・・・・125
テーマ28 攻め合いのダイナミズム・・129
テーマ29 決め手一発・・・・・・・・・・・・133
テーマ30 プロの勝負手・・・・・・・・・・・137
テーマ31 駒得の本質・・・・・・・・・・・・・143

第3章 終盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・147

テーマ32 逆算方式・・・・・・・・・・・・・・149
テーマ33 一手争いの基本・・・・・・・・153
テーマ34 組み合わせの妙・・・・・・・・157
テーマ35 逆転の可能性・・・・・・・・・・161
テーマ36 穴熊特有の猛攻・・・・・・・・167
テーマ37 受けつぶし・・・・・・・・・・・・・171
テーマ38 決定的瞬間とその逸機・・・175
テーマ39 手勝ちの感覚・・・・・・・・・・179
テーマ40 詰めろ逃れの詰めろ・・・・・183
テーマ41 攻守の選択・・・・・・・・・・・・187
テーマ42 攻め駒消去法・・・・・・・・・・191

コラム 駒を取りながら詰ます・・・・・・186

参考棋譜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・222

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(11)羽生善治の戦いの絶対感覚

トッププロ四人が出している「戦いの絶対感覚」のうちの一冊。43の局面をテーマ図としてそこからの羽生の読みを解説している。

この本も他の三冊と同じで、内容的には難しい。しかし、じっくり読んで、トッププロのその局面における考え方を知ることで将棋の本筋を見つけられるようになれればと思う。



目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第1章 序盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・・・7

テーマ1 形を崩す・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
テーマ2 主導権を取る・・・・・・・・・・・・・・13
テーマ3 手を稼ぐ・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
テーマ4 捌きの手順・・・・・・・・・・・・・・・・23
テーマ5 軽い手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
テーマ6 遠見の角に好手あり・・・・・・・・・31
テーマ7 駒組みにおける注意・・・・・・・・37
テーマ8 何気ない瞬間・・・・・・・・・・・・・・43
テーマ9 戦いの始まり・・・・・・・・・・・・・・・49
テーマ10 理想形をめぐる攻防・・・・・・・・55
テーマ11 押さえ込みについて・・・・・・・・・59
テーマ12 序盤の分岐点・・・・・・・・・・・・・63
テーマ13 序盤の工夫・・・・・・・・・・・・・・69
テーマ14 突き捨ての順番・・・・・・・・・・・73
テーマ15 序盤の不注意・・・・・・・・・・・・79
テーマ16 争点を消す受け・・・・・・・・・・・83
テーマ17 局面の落ち着け方・・・・・・・・・87
テーマ18 形の違い・・・・・・・・・・・・・・・・91

第2章 中盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・・97

テーマ19 遊び駒を作らない・・・・・・・・・99
テーマ20 味の良い一手・・・・・・・・・・・・105
テーマ21 制空権を握る・・・・・・・・・・・・111
テーマ22 有効な手渡し・・・・・・・・・・・・115
テーマ23 穴熊の捌き・・・・・・・・・・・・・・119
テーマ24 力強い受け・・・・・・・・・・・・・・125
テーマ25 攻めの継続・・・・・・・・・・・・・131
テーマ26 辛抱された時・・・・・・・・・・・・137
テーマ27 傷を消す・・・・・・・・・・・・・・・・143
テーマ28 確実な一手・・・・・・・・・・・・・・147
テーマ29 捌きを封じる・・・・・・・・・・・・151
テーマ30 反発の手順・・・・・・・・・・・・・157
テーマ31 桂頭への応接・・・・・・・・・・・161
テーマ32 攻めを含みに・・・・・・・・・・・・165
テーマ33 歩が利かない時の攻め・・・・169
テーマ34 押さえ込みから逃れる捌き・175

第3章 終盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・181

テーマ35 攻防の位置・・・・・・・・・・・・・183
テーマ36 美濃囲いの急所・・・・・・・・・189
テーマ37 中住まいの急所・・・・・・・・・195
テーマ38 玉頭戦の攻防・・・・・・・・・・・199
テーマ39 決め手を探す・・・・・・・・・・・203
テーマ40 突き捨てのタイミング・・・・・207
テーマ41 間合いを測る受け・・・・・・・213
テーマ42 バラバラの陣形について・・219
テーマ43 最終盤の考え方・・・・・・・・・223

参考棋譜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・227

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(12)谷川浩司の戦いの絶対感覚

トッププロ四人が出している「戦いの絶対感覚」のうちの一冊であり、最後に出された本だ。全部で50の局面をテーマ図としてそこからの谷川の読みを解説している。

まえがきから少し紹介したい。『(前略)そうした戦法の流行が続くことによって、現代将棋の感覚は以前とは大きく変わってきた。序盤のスピード、序盤の一手の重要性。序盤から終盤へと進む流れの速さ。中終盤をより直線的に考える感覚。それらは昔の将棋観とは全く違ってきた。私の将棋観も同じように変わってきている。
ただ、そうは言っても、将棋の中には絶対的に変わらない基本的な感覚もある。私の中にも人とは違った部分で変わらない面もあるし、それが棋士それぞれの個性になっているのだと思う。
本書ではそうした私の将棋観の変わった部分と変わらない部分を併せて語ったつもりである。』

他の三冊同様、内容は難しいが有段者には有益な一冊である。

目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第1章 序盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・・・7

テーマ1 玉の安全地帯・・・・・・・・・・・・・・9
テーマ2 堅陣に組まれる前に・・・・・・・・13
テーマ3 妥協なき反発・・・・・・・・・・・・・・17
テーマ4 一瞬の好形を生かす・・・・・・・・23
テーマ5 先攻を考えるとき・・・・・・・・・・・27
テーマ6 作戦勝ちを拡大する工夫・・・・31
テーマ7 相手の意図を読む・・・・・・・・・・35

第2章 中盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・・39

テーマ8 攻めの継続を図る・・・・・・・・・・41
テーマ9 突き捨てのタイミング・・・・・・・・45
テーマ10 絶対条件を見抜く・・・・・・・・・・49
テーマ11 攻め駒を責める・・・・・・・・・・・53
テーマ12 損得か、それとも働きか・・・・57
テーマ13 局面の様相・・・・・・・・・・・・・・61
テーマ14 敵の打ちたいところに打て・・65
テーマ15 歩切れを衝く勝負手・・・・・・・・69
テーマ16 一瞬の悪形を衝く・・・・・・・・・・73
テーマ17 戦いの流れを作る・・・・・・・・・77
テーマ18 情報戦と読み・・・・・・・・・・・・・81
テーマ19 強攻の条件・・・・・・・・・・・・・・87
テーマ20 ふさわしい形・・・・・・・・・・・・・91
テーマ21 楽しみを残す指し方・・・・・・・・95
テーマ22 不安定な攻め駒・・・・・・・・・・・99
テーマ23 受けの勝負手・・・・・・・・・・・・103
テーマ24 盲点を衝く攻め・・・・・・・・・・・109
テーマ25 飛車角交換の是非・・・・・・・・113
テーマ26 拠点を最大限に生かす・・・・117
テーマ27 焦土と加速・・・・・・・・・・・・・・121
テーマ28 読みの仮定法・・・・・・・・・・・・125
テーマ29 堅さを生かす強襲・・・・・・・・・129
テーマ30 さばきをめぐる攻防・・・・・・・・133
テーマ31 形勢に差をつけて勝つ・・・・・137
テーマ32 攻めの速度・・・・・・・・・・・・・・141
テーマ33 最も効率のよい攻め・・・・・・・145
テーマ34 終盤への構想・・・・・・・・・・・・151
テーマ35 勝負手しかない・・・・・・・・・・・157

第3章 終盤の絶対感覚・・・・・・・・・・・・161

テーマ36 形を決める強手・・・・・・・・・・163
テーマ37 この一瞬の寄せ・・・・・・・・・・167
テーマ38 切れない攻めを考える・・・・・171
テーマ39 攻めを遅くする工夫・・・・・・・175
テーマ40 最短距離の寄せ・・・・・・・・・179
テーマ41 急所の地点・・・・・・・・・・・・・183
テーマ42 局面を単純化する寄せ・・・・187
テーマ43 一瞬の逆転を狙う・・・・・・・・191
テーマ44 自玉を安全にする詰めろ・・195
テーマ45 渡してよい駒を読む・・・・・・199
テーマ46 直線と曲線・・・・・・・・・・・・・203
テーマ47 寄せの事前工作・・・・・・・・・207
テーマ48 寄せ合いの条件・・・・・・・・・211
テーマ49 攻め駒消去法・・・・・・・・・・・215
テーマ50 絶対に譲れない場所・・・・・219

参考棋譜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・254

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(13)現代矢倉の思想

この本は、森下の初めての本格的な定跡書である。

その森下は、まえがきの中でこの本について次のように述べている。『枝葉末節と思われる変化をカタログ的に並べることは避け、本質的手順・変化に焦点を絞り、未知の局面に出会っても自分の力で正着を見いだせる「考え方」に主眼を置いた』と。

実際この本は森下の考え方が随所に出ていて非常に為になる良書である。とはいえ、プロの考え方を正直に述べている為、当然難しい。有段者で矢倉を指す人なら読んでおいて決して損はない。

第1章では、▲3七銀と上がるまでを基本の25手としそこまでの細かい動きを詳細に解説。この部分だけでも矢倉を指さない人にとってもかなり良い勉強になる。(52ページ)

第2章では、『加藤一二三九段が▲2六歩にこだわって指し続けていることから「加藤流」と呼ばれる』この手順(基本の32手以降▲2六歩△8五歩▲1六歩)についての解説。(28ページ)

第3章では、加藤流の続きとして▲1六歩に△9四歩の変化を詳しく調べる。(48ページ)

第4章では、基本の32手から△9四歩と突くのを森内流と言いこの変化についてページ数は少ないが解説している。(30ページ)

第5章、基本の25手の最後の▲3七銀を▲3八飛と変化する指し方が郷田流でここではその解説。(40ページ)

第6章では▲3五歩と早く突く変化について簡単に述べられている。(16ページ)

全体をじっくり読むと矢倉の奥深さが良く分かる。有段者向けの良書である。

目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第1章 基本の32手と後手急戦・・・・・・・・・・・7

第2章 矢倉の原点・加藤流・・・・・・・・・・・・・61

第3章 加藤流の攻防・・・・・・・・・・・・・・・・・・89

第4章 21世紀の主役・森内流・・・・・・・・・・137

第5章 郷田流3八飛戦法・・・・・・・・・・・・・・167

第6章 佐藤流3五歩早仕掛け・・・・・・・・・・207

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(14)現代矢倉の闘い

この本は森下の前著である「現代矢倉の思想」の続編という位置づけである。内容は単独ではあるが、順番としては思想から読み進めた方が分かりやすい。

森下はこの本のまえがきで次のように書いている。

『手順を暗記するのではなく、局面に対する思考力を養うこと、それが定跡を学ぶ意味である。実戦でぶつかったその局面をどのように認識すべきなのか、どのように局面を捉え、思考を発展させるできなのか。定跡はそのとき、最高の羅針盤となる。』

とはいえ、この本も定跡書なので将棋の考え方だけが書いてある訳ではない。詳しい手順の合間合間に森下の考えが入っているに過ぎない。

「現代矢倉の思想」では矢倉3七銀戦法について詳しく述べてきたが、この本では、そこからさらに進んで▲4六銀▲3七桂戦法についての研究である。

第1章では、▲4六銀の発見として、▲4六銀と指す前後の様々な基本的な変化についての解説がある。(34ページ)

第2章では、現代矢倉の攻防として、▲4六銀▲3七桂型からの攻防を詳しく研究。(54ページ)

第3章では森内流(後手番で飛車先より端の一手を優先する)についての解説。「現代矢倉の思想」でも触れていたが、ここでは▲4六銀に対してさらに深い考察。(32ページ)

第4章は▲4六銀▲3七桂の形から5筋の一歩を切るために▲5八飛と回る戦法について解説。(50ページ)

第5章では、進化する森内流として最近(本が出版された当時)の実戦譜を元に解説。あらゆる場面で後手の有力な戦法としての森内流を考察している。(40ページ)

この本に自分が書名をつけるなら、「思想」と「闘い」を合わせて一冊として、「現代矢倉の研究-定跡とその考え方」と言った感じにするだろう。
定跡は変わっていくかもしれないが、本質は変わらない森下渾身の一冊と言える(有段者向け)。

目次

まえがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

第1章 ▲4六銀の発見・・・・・・・・・・・・・・・7

第2章 現代矢倉の攻防・・・・・・・・・・・・・・43

第3章 最強の森内流・・・・・・・・・・・・・・・・97

第4章 5八飛戦法・・・・・・・・・・・・・・・・・・129

第5章 進化する森内流・・・・・・・・・・・・・・179

エピローグ 矢倉はどこへ行くのか・・・・・219

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(15)8五飛戦法

「8五飛を指してみる本」がやさしく8五飛を解説しているのに比べ、こちらは徹底的に8五飛戦法を研究し、全貌を明らかにしようとしている本である。

まずプロローグとして節目となった3局を解説。その後、本格的な説明に入る。

第1章では、オーソドックスな中住まい、▲5八玉から▲3八金▲4八銀型についての攻防。(62ページ)

第2章では、▲5八玉から早繰り銀、あるいは▲3七桂と跳ねて攻める形。(64ページ)

第3章では、▲6八玉型についての攻防。(68ページ)

第4章は、ほんの少ししかないが、ひねり飛車の力戦形について。(12ページ)

8五飛戦法は日々進化し続けている戦法なので、新しい定跡が常に生まれて来るが、この本はその基本を詳細に押さえている本と言えるだろう。(有段者向け)

目次

まえがき

プロローグ 節目となった3局・・・・・・・・・・・・・・・・・7

第1章 オーソドックスな中住まい・・・・・・・・・・・・・33

第2章 一手の違い---スピード重視の銀立ち・・・95

第3章 一路の違い---連係抜群の玉上がり・・・159

第4章 ひねり飛車の力戦へ・・・・・・・・・・・・・・・・227

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