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将棋世界

ここでは、将棋世界の内容と感想を簡単に書いていきます。何年もたまっていけば、いつその記事があったかのデータベースになりますし、普段購入していない方の購入時の参考になればとも思っています。
また、何年もたまり、長く重くなってしまった為、2015年以前を分けました。今後は5年単位に分けて載せようと思っています。
表紙 2017年6月号(5月2日発売)の内容と感想
今月は2016年度が終了したと言うことで、一年を振り返った記事があります。まず、特集1として「熱局プレイバック」でこれは毎年企画されている「プロ棋士が厳選したベストバウト10」。あの名人戦第2局が1位。他に一般のニュースにもなった藤井聡太-加藤一二三戦や女流名人戦第5局、棋王戦など確かにもう一度並べたい熱戦ぞろいです。すべて棋譜もありますので並べてみて下さい。また特集とは別ですが、いつも6月号には、将棋大賞選考会の模様や全棋士の成績、升田幸三賞など、賞や記録も載せられています。

特集のもう一つは、「勝率アップの早指し術」で、こちらは三章立て。
Chapter1は「早指し対談」。山崎八段と糸谷八段が、短い持時間での戦い方を実際の局面をあげて語っています。さらにこの二人で模範対局を行い、その棋譜もあります。一つは2分切れ負けでもう一局は1手10秒です。
Chapter2は講座で「秒読みに負けない早指しの極意」。講師は前期NHK杯準優勝だった佐藤和俊六段。持時間の短い将棋の中から、テーマを選んで終盤戦、どのような考えで指し進めたら良いかを解説しています。
Chapter3は「次の一手タイムトライアル」。比較的やさしいもの11問に難しいもの11問の計22問。タイムトライアルと言うように直感で解答するためか、じっくり考えると分かる問題が多いような気がします。なので、制限時間は書かれていませんが、(考慮時間については)それぞれの棋力に合わせトライしてみて下さい。

巻頭カラーは「
名人戦第1局」(佐藤-稲葉)から始まります。観戦記を書いているのは深浦九段。20代対決と言うことで、21年前の羽生-森内戦についても少しだけ触れています。対局自体は熱戦とはなりませんでしたが、観戦記は面白かったですね。さらに、「藤井聡太四段、炎の七番勝負」の最終局、対羽生戦が藤井四段の自戦記で載っています。その観戦記は中学生とは思えないほどきちんと書かれていました。この一戦は私も最後まで見ていましたが、その時の対局者の読みが分かって、これも良い記事になっています。

他にプロ棋戦は、「振り飛車の証明」の中で、久保九段が王将戦七番勝負を振り返っています。これは第1局からポイントのところを自戦解説で(棋譜は第4、5、6局)。そして「棋王戦第4局」と「第5局」(渡辺-千田)(記:相崎修司氏)があり、「電王戦第1局」(佐藤天彦-PONANZA)も西尾明六段の解説で載っています。こちらも今月の名人戦と一緒で、内容よりは解説が面白かったです。さらに、マイナビ女子オープンも始まり、「マイナビ第1局」(加藤-上田)(文:田名後健吾氏)、「NHK杯決勝」(佐藤康光-佐藤和俊)(文:渡部壮大氏)、「竜王戦1組」(羽生-郷田)(「熱闘!羽生将棋」の中)、「銀河戦本戦Gブロック」(畠山成-高見)、「竜王戦1組」(阿部健-丸山)などがあります。

隔月講座、門倉啓太五段の「最新定跡探査」振り飛車編Vol.9は「向かい飛車」。-飛車先逆襲の成否やいかに-です。5筋を突き合って角道を止めない先手向かい飛車と角道を止める後手向かい飛車に分けて解説されていますが、いずれも居飛車が飛車先を早めに突くことが条件です。昔からある戦型を現代ではどのように指しているか、最新の対局を見ながら解説しています。(参考棋譜は平成26年棋聖戦決勝トーナメント村山-森内戦と平成28年棋聖戦決勝トーナメント鈴木大-郷田戦)

かりんの振り飛車WATCH」第2回は「中飛車を指しこなせ!」です。今までと同じように最初に4問ですが、今回は急に難しくなっているような気がします。級の人は、じっくり時間をかけて考えて見ましょう。

付録は勝又清和六段の「新手年鑑2017年版」。この時期に出る新手の紹介(問題)29問です。はしがきにもあるように、「将棋の常識はどんどん変わっていく」ようですから、今どんな手が出ているか、一通り知っておくのは大切ことです。良いところだけを簡単に知ることが出来るこういう付録も助かりますし面白いですね。
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表紙 2017年5月号(4月3日発売)の内容と感想
今月の特集も二つ。「第75期順位最終局」と「玉の手筋」です。
その巻頭カラーは名人戦挑戦者になった稲葉八段へのインタビュー記事から。本文にはA級から順に記事と注目対局の棋譜があります。掲載棋譜は、B1(豊島-糸谷戦、阿久津-山崎戦)、B2(先崎-菅井戦、北浜-斎藤慎戦)、C1(横山-青嶋戦、大石-平藤戦)、C2(小林健-近藤誠戦、西尾-脇戦、佐藤紳-門倉戦)。そしてその後に、「昇級者喜びの声」があります。

特集のもう一つは、「ピンチから勝つ!玉の手筋」で、三章立てです。
Chapter1は「受け師が教える玉の妙技18」。受け師ですから当然木村一基八段。インタビュー記事2ページに実戦解説が10ページあり全部で12ページ。実戦解説はまさに玉のさばきで、多くの実戦譜の一局面から凌ぎ方を解説、参考棋譜としても2局、平成26年の順位戦木村-飯塚戦と平成14年の順位戦行方-木村戦があります。
Chapter2は講座で「格言で覚える玉の手筋」。講師は高野智史四段。こちらは有名な玉の格言を分かりやすい実戦的な例で解説しています。Chapter1が有段者向けならこちらは級位者向けといった感じでしょうか。
Chapter3は「玉のシノギ次の一手」。難易度は星2つから3つで問題は11問。すべて王手がかかっている状態でどのように受けるかという問題です。一般的に寄せの問題よりシノギの問題の方が難しいと思われますが、普段から詰将棋をやっている人は常にすべての受けを考えるクセが付いている為、それほど苦にはならないでしょう。

巻頭カラーに「王将戦第6局」(郷田-久保)があります(2ページに写真と棋譜:来月、自戦解説とのこと)。またマイナビ女子オープンで挑戦者になった「上田初美女流三段へのインタビュー記事」もあり、その決定戦(里見戦)の棋譜もあります。
巻頭カラーに4ページ、さらに表紙にも使われているAbemaTVの「藤井聡太四段、炎の七番勝負」。棋譜もあるのかと思いましたら、単に写真による宣伝だけでした。

他にプロ棋戦は、「
棋王戦第3局」(渡辺-千田)(記:大川慎太郎氏)「第2局」は棋譜のみ、「王将戦第5局」(郷田-久保)(文:相崎修司氏)、「女流名人戦第5局」(里見-上田)(文:渡部壮大氏)、「竜王戦1組」(羽生-三浦)(「熱闘!羽生将棋」の中)、「銀河戦本戦Dブロック」(阿部健-小林裕)、「竜王戦1組」(阿久津-屋敷)などがあります。今回も、やはり面白いのは「棋王戦」でした。特に千田六段の考えや勉強法など興味を引く箇所が多く、局面も大差から急接近していく時の心の変化、最終盤に現れた幻の角引きなど棋譜としても面白い所が随所にあります。

イメージと読みの将棋観2」。新しくなって40回目。今月のテーマは、(1)羽生少年、大技を食らう、(2)矢倉早囲い+▲4六銀は成立するか、(3)升田幸三、ラジオ将棋の神技、(4)勝負を動かす世間の風、の四つ。(1)は昭和61年に行われたオールスター勝ち抜き戦予選で羽生-関戦から。終盤の入口で強烈な妙手のある局面。(2)は最近現れてきた矢倉定跡の一局面。それを各プロ棋士はどう見ているか。(3)は昭和27年の升田-原田戦。絶体絶命のピンチから放った升田の妙技。これは難問です。(今回、参考棋譜はなし)

隔月講座、金井恒太六段の「最新定跡探査」居飛車編Vol.9は「横歩取り▲6八玉型」。-猛威を奮う「勇気流」-です。横歩取り△3三角戦法は、通常▲3四飛の後、▲3六飛と引いて使う方が多いですが、これを引かずに▲6八玉とするのが新しい指し方で佐々木勇気五段が用いて高勝率を誇っているとのこと。今回は、この指し方について。実戦に現れた変化を中心に現在の状況を解説し、今後の研究課題となっている部分は多いものの右桂の活用が早いのでアグレッシブに戦いたい方にはお勧めと言うことです。(参考棋譜は平成28年叡王戦佐々木-伊藤真戦と平成28年王座戦佐々木-岡崎戦)

新連載として「かりんの振り飛車WATCH」が始まりました。もっとも、新連載と言っても今までと大きくは変わっていません。最初に四問の問題が出題され、その解答と解説を見ていくという形式です。ただ、かりんさんが上達したことで、内容もプロが指した振り飛車を取り上げ、今までよりは少し難しくなっています。

付録は宮田敦史六段の「終盤のメカニズム」。はしがきに、受けのテクニックを主体にした終盤力を鍛える手筋集とあり、特集講座である「玉の手筋」の一環としてと書かれています。それほど難しくない問題もありますが、全体としては有段者向け。あの有名な「凌ぎの手筋186」と同じような内容ですので、終盤しっかりと読む力を付けるのに良いでしょう。全部で39問、時間をかけ考えてみて下さい。
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表紙 2017年4月号(3月3日発売)の内容と感想
今月の特集は二つ。「第75期順位戦ラス前」と「無敵棒銀!」です。
まずは、毎年この時期に取り上げられる「順位戦ラス前」。A級は巻頭カラーに。そして本文にB1からC2までの記事と注目対局の棋譜があります。その掲載棋譜は、B1(久保-丸山戦、郷田-阿久津戦)、B2(菅井-澤田戦、斎藤慎-鈴木大戦)、C1(佐藤秀-大石戦、宮本-横山戦)、C2(門倉-神崎戦、中座-西尾戦、増田-近藤戦)です。

続いて技術的な内容の特集「
四間飛車には無敵棒銀!」。今回棒銀を取り上げたのには、加藤九段の引退が決まり、その関連での特集でもあるようです。ただ棒銀と言えば、ある意味誰もが通った道(級位者の時に、知らずにいっぺんに破られたとか)。それだけに今までの技術論と違い、ちょっと面白い内容かもしれません。
Chapter1は棒銀対談で「加藤棒銀は偉大なり」。対談しているのは、飯塚祐紀七段と高野秀行六段。棒銀についての話の後、それぞれ加藤棒銀の好局ベスト5を上げています。そこに上げた上位の6局の棋譜もありますので並べながら解説を読むことも出来ます。(参考棋譜:昭和62年日本シリーズ大山戦:平成12年A級順位戦中原戦:昭和58年十段リーグ大山戦、昭和51年A級順位戦升田戦:平成3年王位戦リーグ小林健二戦:昭和53年王将戦リーグ大山戦)
Chapter2は「ひふみん、棒銀を語る」。加藤一二三九段へのインタビュー記事で4ページ。質問に対する話ではなく、そのまま加藤九段が4ページ分話をしている感じです。そしてその内容と言えば、(話の内容が正しいかどうかは別にしても)棒銀愛がものすごく出ていて面白かったです。
Chapter3は講座。「攻めて勝つ!棒銀戦法」と題し講師は石田直裕四段。内容は、棒銀の基本的な考え方(一直線に出ていっても成功しない)から、四間飛車対棒銀の本道とも言える定跡を丁寧に解説しています。知らない人は、まずはここからじっくり読んでみて下さい。
Chapter4は「棒銀次の一手」。難易度は星1つから2つで問題は11問。全体的に級位者向けのやさしいものが多いですが、前半は棒銀の中盤における指し方、後半は終盤で、棒銀から生じた局面なのかもしれませんが、直接関係ない箇所もあり知っていると役に立つ手筋の一着です。

巻頭カラーには、「王将戦第4局」(郷田-久保)があります(3ページの写真と簡単な記事と棋譜)。また「3月のライオン」公開直前と言うことで、主演の「神木隆之介さんへのインタビュー記事」もあります。

プロ棋戦は、「王将戦第3局」(郷田-久保)(記:小暮克洋氏)、「
棋王戦第1局」(渡辺-千田)(記:大川慎太郎氏)、「朝日杯決勝」(村山-八代)(文:古川徹雄氏)、「女流名人戦第3局第4局」(里見-上田)(文:渡部壮大氏)(第2局は棋譜のみ)、「銀河戦本戦Fブロック」(千葉-石田直)、「竜王戦1組」(佐藤天-丸山)などがあります。これら記事の中で特に面白かったのは「棋王戦」。元々渡辺竜王の話は分かりやすく面白いですし、個人的に千田六段の考え方にも注視していきたいところに、書いているのは大川氏と言うことで興味深くならない訳はない記事でした。棋王戦は全局大川氏に、もっとページ数を割いて欲しいくらいです。

イメージと読みの将棋観2」。新しくなって39回目。今回から糸谷八段が加わっています(山崎八段が抜け)。今月のテーマは、(1)驚異の新戦法、(2)大山康晴、29歳の新名人、(3)屋敷、18歳の新棋聖、(4)AI新時代、コンピュータの創造力、の四つ。(1)は矢倉の後手急戦が流行していると言うことでそのキッカケを作ったのがテーマ図。飛車先を受けず、左美濃に囲う戦法です。(2)は昭和27年第11期名人戦の木村-大山戦から。終盤、受けの難問です。(3)は平成2年の棋聖戦最終局(中原-屋敷)で必殺の一手。(4)は序盤の創造力でも人間を超えたのか?飛車先交換の利はもうなくなってしまったのかとの問い。(参考棋譜は2つ:第11期名人戦第4局木村-大山戦、第56期棋聖戦第5局屋敷-中原戦)

隔月講座、門倉啓太四段の「最新定跡探査」振り飛車編Vol.8は「石田流」。-先手振り飛車、エースの登場-です。昔からある戦法で奇襲的なイメージもありますが、現在はプロでも広く採用されています。今月号で取り上げた内容は主に三つ。まずは基本の升田式石田流から。次に最新である居飛車左美濃戦について。▲1七桂と跳ねる宮本流について書かれています。三つ目は4手目△1四歩について。いずれも現在どのような考えになっているのか最新の状況が分かります。(参考棋譜は平成26年順位戦宮本-永瀬戦と平成27年竜王戦戸辺-菅井戦)

かりんの将棋部屋」は最終回とありますが、次回から趣向が変わるだけのようです。その今回は「二枚落ち実戦編」。講師である戸辺誠七段との実戦の中から問題として最初に4問出題しています。銀多伝の定跡通りの進行ですが、寄せまで進めていますので、毎回勉強している人には参考になるでしょう。来月からのタイトルは「かりんの振り飛車WATCH」だそうです。

付録は泉正樹八段の「二枚落ち新定跡 居玉突貫棒銀」。はしがきに「約18年ぶり」と出ていました。四枚落ち、角落ち、飛香落ちを書いてから、と言うことらしいですが、本当に久しぶりで時の過ぎるのは早いものです。そしてこれは、二枚落ちにおける「居玉開戦」「突貫棒銀」がテーマ。二枚落ちとは言え、有段者相手には居玉では通用しないような気はしますが(下手が初段くらい)、それより下の上手、つまり初段以下の上手と二枚で指すような機会のある人(4、5級以下)には面白い戦法かもしれません。何にせよ実戦で試して見ることが新たな発見につながります。ポイントを覚えて使って見て下さい。
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表紙 2017年3月号(2月3日発売)の内容と感想
表紙の写真は藤井四段と加藤九段。これは個人的にですが今一番気になっている棋士は藤井四段と千田六段です。その二人のインタビュー記事があり、さらに詰将棋サロンの年間優秀作品選考会と(あくまで個人的にですが)期待感のある今月号となっています。
しかも特集は表紙に「46ページ大特集講座」「
いま石田流がアツい!」とあるように石田流。これも気になるところでまずはその内容から。
Chapter1は「井出隼平の石田流基本のキ」。これは井出四段の石田流講座。角道を止めないので、常に居飛車から角交換される攻めがあるわけですが、その反撃の仕方を解説しています。また居飛車が穴熊に組んだ場合の石田流からの攻めのコツも解説。基本的な内容ですが、まずはしっかり理解して実戦で試して見て下さい。
Chapter2は「関西発・石田流座談会」。登場しているのは村田五段、西川六段、宮本五段の三人。石田流のイメージから実際の指し方まで話をしており、この中には面白い指し方もあり参考になります。末尾には参考棋譜として、平成27年竜王戦決定1組藤井-丸山戦、平成24年順位戦菅井-斎藤慎戦と平成28年棋王戦予選西川-宮本戦があります。
Chapter3、こちらも対談。「トップ棋士対談」として鈴木大介八段と佐藤康光九段が出ています。こちらの話の方がやや上級者向けと言った感じかもしれません。中に居飛車4手目の選択としてその局数や勝率が出ているのは参考になりますね。他にもアマ有段者が、プロはどう考えているのか知りたいことなどいろいろと話に出てきます。(参考棋譜:平成22年順位戦鈴木大-行方戦:平成19年王将戦リーグ久保-佐藤康戦)
Chapter4は「下町流軽快石田で居飛穴撃破!」という小倉久史七段の講座。題にもあるように居飛穴に対する石田の指し方。ここでは▲7八金とこちらに金を上がり、飛車をさばく方法を解説しています。
Chapter5は「リレー自戦記」として。書いているのは黒沢怜生五段で、取り上げた棋譜は第65期王座戦一次予選、勝又清和六段との一戦。戦型は石田流対左美濃。先手の石田流が作戦勝ちから優勢になっていますので、これも指し方の参考になるでしょう。
Chapter6は「石田流次の一手」。難易度は星1つから2つで問題は11問。それほど難しくなく、いかにも実戦に出てきそうな筋の良い問題、役に立つ問題が揃えてあります。

巻頭カラーのところに、「王将戦第1局」(郷田-久保)(記:大川慎太郎氏)があります。ゴキゲン中飛車対超速の熱戦。私も実況のページを見ていましたが、その時には分からなかった話などもあり面白く読みました。
続いて棋王戦挑戦者になった「
千田翔太六段へのインタビュー」記事(聞き手・文:池田将之氏)。「ソフトでの検証を交えた、彼らしい総括コメントとなった」とあるように、千田六段が本当に話しているのが目に見えるような内容です。これは6ページしかありませんが、ソフトを使った勉強法などもっと知りたいですね。
さらに続いて映画「3月のライオン」についての座談会があります。アニメの実写版と言うことで、将棋指導・監修として撮影に関わった、先崎九段、村中六段、藤森四段が撮影エピソードを交えて見どころを語っています。

プロ棋戦は、他に「竜王戦第7局」(渡辺-丸山)(記:小暮克洋氏)、「女流名人戦第1局」(里見-上田)(文:渡部壮大氏)、「銀河戦本戦Aブロック」(渡辺正-大平)、「王将戦1次予選」(伊藤能-佐藤天)(伊藤六段の追悼文のページ)、「竜王戦2組」(行方-森内)などがあります。

そしてもう一つ、一般のニュースでも話題になった「竜王戦6組」の「
加藤一二三九段-藤井聡太四段戦」も記事になっています(記:鈴木宏彦氏)。私はニコ生でやっていたのを知らなかったので初めて棋譜を見ましたが、これはすごい一局でしたね。この一戦、二人の感想をもっとたくさん聞きたいものです。この後に、「最年長・最年少対談」という二人が話をしている記事もあるのですが、正直私はもっと藤井四段の感想を聞きたいので、このページを使って欲しかったなと思ってしまいました。

隔月講座、金井恒太六段の「最新定跡探査」居飛車編Vol.8は「角換わり△6二金-△8一飛型」。最近良く見るようになった後手の戦型です。まだ優劣の定まっていない局面も多く、最近の実戦例を解説しています。(参考棋譜:平成28年叡王戦本戦広瀬-千田戦、平成28年順位戦B2村山-飯塚戦)

かりんの将棋部屋」第11回は「二枚落ち[終盤編]」で講師は先月と同じく戸辺誠七段。問題は定跡から少し進んだ局面を載せています。まったく同じ局面というのはなかなか出ませんが、似たような筋は良く出てきます。指す機会のある人は、一緒に考えて見ましょう。

イメージと読みの将棋観2」。新しくなって38回目。今月のテーマは、(1)皇居済寧館の一戦、(2)郷田四段、王位を取る、(3)羽生四段の勝負術、(4)行方四段の鬼勝負、の四つ。(1)は昭和24年に塚田名人と木村前名人の第8期名人戦第5局から。(2)は平成4年の王位戦第6局から。谷川王位に挑戦し奪取したその一戦の終盤戦。(3)は昭和62年全日本プロトーナメントの勝浦九段戦。ギリギリの終盤戦での羽生四段の次の一手を問題に。しかし実戦とその後の検討でさらに驚きの結論になっています。(4)は平成6年第7期竜王戦挑戦者決定戦第1局の終盤戦で相手は羽生五冠。(参考棋譜は3つ:第8期名人戦第5局木村-塚田戦、第33期王位戦第6局郷田-谷川戦、第7期竜王戦挑決第1局羽生-行方戦)

付録は及川拓馬六段の「初段 常識の手筋2」。2とあるように2年前に同じような付録を出されています。今回も前半は1ページに2問、後半は1ページ1問で全部で50問とボリュームたっぷり。難易度もやさしい基本的な問題がほとんどですが、実戦で実際に指せるようになれば初段は近いと言えるでしょう。
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表紙 2017年2月号(12月29日発売)の内容と感想
特集は今回も技術的な戦法解説。今月取り上げているテーマは「ゴキゲン中飛車でご機嫌!」とあるようにゴキゲン中飛車。その内容は4章に分かれています。
Chapter1は「黒沢怜生のゴキゲン中飛車 基本のキ」。これは黒沢怜生五段がゴキゲン中飛車の基本戦術を解説している講座です。一つの戦法と言っても変化は多岐に渡り、超急戦の変化だけでも一冊になってしまいますから、僅か8ページで多くの変化を載せることは出来ません。しかしここでは、級位者の人向けにゴキゲン中飛車を指す上でのポイントを的確に解説しています。
Chapter2は久保利明九段と戸辺誠七段のスペシャル対談「ゴキゲン中飛車”愛”を語る」です。ゴキゲン中飛車に対する思いの他、主要な居飛車の戦法に対しても二人で見解を述べています。ですからこれを指す有段者にも参考になるでしょう。最後には参考棋譜として2局、平成22年王将戦第6局羽生-久保戦と平成22年棋王戦第5局佐藤康-久保戦もあります。
Chapter3は隔月の講座である「最新定跡探査」振り飛車編としてです。講師は門倉啓太五段、Vol.7「超速▲3七銀戦法」。こちらは超速の最新情報を解説。振り飛車側から見て、△4四歩とする指し方に始まり、△4四銀の対抗形、△3二金や△4二銀としてさばく形などです。まとめとして「一時はゴキゲン中飛車を絶滅危惧種にまで追いやったこの戦法ですが、振り飛車側に次々と新しい指し方が生まれており、逆襲は始まったばかりです。」と述べられています。(参考棋譜:平成28年順位戦B級1組畠山鎮-阿久津戦)
Chapter4は「ゴキゲン中飛車次の一手」。一応難易度のやさしい問題11問と難しい問題11問の計22問という風に分かれてはいますが、数問確認の為解いたところ、それほどやさしい問題も逆に超難問もなく、全体として2、3級から有段者向けと言った感じだと思われます。

巻頭カラーは、「竜王戦第6局」(渡辺-丸山)(記:大川慎太郎氏)から。「今期七段勝負で最も凡戦と思われる」とまで書いていますが、それでも一気に読ませしまうほど面白い記事でした。特に最後、「つぶれ」と思われた局面ですらまだ手があったことなど、将棋の奥深さを伝える記事になっています。

プロ棋戦は、他に「竜王戦第5局」(渡辺-丸山)(記:小暮克洋氏)、「竜王戦第4局」(文:田名後健吾氏)、「王将戦リーグ最終局」(文:鈴木健二氏)(棋譜は三つ、糸谷-渡辺戦、豊島-羽生戦、深浦-久保戦で、その後に久保九段へのインタビュー記事)、さらに「女流王座戦第3局」(加藤-里見)(記:相崎修司氏)、「倉敷藤花戦第2局・第3局」(里見-室谷)(文:渡部壮大氏)、「叡王戦第2局」(佐藤天-千田)(文:渡部壮大氏)、「銀河戦本戦Fブロック」(村中-石田)などがあります。

羽生三冠へのインタビュー」後編です。前回は実戦の解説が多かったのですが、今回の実戦解説は王座戦だけ。それ以外に最新形への思いやコンピュータ将棋、モチベーションなどについても前回より考え方などが多く載っており興味ある記事になっています。さらにその王座戦も初めての糸谷八段とのタイトル戦であるだけに考えていなかった手順など内容の面白さもあります。

リレー自戦記」は、今泉健司四段。取り上げた棋譜は第58期王位戦予選で畠山鎮七段との一戦。これはフリークラス脱出を決めた一局でもあります。そしてその実戦解説の前に2ページですが、プロ棋士になってからの1年7ヶ月のことにも触れられています。その期間の気持ちも、またこの一局、大逆転の将棋も最近記事を見ることが少なかっただけに興味深く読みました。

久々ですね、「イメージと読みの将棋観2」。回数は書いてないのですが、(たぶん)新しくなって37回目。今月のテーマは、(1)花村、60歳の鬼勝負、(2)若き日の郷田新手、(3)大山、渾身の勝負手、(4)60歳のA級復帰、の四つ。(1)は昭和52年に行われた花村元司九段対石田和雄七段の終盤戦。(2)は平成4年の棋聖戦、21歳の羽生棋王と郷田四段の対戦で角換わりの終盤戦。当時定跡と言われた形から郷田新手の出た局面。(3)は第7期王将戦第7局、大山-升田戦の終盤。手順そのものが難解で誰も当たらなかった問題です。(なお、毎回載っていた参考棋譜ですが今回はありません)

かりんの将棋部屋」第10回は「二枚落ち銀多伝「乃木坂46定跡」」で講師は戸辺誠七段。題名が面白かったのでどんな内容だろう?と思いながら読み始めました。これは銀多伝にちょっと工夫を加えたものです。最初の問題に出題されている四問も、その乃木坂46定跡の形ですが、通常の銀多伝の定跡を知っていれば分かる問題とも言えるでしょう。僅かな駒組みの違いでも、「なるほど」と思える工夫。これは私も後で検討してみたいですね。

付録は久保利明九段監修「村山聖の振り飛車」。前回に続き村山聖九段。そして今回は「振り飛車の妙手を厳選」とあります。その問題が全部で35問。最後の方には「村山九段の全公式戦データ」も載っています。
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表紙 2017年1月号(12月2日発売)の内容と感想
特集は、10月号から続いている技術的な戦法解説です。今月取り上げたテーマは、「ノーマル四間飛車」。プロ将棋では見ることは少ないですがアマチュアの将棋では今でも人気がありますから、この特集はうれしい人が多いでしょう。そしてその内容は4章に分かれています。
Chapter1は「教えて!大介先生」と題して、鈴木大介八段が講師で中村真梨花女流三段を生徒として会話形式で四間飛車を解説していきます。最初の方は級位者向けのやさしい内容もありますが、右四間に対する応手や、並べたい四間飛車の名局3選など有段者にも役立つ内容がたくさんあります。(参考棋譜:平成17年順位戦C級1組渡辺-千葉戦、平成18年順位戦C級1組窪田-渡辺戦、平成17年銀河戦決勝トーナメント櫛田-佐藤康光戦)
Chapter2は石井健太郎四段の「石井流 ノーマル四間の居飛穴退治」という読み切り講座です。ここでは自身の実戦譜から中終盤の戦い方を解説。振り飛車側は常に銀冠からの攻めとなります。(参考棋譜:平成26年順位戦C級2組石井-中座戦、平成28年NHK杯本戦大石-石井戦)
Chapter3は「四間飛車激闘自戦記」。これはリレー自戦記でもあります。登場しているのは窪田義行七段で、取り上げた棋譜は第75期順位戦B級2組の対森下卓九段戦。戦型は藤井システムの出だしでしたが、居飛車もトーチカ囲いにおさまり、結局美濃の振り飛車対居飛車銀冠という形になっています。
Chapter4は「四間飛車次の一手」。難易度のやさしい問題11問と難しい問題11問の計22問。やさしい方は級位者向け、難問の方は有段者向けと言えるでしょう。

巻頭カラーは、今年5つのタイトル戦に出続けた「羽生三冠激闘の軌跡」。ロングインタビューを次号の二回に渡り掲載するようです。内容は、それらタイトル戦の部分図を取り上げ、その読みとその時どのように考えていたかなどを聞いています。
続いて、先月1日に亡くなられた二上九段の写真。こちらは本文に7人の人の追悼文が6ページあり、その中には思い出の棋譜(平成元年オールスター勝ち抜き戦羽生-二上戦)や思い出の詰将棋も出ています。

プロ棋戦は、「竜王戦第3局」(渡辺-丸山)(記:大川慎太郎氏)から。珍しい相穴熊の熱戦でしたが、この終盤を詳しく解説しています。続いて「加古川青流戦」(石川-井出)の三対局。こちらは「関西本部棋士室24時」の特別編として載っています。さらに、「女流王座戦第2局」(加藤-里見)(文:馬上勇人氏)(第1局は棋譜のみ)、「倉敷藤花戦第1局」(里見-室谷)(文:鈴木健二氏)、「銀河戦本戦Eブロック」(門倉-今泉)、「日本シリーズ決勝」(佐藤天-豊島)、「竜王戦昇級決定戦2組」(松尾-飯島)などがあります。

短期連載、「大山将棋 強さの秘密」第4回目であり今回が最終回です。そして今回の題は「生涯現役、晩年の名局」。取り上げた対局は三つですが、どれもすごい。67歳の時のA級順位戦は二転三転で終局は深夜1時39分、手数227手という熱戦。また三局目には最後に指された絶局も紹介しています。(参考棋譜:平成3年A級順位戦大山-青野戦、平成4年日本シリーズ大山-小林健二戦、平成4年棋聖戦2次予選大山-中村修戦)

ドキュメント 藤井聡太四段」という記事があります(文・構成:鈴木宏彦氏)。史上5人目の中学生棋士であり、史上最年少記録も塗り替えた藤井四段。また詰将棋も得意で、詰将棋解答選手権に出てすばらしい成績を上げている。・・・と言うことはいろいろな所で読みましたので私も知っていました。しかし、本人についてそれ以上詳しいことは知りませんでしたので、今回のこの記事、関心を持って面白く読みました。これからどう成長し、どんな成績を上げていくのか。大注目の若手を取り上げた12ページに渡る記事です。

隔月講座、金井恒太六段の「最新定跡探査」居飛車編Vol.7は「横歩取り△8五飛戦法-復活への課題」。現在△8五飛の出現率は減っている訳ですが、「復活の兆しがないわけではありません」と言うことで、「今年新手が出た形を中心に取り上げて」います。(参考棋譜:平成16年竜王戦第7局森内-渡辺戦、平成13年棋聖戦第4局郷田-羽生戦)

かりんの将棋部屋」第9回は「終盤のテクニック(必至)」で講師は黒沢怜生五段。最初に出されている四問は基本中の基本の必至なのでさすがにやさしすぎるだろうと思ったのですが、本文にあるものは、それを応用した問題で解説しています。この"ちょっとした応用"が、実戦でも使えるようになれば初段と言って良いかもしれません。

付録は森信雄七段監修「村山聖 魂の一手」。通常の付録と同じ形式で、35問の次の一手集。ただ、「順位戦を中心に村山聖九段珠玉の妙手を厳選」しています。さらに昇級した時に将棋世界誌に載せられた「喜びの声」がC1からA級昇級まですべて載せられています。この「昇級者喜びの声」、普段私はそれほどじっくりと読む事はないのですが、改めてこうして読むといろいろ考えさせられることがあります。指し手の問題も難しいですし、特に村山九段の指していた当時を知っている有段者には良い付録です。
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表紙 2016年12月号(11月2日発売)の内容と感想
今月も特集は、実戦的な技術解説。題は「寝技で勝て!逆転の入玉術」で、その内容は論考、入玉講座、腕だめしと3章に分かれています。
Chapter1は「トップ棋士が考える入玉論」。これは佐藤康光九段がインタビュー形式で入玉について語っているもの。そしてその後に、参考になる棋譜が全部で4つ。普段あまりこうした将棋をまとまって見ることがないだけにいろいろ参考になりそうです。(参考棋譜:昭和60年名人戦第1局谷川-中原戦、平成13年棋聖戦トーナメント行方-佐藤康光戦、平成27年名人戦第5局行方-羽生戦、平成19年竜王戦第5局佐藤康光-渡辺戦)
Chapter2は北島七段の「終盤の切り札!よくわかる入玉テクニック」という講座です。入玉しやすい戦型の話の後に、実戦譜を使った様々な入玉テクニックを紹介しています。
Chapter3は森信雄七段の「入玉の攻防!次の一手」という次の一手問題11問。難易度は初段前後向けと言った感じでしょうが、中には難しいものも混ざっています。

巻頭カラーは、羽生三冠の連続防衛や竜王戦第1局、倉敷藤花戦挑決、女流王将戦などですが、写真だけで内容は本体に。そしてその写真の後に、映画「聖の青春」公開記念特集1として「松山ケンイチ×東出昌大インタビュー記事」があります。そのカラーページが終わった後に、公開記念特集2として「森信雄×大崎善生の対談」があります。

プロ棋戦は、「
竜王戦第1局」(渡辺-丸山)(記:大川慎太郎氏)から。「お世辞にも熱戦と言えるものではなかった。」と堂々と書かれていますが、それでも読むには面白い記事でした。続いて「王座戦第3局」(羽生-糸谷)(文:小暮克洋氏)(第2局は棋譜のみ)、「王位戦第7局」(羽生-木村)(解説:飯島栄治七段、構成:相崎修司氏)、「新人王戦第2局」(増田-石田)(文:鈴木健二氏)(第1局は棋譜のみ)、「竜王戦昇級決定戦6組」(田丸-近藤)(今回が最終回である「盤上盤外一手有情」の中)、「銀河戦本戦Aブロック」(加藤桃子-川上)、さらに最後の方の「熱闘!羽生将棋」の中に二局、「日本シリーズ」(深浦-羽生)と「叡王戦本戦」(羽生-山崎)があります。

隔月講座、門倉啓太四段の「最新定跡探査」振り飛車編Vol.6は「ゴキゲン中飛車1」。今回から2回に渡りゴキゲン中飛車を取り上げると言うことで、今月は丸山ワクチンと▲5八金右超急戦、▲7八金型の居飛車三戦法の解説です。(参考棋譜は平成28年竜王戦2組飯島-広瀬戦と平成27年順位戦広瀬-久保戦)

かりんの将棋部屋」第8回は「さばきの手筋」で講師は広瀬章人八段。今回は「さばき」とあるように問題図も中盤の局面。それだけに今までよりやや難しめかもしれません。

短期連載、「大山将棋 強さの秘密」第3回です。題は大山vs中原 中期の名局。今回も取り上げた対局は三つ。第9期十段戦第4局大山-中原戦(昭和45年)、第12期王位戦第4局大山-中原戦(昭和46年)、第11期十段戦第4局大山-中原戦(昭和47年)。前回と同じ形式で棋譜もあり、この将棋についてここに登場している佐藤天彦名人、行方尚史八段、中田功七段の三人が会話形式で解説しています。どの将棋も名局として取り上げただけのことはあります。是非じっくり並べて鑑賞したいですね。

付録は田丸昇九段の「将棋雑学ゼミナール」。全問が三択形式。テーマは、「棋戦と記録」「棋士の裏話」「将棋の歴史」「将棋と文化」「将棋の雑学」「写真クイズ」の六つ。知らない話も多く、「へー、そうなんだ」と思うような事も多々ありました。こうした面白そうな話をもう少しふくらませて、付録ではなく本体に2ページくらいで載せるのも良いような気がします。
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表紙 2016年11月号(10月3日発売)の内容と感想
先月は「穴熊」で50ページ大特集でしたが、今月は25ページの特集で、(大会を勝ち抜くための)「超B級戦法」が載せられています。これも面白い企画です。
Chapter1ではその「B級戦法ミニ講座」。それぞれの専門家とも言えるプロ棋士(うち一人アマ)が解説。「カニカニ金戦法」(児玉八段)(←銀ではなく金)、「筋違い角戦法」(武市七段)、「角頭歩戦法」(西川五段)、「きんとうん戦法」(島本五段)、「嬉野流バージョン2」(嬉野アマ)(←嬉野(うれしの)流の最新)の五戦法。一つにつき3ページですからそれほど詳しい変化は載せられていませんが、ポイントは分かりますので実戦で使ってみるのも面白いでしょう。
Chapter2は「魅惑のB級戦法」の題で瀬川五段と今泉四段の対談編。ここでもいろいろと面白い戦法が出てきます。B級戦法と言っても、完全なハメ手(はまらなかったら悪くなる)と違って、相手に正確に受けられても互角くらいになるものも多い。それでいて相手が知らないと優勢になる。このような戦法を指すのも面白いですが、知っていないと指された時に困る、という訳で今月号のこの記事、必読です。

巻頭カラーは、「王位戦第6局」(羽生-木村)(記:鈴木宏彦氏)から。続いて先月から始まった「王座戦第1局」(羽生-糸谷)(記:田名後健吾氏)こちらは本文に棋譜と解説があり、大川慎太郎氏の構成で糸谷八段の自戦解説となっています。
それ以外のプロ棋戦は、「王位戦第5局」(羽生-木村)(文:池田将之氏)(第4局は棋譜のみ)、「竜王戦挑決第3局」(三浦-丸山)(文:渡部壮大氏)(第2局は棋譜含め2ページ)、「銀河戦決勝」(広瀬-藤井)(藤井九段の自戦解説、構成:相崎修司氏)、同じページに(藤井-梶浦戦)(屋敷-広瀬戦)の棋譜もあります。さらにYAMADAチャレンジ杯で2局、「女子将棋YAMADAチャレンジ杯決勝」(渡部-貞升)と「上州YAMADAチャレンジ杯決勝」(千田-船江)(文:浅見将平氏)、さらに「関西将棋夏まつり席上対局」(谷川-郷田)(「関西本部棋士室24時」の中)、「竜王戦昇級者決定戦3組」(野月-鈴木大介)、「東急将棋まつり50回記念特別対局」(郷田-羽生)(「熱闘!羽生将棋」の中)など今月号には多数の棋譜があります。
読んでいて面白かったのは、やはり自戦解説の二つ。特に藤井九段の話は振り飛車党に役に立つ内容も多々ありますので必読です。

リレー自戦記」は、遠山雄亮五段。取り上げた棋譜は第10回朝日杯将棋オープン戦一次予選で梶浦宏孝四段との一戦。モバイル編集長ということで、その話も少しありますが、それ以上にこの対局には驚きの「次の一手」のような大技が出てきます。私はすらすら棋譜を読んでしまいましたが、一手一手盤に並べながら見ていたらもっと驚いたでしょう。是非一手一手考えながら鑑賞してみて下さい。

隔月講座、金井恒太六段の「最新定跡探査」居飛車編Vol.6は「2016年上半期、居飛車の新手」。今回は趣向を変えて、相居飛車戦における上半期の動きを追っています。最初は矢倉の序盤から(5手目の選択)。続いて角換わり▲9五歩-▲4七金型、横歩取り▲5八玉-▲3八銀型を解説。最後に相掛かり、新しい△7四歩型と、とにかく居飛車党でしたらしっかり覚えておかなければならない現在の状況ばかりです。(参考棋譜は平成28年王位戦リーグ豊島-広瀬戦と平成28年順位戦金井-千田戦)

先月からの短期連載、「大山将棋 強さの秘密」第2回です。題は大山vs升田 名人戦の名局。この題の通り、取り上げている対局は三つ。第12期名人戦第2局大山-升田戦(昭和28年)、第13期名人戦第2局大山-升田戦(昭和29年)、第24期名人戦第5局大山-山田道美戦(昭和40年)。棋譜もあり、この将棋についてここに登場している佐藤天彦名人、行方尚史八段、中田功七段の三人が会話形式で解説しています。最初に棋譜を並べて見て、自分なりに考えた上で本文を読むとよりいっそう役に立ち面白いかもしれません。

かりんの将棋部屋」第7回は「続・囲いの急所」で講師は香川愛生女流三段。続、とあるように今回も先月に引き続き囲いの崩し方。居飛車対振り飛車の穴熊、相振り飛車の穴熊、相振り飛車の高美濃、そして相振り飛車の金無双。今回も実戦にそのまま使える手筋ばかりです。

付録は斎藤慎太郎六段の「対矢倉 左美濃新型急戦」。はしがきに「ここ1年ほどで注目されいる」と書かれている先手矢倉に対する左美濃からの急戦。出だしは(相居飛車の)右四間飛車に似ているところもありますが、銀を腰掛けず、△6五歩▲同歩△7五歩と軽く仕掛けていく戦法。右四間飛車もそうですが、時間の短いアマチュアの将棋では一方的に攻められる展開というのは嫌なものです。そう言う意味でもこの戦法はアマ向きかもしれません(そうとは書いていませんが)。いつものように次の一手形式で39問。ポイントを覚えて実戦に使って見て下さい。
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表紙 2016年10月号(9月3日発売)の内容と感想
今月は50ページ大特集が組まれています。それは、”勝率が5%アップする”「現代の穴熊戦略」。個人的にもこれは期待を持って本文を読みました。全体は5章に分かれています。
まずChapter1は「穴熊スペシャル対談」として鈴木大介八段と田中寅彦九段が登場。昭和と平成の穴熊の名局を独断でランキングし、それぞれのベスト5を紹介しています。有名な将棋が多いですから、人によってはほとんど知っているということもあるかもしれません。ただ、一位に選ばれたのはどちらも衝撃的な一着の入った将棋です。(参考棋譜は三つ:平成20年順位戦C1広瀬-村山戦:平成22年王位戦挑決広瀬-羽生戦:昭和59年十段戦リーグ福崎-谷川戦)
続いてChapter2は「穴熊の講座」。これが全部で4つ。最初は森下卓九段の「序盤のワンポイントアドバイス」。居飛車と振り飛車、どちらも単純に組むだけではなくその組み方の注意点を解説。級位者だけでなく、初段前後の人にも良く知って置いてもらいたい重要なポイントです。そして二つ目は久保利明九段の「久保流振り穴さばきのコツ」。実戦3局の一局面からそのさばき方を説明しています。三つ目は戸辺誠七段の「戸辺流終盤の攻め方守り方」。こちらは部分図での解説。基本的なことなので級位者向けですが実戦できっちりこのように指せれば有段者とも言えるでしょう。最後の四つ目は所司和晴七段の「地下鉄飛車端攻め一点突破戦法」。奇襲戦法の本などに載っている地下鉄飛車ですが、これを振り飛車穴熊に対して4ページに渡り解説しています。穴熊を指す方も、当然このような攻め筋があることは知っていなければなりません。

続くChapter3は、「リレー自戦記」としてです。青嶋未来五段で、取り上げた棋譜は第29期竜王戦決勝トーナメントの豊島将之七段との一戦。この一戦は実況でもやりましたので私も見ていました。相穴熊戦の激闘です。しかしこうして本人の自戦記を読むと、よりその内容が分かり穴熊を指す人には参考になる記事ですね。
Chapter4は、「最新定跡探査」振り飛車編Vol.5で門倉啓太四段の解説。「四間飛車穴熊-先後による戦略の違い」です。現在良く指されているプロの実戦から詳しく紹介。細かい定跡の違いが分からないと理解できない為有段者向けかもしれませんが、穴熊を指す人には有益な講座です。(参考棋譜は平成23年棋王戦本戦広瀬-糸谷戦と平成27年棋王戦本戦行方-永瀬戦)
Chapter5は、「穴熊流次の一手」問題です。前半の11問は藤森哲也四段出題で、比較的やさしく級位者から初段向け。後半の11問は森信雄七段出題ですから有段者向けで”実戦的なスーパートリック”と言った趣です。
以上が今回の大特集「現代の穴熊戦略」の概要。穴熊党の人はもちろん、穴熊を相手にする人にも読み応え十分の記事になっていると思います。

プロ棋戦は、まず巻頭カラーに「王位戦第3局」(羽生-木村)(記:大川慎太郎氏)があります。続いて「竜王戦挑決第1局」(丸山-三浦)(記:渡部壮大氏)、「棋聖戦第5局」(羽生-永瀬)(記:渡部壮大氏)です。そしてそれ以外の棋譜としては、「順位戦B級1組」(久保-木村)(「盤外盤上一手有情」の中)、「銀河戦決勝トーナメント」(渡辺-横山)、「竜王戦決勝トーナメント」(黒沢-青嶋)(青嶋-中座)などがあります。

9月より王座戦開幕、と言うことで、挑戦者になった「糸谷八段へのインタビュー記事」があります(構成は池田将之氏で、参考棋譜としてこの王座戦挑戦者決定トーナメントの対渡辺戦と対稲葉戦)。さらに続いて「展望座談会」として山崎八段と畠山七段の話もあります(文:諏訪景子氏)。

短期連載として、「大山将棋 強さの秘密」が載せられています。一門の現役棋士が登場し、第1回「将棋には人間のすべてが出る」とありますから、何回か続くのかもしれません。ここに登場しているのが、佐藤天彦名人、行方尚史八段、中田功七段の三人。一門の話の後、有名な高野山の決戦について。最後のあの局面だけでなく、そこに至る過程も波乱だったことが分かり面白いです。そしてその後にも、大山将棋についていろいろ話をしています。その話の中にすべて出ている訳ではありませんが、その大山の指した棋譜が参考棋譜として5局もあり、これも棋譜並べをする人には良いですね。

かりんの将棋部屋」第6回は「囲いの急所」で講師は青野照市九段。今回の問題は囲いの崩し方の手筋。実戦にそのまま使えるものばかりです。

付録は小林健二九段の「立石流四間飛車」。角道オープン、角交換振り飛車の源流である立石流四間飛車について、次の一手形式で39問にして出題しています。この付録の第1問の解説の所に書かれていますが、「驚くべきは、30年以上も前に現在流行している角交換四間飛車をすでに指されていた」とあるのはまさにその通りで改めてすごいな、と思います。
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表紙 2016年9月号(8月3日発売)の内容と感想
今月の巻頭カラーは、特集記事にもなっている「頂上対談」、15ページに及ぶ「渡辺明竜王×佐藤天彦名人の対談」です。最初のページに「出会いから青春時代、棋王戦での激突、そして未来の将棋界について、本音で語り合う」と書かれているように、普段あまり知ることのない二人の関係や対戦に対する思いなど、いろいろ興味のある話が載せられています。

プロ棋戦の観戦記はたくさんありました。まず「
棋聖戦第3局」(羽生-永瀬)(解説:藤井猛九段、構成:大川慎太郎氏)から。この記事、対局の解説も面白いのですが、その解説に入る前に書かれている藤井九段の羽生棋聖や永瀬六段への思い、分析がとても面白い。さすが藤井九段という感じで一気に読んでしまいましたね。今月号は、読み切り講座やリレー自戦記も面白かったのですが、個人的にはこの記事が一番でした。続いて「棋聖戦第4局」(羽生-永瀬)(文:池田将之氏)、「王位戦第1局」(羽生-木村)(記:小暮克洋氏)が詳しい観戦記とともに載せられています。
またそれ以外の棋譜としては、「順位戦C級1組」(青嶋-泉)(「盤外盤上一手有情」の中)、「銀河戦本戦Bブロック」(羽生-屋敷)、「明治36年の将棋新手合」(関根金次郎-飯塚力造)(「粋鏡こぼれ話」の中)などがあります。

時々掲載される「リレー自戦記」は、青野照市九段。取り上げた棋譜は第42期棋王戦の予選で永瀬拓矢六段との一戦。40歳も年が違う新鋭との一局について。いろいろな思いのある一局だったのでしょうが、元々青野九段の文章は読みやすく面白いのでこれも現在の状況として興味深く読みました。

イメージと読みの将棋観2」、新しくなって36回目。今月のテーマは、(1)升田幸三の神技、(2)大山康晴、受けの至芸、(3)午前5時54分の勝負手、(4)上手芸は、いまもあるか?の四つ。(1)は昭和33年の名人戦第7局、大山-升田戦の序盤から中盤の箇所での升田自慢の名手。(2)は昭和31年の名人戦第2局、花村-大山の終盤戦。猛烈に攻められ、大山陣に受けがあるか、という局面。(3)は平成20年A級順位戦の佐藤康光-木村の終盤戦で、なんと朝5時54分の局面ということです。(参考棋譜は3つ:第17期名人戦第7局大山-升田戦、第15期名人戦第2局花村-大山戦、第67期A級順位戦佐藤康光-木村戦)

読み切り講座として、黒沢怜生五段の「黒沢流振り飛車のさばき方」があります。自身の棋譜を使い、その局面からどのように指したら良いか、単なる棋譜の解説ではなく、その考え方を分かりやすく書かれています。評判が良ければ連載の可能性もあるのでしょうか?個人的には読みやすいので標準以上の記事だと感じています。ものすごく個性があるとは言えませんが、振り飛車の講座は連載して欲しいですね。(参考棋譜は3つ:平成27年竜王戦6組黒沢-青野戦、平成28年YAMADA杯黒沢-中村亮介戦、平成28年竜王戦5組村田-黒沢戦)

隔月講座、金井恒太六段の「最新定跡探査」居飛車編Vol.5は「相掛かり-引き飛車棒銀の攻防」。題名の通り相掛かりで先手の棒銀について。後手の△8四飛型における基本的な棒銀の受け方から、山崎八段の新構想や△1四歩の意味、△8五飛型までいくつかの実戦を元に、この戦型のポイントを解説しています。(参考棋譜は平成26年名人戦第4局羽生-森内戦)

かりんの将棋部屋」第5回は「端攻めのポイント応用編」で講師は飯島栄治七段。先月に続き「端攻めのポイント」で今回は「応用編」と書かれていますが、特に難しくなった訳ではなく、続編のような感じです。問題も良く実戦に出てくる基本的なもの。有段者にとってはこうした筋はすべて知っている訳ですが、その上で実戦で使えるかどうかです。級位者の人たちはこのような筋があることを知ることがまず第一。そしてそれを実戦でも使えるようになれば勝率は格段に上がるということでもあります。
また、室谷女流二段との二枚落ちの棋譜もあります。銀多伝で定跡通り、破り方の見本みたいな棋譜ですので実戦で指す機会のある人には参考になるでしょう。

付録は上野裕和五段の「歩の攻め手筋50」。「攻め方がうまくなる!歩の基本テクニック集」とあるように、歩の基本手筋の問題50問です。難易度は初心者向きの基本から最後までやさしい級位者向け。しかしそれを実戦で使えることが大切。体に染みこませて必要な場面で的確に使えるようになれば初段は近いと言えるでしょう。
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表紙 2016年8月号(7月2日発売)の内容と感想
今月の巻頭カラーは、特集記事でもある「佐藤天彦新名人誕生」。そのロングインタビューです。構成が大川慎太郎氏でしたので、ちょっと変わった切り口を期待してしまいましたが、比較的おとなしめの内容でした。第1局から第5局までのポイントを解説し、その後に「これまでの棋士人生について」の話。その第1局から第3局の棋譜はこの巻頭カラーの中に。その後、本文の中でまず「第5局」(文:田名後健吾氏)の解説があり、さらに今泉健司四段の文章で「第4局」が載せられています。

棋聖戦が始まり、王位戦ももうすぐ始まるため、「
王位戦&棋聖戦展望対談」として深浦康市九段と鈴木大介八段の二人による対談があります。王位戦は木村八段、棋聖戦は永瀬六段の挑戦と言うことで、この二人についてのいろいろな話、興味深い話が多くたいへん面白かったです。

プロ棋戦としては名人戦以外に「棋聖戦第1局」(羽生-永瀬)(文:雲井宏氏)、「女流王位戦第3局」(里見-岩根)(文:下村康史氏)、「マイナビ女子オープン第4局」(加藤-室谷)(文:下村康史氏)、「電王戦第2局」(山崎-PONANZA)(文:田名後健吾氏)、「順位戦B級2組」(青野-森下)(「盤上盤外一手有情」の中)、「銀河戦本戦Gブロック」(野月-丸山)などがあります。

先月からの続き、今回は後編で、「棋士に聞く本音対談 中原誠×渡辺明」。参考棋譜は、全部で5つ(昭和62年名人戦第4局・対米長邦雄、昭和60年名人戦第1局・対谷川浩司、平成15年王位戦予選・対行方尚史、昭和57年名人戦第8局・対加藤一二三、平成20年王将戦2次予選・対木村一基)。棋譜の解説はそれほど多くはないのですが、話の内容は先月に引き続き興味の持てる内容です。

今月号には、全体的にインタビュー等の読み物が多い感じをうけます。既に上記に三つありますが、さらに「関西本部棋士室24時」の中でも、女流2級に昇級した山口絵美菜女流2級と里見咲紀女流2級のインタビュー記事があり、また、インタビューではありませんが、「盤上盤外一手有情」の中では、記録係に関することも触れられています。
さらに、最後の記録のページには、竜王戦決勝トーナメントが始まったということで、出場者の抱負が載っています(その後に、「竜王戦挑戦者予想クイズ」もあります)。

イメージと読みの将棋観2」、新しくなって35回目。今月のテーマは、(1)コンピュータが変えた常識、(2)53歳の升田名人は誕生していたか、(3)鈴木大介-山崎隆之、渾身の終盤戦、(4)タイトル挑戦は人生を変えるか、の四つ。(1)は相矢倉の基本的な形から、以前はダメと言われていた手が復活した局面について。これは矢倉の本道とも言える形。平成25年に復活し、30局以上指されているようです。各棋士たちの勝利イメージ、感想も少しずつ違い、個人的には一番面白い題材でした。(2)は昭和46年、大山-升田の名人戦から。(3)は現代、平成25年順位戦からその終盤戦、詰むや詰まざるやという局面なので難しいです。(参考棋譜は2つ:第30期名人戦第7局升田-大山戦、第72期順位戦B級1組鈴木大介-山崎戦)

隔月講座、門倉啓太四段の「最新定跡探査」振り飛車編Vol.4は「先手中飛車-始まった左穴熊への逆襲」。題は左穴熊とありますが、この戦型の解説はほぼ半分です。そこでは後手の対策(三間飛車)も最新の対局から解説しており、左穴熊側が苦戦しているという風に述べられています。そして、その後半では、先手中飛車に対して居飛車の△5四歩型を解説。こちらも一筋縄ではいかないことから、菅井流▲8八飛の形を解説し、「手探りの部分が多く、お互い工夫の余地のある戦型」と結んでいます。(参考棋譜は2つ:平成27年王位戦予選の今泉-斉藤慎太郎戦と平成26年朝日杯の久保-畠山鎮戦)

かりんの将棋部屋」第4回は「端攻めのポイント」で講師は室谷由紀女流二段。今回、問題の4問は三択ではなくなっています。しかもその分簡単かというとそうでもなく、初心者には難しいかもしれません。ただ、実戦に非常に良く出てくる筋ですので、覚えておけば必ず役に立つでしょう。特に第4問は実戦そのもの。初段位でも見落とすことのある次の一手ですが、これが指せれば実戦がなお面白くなる、そんな一着です。

付録は塚田泰明九段の「塚田流角換わり△6五同桂革命」。「角換わりの後手戦術に新風!」とあるように、角換わり腰掛け銀における後手の攻め方。はしがきに、「ヒントは将棋ソフト」とあり、そこから研究して実戦にぶつけたとのこと。シンプルで、しかも後手でも攻めることが出来るので、角換わりをたまにでも指す人はこの変化について詳しく研究してみるのも面白いかもしれません。
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表紙 2016年7月号(6月3日発売)の内容と感想
今月号の巻頭カラーは、特集記事にもなっている「棋士に聞く本音対談 中原誠×渡辺明」です。これは自然流と呼ばれる中原十六世名人と渡辺竜王とのスペシャル対談。今回は前編と言うことで、二回に渡って載せられるようですが、なぜこのような対談が組まれたかと言うと、渡辺竜王が現在中原将棋を学んでいるということからだそうです。内容も面白く、当時の有名な棋譜を中心に、渡辺竜王が時々「現代ではこう指す(考える)」というような話も交え、対談が進んで行きます。使われた参考棋譜7局もすべて載せられていますので、その考え方と共にじっくり並べて見ると面白いでしょう。
続いて「名人戦第3局」(羽生-佐藤天)(記:大川慎太郎氏)があります。この記事、仕掛け直後の読みと変化が詳しく書かれていますので、最新横歩取りに興味のある方は必読です。また、終盤の寄せの難しさも実況で見ていた以上に詳しい変化が載せられています。

プロ棋戦としては他に「名人戦第2局」(棋譜を含め4ページ、解説は問答形式で飯島栄治七段)、「マイナビ女子オープン第2局」(加藤-室谷)(文:鈴木健二氏)、「第3局」(文:国沢健一氏)、「女流王位戦第1局」(里見-岩根)(文:池田将之氏)、「岡崎将棋まつり」(佐々木勇気-藤井聡太)(文:鈴木宏彦氏)、「王将戦一次予選」(木村-石井)(「盤上盤外一手有情」の中)などがあります。なお、「岡崎将棋まつり」の藤井奨励会三段は、史上最年少の三段。この一局も「詰めろ逃れの詰めろ」が三度出現するすごい一戦で、「歴史に残る天才対決」と書かれており、一手20秒の超早指し対局ですが、盤に並べて鑑賞したい一局です。

イメージと読みの将棋観2」、新しくなって34回目。今月のテーマは、(1)花村元司、真剣師時代の秘手、(2)花村元司、タイトル戦の秘手、(3)若手をひねるコーヤン流、(4)大山流の豪腕日程、の四つ。(1)は真剣師時代、六枚落ちからのエピソード。(2)は昭和31年、塚田正夫九段戦での寄せの局面。(3)は昨年の順位戦C級2組、永瀬-中田戦。コーヤン流の終盤、居飛車穴熊への端攻めに関して。この棋譜もですが、中に書かれているコメントにもいろいろ面白い内容があります。特にソフトの評価値の話など今回のテーマでは一番面白く読みました。(4)は昭和57年、実際にあった大山十五世名人の対局日程の話。(参考棋譜は2つ:第6期九段戦第1局塚田-花村戦、第74期順位戦C級2組中田-永瀬戦)

永瀬拓矢六段の「矢倉早囲い塾」。最終回だそうです。題は「名人戦で現れた形」として、名人戦第2局の将棋を取り上げ解説しています。ただ後半には、第3回で解説した形にも触れ、その補足もあります。参考棋譜はその部分を踏まえ、1月に行われた順位戦B級1組の谷川-松尾戦から。全6回、最後にまとめの中で、次のように述べられています。「早囲いの▲7八玉型は、意外な堅さを発揮します。▲8八玉型と比べ、玉が戦場に近いというデメリットもありますが、角交換後の打ち込みに強いというメリットもあります。銀を前線に繰り出し、積極的な指し回しができるのも早囲いの魅力のひとつで、自分から動きたい人にはうってつけの戦法でしょう。」

隔月講座、金井恒太六段の「最新定跡探査」居飛車編Vol.4は「続・角換わり-升田定跡と富岡流」。今年4月に角換わり腰掛け銀の「富岡流」と呼ばれる手順の発見で升田幸三賞を受賞したことに関し、今回は、升田定跡からの歴史を振り返り、最後に富岡流の変化を解説しています。(基本の升田定跡→丸山流▲1二歩〜▲1一角→佐藤流△3五銀〜△2二角→富岡流へ)(参考棋譜は2つ:平成14年棋王戦第4局の羽生-佐藤康戦と平成21年朝日杯の富岡-金井戦)。

かりんの将棋部屋」第3回は「二枚落ち実戦編」で講師は飯塚祐紀七段。最初の問題4問は特に駒落ちということではなく、普通に級位者向けの次の一手や必死問題です。そして後半は飯塚七段との二枚落ち。アマ高段者でも一癖も二癖もある上手だとこんなにきれいに負けてくれないと言うことはありそうですが、指し方の筋は役に立ちますので級位者の人は並べて参考にしてみて下さい。

付録は中田章道七段の「中田章道短編詰将棋集」。今回は良質な詰将棋が表紙を合わせて40題あり、詰将棋を解きたい人にはお得感のある7月号です。7手から9手、11手、13手、15手まで各手数8問ずつ全部で40問。難易度は詰将棋サロン並み(それより筋良くその分やや易しい感じ)ですので、有段者の人でも当分楽しめる付録となっています。
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表紙 2016年6月号(5月2日発売)の内容と感想
先月から名人戦が始まった為、巻頭カラーのトップには、「名人戦第1局」(羽生-佐藤天)の写真から。観戦記は本体の中央くらいに日浦八段が書いています。その観戦記、もちろん棋譜の解説もありますが、それ以外の話もあり個人的には面白く読みました。続いて「王将戦第1局から第5局総括」(郷田-羽生)(構成:相崎修司氏)があります。これは局面を振り返りながらの郷田王将のインタビュー記事。これも本体に第6局がインタビュー形式の自戦解説として載っています。さらに次の巻頭カラーは、棋王戦防衛を果たした「渡辺明棋王インタビュー」記事、「マイナビ女子オープン第1局」(加藤-室谷)(文:田名後健吾氏)と続いています。

特集として、「
熱局プレイバック」があります。これは2015年度の将棋からプロ棋士が厳選した対局ベスト10です。その一位に選ばれたのは、「棋王戦第4局」(渡辺-佐藤天)。この一戦はその後に観戦記もあります。選ばれた10局の棋譜の他に、番外編2局もあり、どれも面白い名局ばかりですので、是非並べたい対局でもあります(タイトル戦は実況されたものも多い)。またその後に、将棋大賞選考会の模様や全棋士の成績、升田幸三賞など、2015年度が終了したことで賞や記録が載せられています。

プロ棋戦としては上記の「名人戦第1局」「王将戦第6局」「「棋王戦第4局」の他、「竜王戦6組」(田丸-吉本アマ)(盤上盤外一手有情の中)、「竜王戦1組」(久保-屋敷)、「銀河戦本戦Aブロック」(田村-高崎)などがあります。また、「電王戦第1局」(山崎-ポナンザ)(記:下村康史氏)の記事も載っています。

リレー自戦記」は、村山慈明七段。取り上げた棋譜はNHKテレビ将棋トーナメント決勝の千田五段との一戦。これは見ていた人も多いでしょう。しかし放送だけでは分からなかった読みの内容や実際の形勢など、詳しく書かれていますので、「なるほど、そうだったのか」と思うことも多々ありました。

イメージと読みの将棋観2」、先月は休みでしたが、今回で33回目。今月のテーマは、(1)渡辺流の早仕掛けは成立するか、(2)木村義雄八段の大構想、(3)棋士はモテる職業か?(4)谷川、奇跡の逆転勝ち、の四つ。(1)は角換わり腰掛け銀の定跡で、シンプルな▲4五歩の仕掛け。人によって若干見方が違っていました。(2)は昭和12年、木村義雄八段と神田辰之助八段の将棋。誰も当てられなかった木村八段の構想とは?(3)は「昔は関根金次郎名人などモテる棋士がたくさんいた」と言うことでこの質問。(4)は平成3年の王位戦第5局、谷川-中田宏樹戦の終盤戦での大逆転劇。

永瀬拓矢六段の「矢倉早囲い塾」。第5回で「手ごわい渡辺新手」。基本図から△8五歩と突いた局面。以前は後手も棒銀に出てくることが多いと言うことですが、△7五歩と突き、▲同歩に△4六角と角をかえ△6四銀と出る変化。これが渡辺新手と言うことで、その解説です。現在は、「後手に風が吹いてきている」という見解をしており、その渡辺新手より前に先手の工夫が必要では、と考えているようです。
隔月講座、門倉啓太四段の「最新定跡探査」振り飛車編Vol.3は「角道オープン四間飛車」。この名称について次のように書かれています。「以前は振り飛車側から早い段階で角交換をすることが多かったため「角交換四間飛車」と呼ばれていましたが、研究が進むにつれて、角交換をするタイミングをずらしたり、角交換せずに飛車を振り直して戦ったりすることが増えてきたため、「角道オープン四間飛車」という呼称にさせていただきます」と。
そしてその「角道オープン四間飛車」の最新の変化を先手と後手で解説しています。相手の有力な対策も載っていますので、居飛車党で指さなくても(相手に指されることを考えると)読んでおく必要がありそうです(参考棋譜は2つ:平成27年棋聖戦2次予選の丸山-藤井戦と平成28年順位戦C1の高野-高崎戦)。

かりんの将棋部屋」第2回は「終盤力をつけよう」。講師は村山慈明七段で、最初のページには三択で問題が四問出ています。まずは自分なりに答えを出してから読み進めてもらいたいと思いますが、初段位ある人なら三択を見ずに正解して欲しいくらいの難易度ですね。

付録は勝又清和六段の「新手年鑑2015」。毎年「新手ポカ妙手」を出していましたが、今回は新手のみでまとめたということです。中を見てみると、居飛車振り飛車の対抗形が多いですので、アマチュア向きと言えるかもしれません。解説も分かりやすいですし、後で私もしっかり読んで実戦に使おうかと思ってます。
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表紙 2016年5月号(4月2日発売)の内容と感想
今月は、3月で順位戦がすべて終了したということもあり、特集は「第74期順位戦最終局」。そして巻頭カラーには、その順位戦を総括、名人戦の展望も兼ねた「橋本×阿久津対談」が組まれています。この対談、8年前にも行われ、過激な発言で話題を呼んだとありますが、今回もなかなかはっきりとものを言っており面白い記事になっています。特に天彦将棋の特徴をつかんで話していることや、橋本八段の名人戦予想は「奪取!」とはっきり言っているところなど(ちなみに私の予想は希望も含めて4-3で防衛です)。また先月と同じく棋譜もたくさんありますから並べて勉強するにも良さそうです。その載せられている参考棋譜は、A級で5局(森内-佐藤天戦、深浦-佐藤天戦、佐藤康-深浦戦、屋敷-広瀬戦、郷田-行方戦)、B1では橋本-畠山鎮戦と昇級した「稲葉八段の自戦記」で畠山鎮-稲葉戦があります。B2は糸谷-豊川戦、阿部隆-澤田戦、飯島-中川戦、C1では浦野-中村太地戦、斎藤慎太郎-片上戦、北島-富岡戦が、C2は「盤上盤外一手有情」の中で取り上げられ、永瀬-藤森戦が載っています。そしてそれらの後に、いつも通り「昇級者喜びの声」があります。

プロ棋戦としては「
王将戦第4局」(郷田-羽生)(解説は深浦康市九段で、自身の感想も入れ、角換わりを分かりやすく書いています。)と「第5局」(棋譜を含め2ページ)。(王将戦第6局は次号ということですが、3月19日に終わっているのにこれで間に合わないのですね)。
他に、「棋王戦第3局」(渡辺-佐藤天)(記:田名後健吾氏)、(「第2局」は棋譜のみ)、「女流名人戦第5局」(里見-清水)(文:渡辺大輔氏)、(「第4局」は棋譜のみ)、「第1回湯原あったまるオープン戦決勝」(室田伊緒-室谷由紀)(写真と記事で4ページ:渡辺大輔氏)、「第9回朝日杯将棋オープン戦準決勝・決勝」(棋譜は村山-羽生戦、森内-戸辺戦、森内-羽生戦)(記事は棋譜を含め6ページで文:相崎修司氏)などがあります。

巻頭カラー3ページを含め7ページに渡ってマイナビ女子オープンの挑戦者になった、「室谷由紀女流二段のインタビュー」記事があります。そしてその中には、挑戦者決定戦でもある室谷-西山戦の棋譜も。また、続く「リレー自戦記」も室谷女流二段で、棋譜は準決勝の清水女流六段との一戦。戦型は後手の角道を開けた四間飛車に先手は中央位取りの趣向。後手が序盤から動いて手将棋となった将棋です。この実況は私も見ていましたが、室谷女流二段の快勝譜。今回これだけ取り上げているなら、表紙にも使ったら良いのにと思いましたね。

短期講座の最終回、「相振り飛車の可能性」。今月は「藤井システムとわたし」と言うことで、藤井システムについて、杉本七段の考え方と共に様々な形のポイントを分かりやすく解説しています。現在の藤井システムがどういう状況にあるのか、振り飛車で指す人はもちろん、居飛車穴熊を指す人にも知っていて損のない講座です。(参考棋譜として平成20年竜王戦の杉本-羽生戦、平成27年竜王戦の西尾-杉本戦、平成27年NHK杯の斎藤慎-杉本戦の3局)

隔月講座、金井恒太六段の「最新定跡探査」は、居飛車編Vol.3「角換わり-後手、端歩を手抜く先攻策」。今回は、角換わり腰掛け銀の同型から。最近はやりだした後手が9筋を受けずに△6五歩と先攻する形です。そしてその形が先手不満として▲3七桂のかわりに▲9五歩と端を突き越す形、さらに先手番での応用、と最新の変化を解説。こちらも指す人には必読の講座です(参考棋譜は2つ:平成27年日本シリーズの三浦-深浦戦と平成28年王将戦第2局の羽生-郷田戦)。

先月、「かりんの将棋上り坂↑」が最終回と出ていましたのでまったく出なくなるのかと思っていましたら、今月から新連載として「かりんの将棋部屋」が始まりました。内容は、三択になっている次の一手問題をかりんさんが解いていき、その解説をすると言うもの。難易度は級位者向けのやさしいものからやや読みを入れないといけないものまで。記事は気楽に読める会話形式ですが、かりんさんの答えの側に「正解」まであると読者が解答を考える前に見えてしまいますね。解答だけは最後に持ってきて欲しいです。でもこれからの進行には期待しましょう。

「第58回奨励会三段リーグ戦」が終了し、その表の後に、3人の「四段昇段の記」があります。

付録は杉本昌隆七段の「相振り飛車 常識の手筋」。「初段を目指す相振り党必読の一冊!使える手筋50題」とあるように、大部分は部分図で基本的な手筋を取り上げて問題にしています。相振りを指すと必ずと言って良いほど出てくる筋ですので、級位者はじっくり考えて、有段者はひと目で指せるように50問に挑戦してみて下さい。
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表紙 2016年4月号(3月3日発売)の内容と感想
今月号の特集は「第74期順位戦ラス前」。ネットを見ていると最新結果を知ってしまうため、どうしてもこうした記事への興味は低くなってしまいますが、雑誌だけしか情報のない人や、どういう状況だったのか後からでも知りたい人には分かりやすい記事になっています。そして棋譜がたくさん載っているのもうれしい。特に選び抜かれた棋譜だけに並べて勉強するには最適でしょう。その載せられている参考棋譜としては、B1で三浦-村山戦(盤上盤外一手有情の中)、B2で北浜-阿部戦、中田宏樹-糸谷戦、田村-野月戦、青野-飯島戦、藤井-鈴木大介戦、C1では富岡-斎藤慎太郎戦、平藤-佐々木勇気戦、中村太地-小林裕士戦、C2で増田-宮本戦、青嶋-石田直裕戦、八代-梶浦戦、及川-佐藤和俊戦などです。

巻頭カラー1ページ目から「
王将戦第3局」(郷田-羽生)(記:大川慎太郎氏)があります。この将棋は、相掛かり戦で序盤から長考の続いた難しい将棋でしたが、その説明しづらい対局のポイントを分かりやすく解説しています。そして巻頭カラー後半には「棋士に聞く本音対談」があります。こちらには、村山慈明七段と戸辺誠六段が登場。渡辺竜王、佐藤天彦八段と仲の良い四人組として出会いから、それぞれ対戦した将棋の内容について話され、最後には棋譜も3局あります(平成19年順位戦・村山-戸辺戦、平成25年順位戦・村山-戸辺戦、平成26年順位戦・佐藤天-村山戦)。

プロ棋戦としては「棋王戦第1局」(渡辺-佐藤天)(記:津江章二氏)、「王将戦第2局」(郷田-羽生)(棋譜を含め2ページ)、「女流名人戦第3局」(里見-清水)(記:小暮克洋氏)、「第2局」は棋譜を含め2ページ、などです。

リレー自戦記」は、八代弥五段。取り上げた棋譜は王位戦予選準決勝の佐々木勇気五段との一戦。戦型は角換わり腰掛け銀。実戦の対局中の読みや変化など丁寧に解説されている他、プロになって3年半と言うことで、心境なども綴っています。

先月で終わりかと思っていた「相振り飛車の可能性」。今月は「定跡のフロンティアに迫る」としてまだ続いていました(来月が最終回とのこと)。今回の内容は、相四間飛車の考え方と杉本七段の実戦講義。定跡は、角道を止めた状態での相四間飛車と角交換型四間の相振り。実戦は2局あり、一つ目は平成9年の全日プロ、杉本-桐山戦で先手向かい飛車対後手四間飛車。二局目は平成27年の棋王戦予選の杉本-香川女流王将戦。こちらは相三間飛車からお互い向かい飛車に振り直す将棋でした。

隔月講座である門倉啓太四段の「最新定跡探査」は、振り飛車編Vol.2「続・藤井システム-攻撃的な先手番」。2ヶ月前の後手番の藤井システムでも取り上げたように、今回も最新のポイントを上げています。それが、序盤で藤井システムに組むまでの問題。そして本題となる居飛穴を目指す後手に対する先手藤井システムの指し方。最新の棋譜を題材に詳しく解説しています(参考棋譜は2つ:平成27年王将リーグ戦の久保-渡辺戦と平成25年順位戦の窪田-森下戦)。
永瀬拓矢六段の「矢倉早囲い塾」。第4回で「早い▲6八玉作戦」。今回最初は現在続いている王将戦の第1局を取り上げています。その後、後手からの急戦対策。さらに1月の行方-石井戦を参考にした指し方も。最後の参考棋譜は平成元年のNHK杯、桜井-羽生戦。これは棋譜もありますが、後手の羽生五段(当時)の急戦がうまくいった例です。

イメージと読みの将棋観2」、新しくなって32回目。今月のテーマは、(1)角換わり腰掛け銀、後手先攻、(2)「神田君、時間だよ!」、(3)若き日の羽生名人、(4)叡王とコンピュータの対決、の四つ。(1)は同型角換わり腰掛け銀から9筋を受けずに△6五歩と先攻する将棋。その仕掛けをどう見るかと言うもの。(2)は昭和17年の第3期名人戦。対局者は木村義雄名人対神田辰之助八段。いろいろな本で紹介されている逸話の中の言葉「神田君、時間だよ!」の将棋です。(3)は平成3年当時の羽生棋王と先崎五段のオールスター勝ち抜き戦。(4)はこれから対戦する注目の電王戦の話です。
このテーマを見た時、テーマ(4)が一番面白そうでしたので最初に読んだのですが、本人がいることもあってか皆無難なことしか話していません。今回の四つのテーマで意外に面白かったのがテーマ(1)。後手の先攻について、人により十分にあり得ると思う人もいれば、後手が無理をしていると考える人もいました。今後、この形がどういう結論になるのか気に掛けていたいです。

かりんの将棋上り坂↑」は今回が最終回とのこと。中川大輔八段との四枚落ちを実際に指した将棋です。定跡から外れた後すばらしい構想力を見せ、寄せちょっと前にややぬるかった手はあったものの全体としては良く指すことができたと思います。と言うことで、「1級認定」となりました。

付録は川上猛六段の「囲いの周辺手筋」。「攻め方、受け方。実戦で差がつく39のハイテクニック」とあり、終盤の寄せや受けの問題集です。難易度は、非常に良く出てくる手筋ですので級位者向け。ですが、形の僅かな違いもしっかり読んで正解するには有段の力が必要です。したがって、級位者から初二段クラスまで、かなり役に立つ付録と言って良いでしょう。実戦で使えるように、何度も見てしっかり覚えて下さい。
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表紙 2016年3月号(2月3日発売)の内容と感想
今月号の特集は「叡王への軌跡」です。これは第1期叡王に輝いた山崎隆之八段の自戦解説で、決勝の2局を含め、全部で4局取り上げられています。私自身は一局も生では見ていないのですが、それでもこの記事は一番面白く読みました。それだけ指した本人の考えや心の動きが良く書かれていて引き込まれます。一番ページ数の多い決勝第2局で6ページ、それ以外は5ページしかないのがちょっともったいないというくらい面白い記事でした。(棋譜は、山崎-青嶋戦、村山-山崎戦と決勝の2局である山崎-郷田戦)

巻頭カラーには、棋王戦の挑戦者になった「佐藤天彦八段へのインタビュー」記事が載せられています。また、「同姓同名対談」として中村太地六段と、ヴァイオリニストの中村太一(だいち)さんの対談があります。芸術家の話とかは、意識的に読んだり聞いたりしない限りなかなか普段このような話を聞く機会はありません。「へぇー、そうなんだ!」というような話がいくつもあり普通に面白かったです。

プロ棋戦としては「王将戦第1局」(郷田-羽生)(文:鈴木健二氏)、「女流名人戦第1局」(里見-清水)(文:渡辺大輔氏)、「女流王座戦第5局6局」(加藤-伊藤)(自戦記:加藤桃子女流王座)の他、「盤上盤外一手有情」の中にある竜王戦6組上野-藤本アマ戦などです。

特別講座として、「
佐藤天彦の積み重ねの逆転術」があります。棋王戦の挑戦者にもなり、最近勝ちまくっている佐藤八段の逆転した将棋を題材にそのポイントを本人が解説した面白い講座です。取り上げた棋譜は全部で4つ。A級順位戦の対渡辺戦、NHK杯の対稲葉戦、朝日杯の対田村戦、棋聖戦の対佐々木慎戦。この中でNHK杯の将棋は私も見ていましたし、「受けの手筋」でも取り上げていますが、その時の考え方が詳しく載っているのには驚きました。順位戦や朝日杯でしたらこれも見ていた人も多いでしょう。内容は、相手もプロを終盤で逆転するのですから簡単ではないですが、考え方は大変役に立ちます。有段者なら是非読んでおきたい記事です。

先月からの短期講座「相振り飛車の可能性」。今月は上級編です。内容は大きく三つ。まずは「後手向かい飛車は苦戦」であるということ。その理由を最新の菅井流速攻も含め解説しています。次に「相振り美濃囲いのコツ」を述べ、その後に後手はどうしたら良いかの「有力な相三間飛車」の解説です。特にこの相三間に対する解説が最新研究も含め一番多くさかれており、相振り飛車を指す人には必読でしょう。

リレー自戦記」は、瀬川晶司五段。取り上げた棋譜は王位戦予選決勝の阿部光瑠六段との一戦。戦型は横歩取り△3三角戦法(先手が瀬川)だが、序盤から光瑠流とも言える一着が出てリードを許してしまいます。しかしその後開き直り逆転。その辺りの心情が細かく書かれています。

永瀬拓矢六段の「矢倉早囲い塾」。第3回で「基本図からの変化」。今回は▲8八玉と囲う前の早い▲4六銀の変化についてが一つ。さらに▲6八玉させ動かす前に▲3五歩と突いて動く形と、とにかくこの早囲いも日々新しい形が出てきていますので、その最新形についての解説です。(参考棋譜はA級順位戦森内-渡辺戦)
隔月講座である金井恒太五段の「最新定跡探査」は、居飛車編Vol.2「横歩取り-△2四飛ぶつけの成否」。最近、この筋を外して横歩は考えられないというくらい良く出るようになった△2四飛のぶつけ。これをこの後の様々な変化を実戦での進行を取り上げ詳しく検証しています。(参考棋譜は3つ:竜王戦2組渡辺-木村戦、王将戦予選松尾-行方戦、王位戦リーグ菅井-松尾戦)

イメージと読みの将棋観2」、新しくなって31回目。今月のテーマは、(1)神戸に天才少年現る、(2)定山渓の名局、(3)土井、木見、11日間の激闘、(4)あなたは11日間対局ができるかの四つ。(1)は昭和46年、小学3年の谷川少年と内藤八段(当時)の二枚落ちの終盤。(2)は昭和15年、土居市太郎八段と木村名人との第2期名人戦。(3)は大正9年に行われた土居八段と木見金治郎七段の終盤戦。そしてこの一戦が11日間もかかったということで、次の(4)の質問に続いています。

かりんの将棋上り坂↑」vol.14で「対四枚落ち・四間飛車6筋対抗型」。先月と同じく四枚落ちでの四間飛車ですが、今回は上手が6筋の位を取らせない指し方をしてきた時の対処法です。

今月号には、「詰将棋サロン」の後ろに、「2015詰将棋サロン年間優秀作品選考会」が載っています。後で詳しく読んで「ミニ感想」に追記する予定です。

付録は武市三郎七段の「初段 1手3手必至」。問題数は1手必至20問、3手必至30問。なぜ「初段」と書かれているのか分かりませんが、「初段になる為の」というより、「初段の人がより上を目指す為に」という感じがする難易度です。つまり、ちょっと難しいのでじっくり取り組んでみて下さい。
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表紙 2016年2月号(12月29日発売)の内容と感想
今月号には特集として「村山聖の追憶」があります。巻頭カラーの写真から始まり、村山将棋に対する羽生名人と谷川九段の対談。そしてその二人による実戦譜の解説と感想がありその棋譜は7つ。その後には「盤上盤外一手有情」の中で田丸九段が村山九段のエピソードについて語っています(棋譜も一つ)。さらにその後ろに森信雄七段へのインタビューもあります。どの記事も面白く、一気に読んでしまいましたが、なぜ今「村山聖」なのかと言うと、「聖の青春」の映画化が決まったということからです。1998年に29歳の若さで他界した悲運の天才棋士、没後17年ですから若い人はほとんど知らないことになる訳ですが、そうした人にも面白い記事になっているのでは、と思います。

竜王戦が終了した為、「七番勝負総括インタビュー」が載せられています。構成は相崎修司氏で渡辺明竜王の自戦解説。1局目から4局目までは簡単な解説、感想で第5局だけ6ページと詳しく書かれています。なお、掲載されている棋譜は第4局と第5局です。

プロ棋戦としては「叡王戦決勝三番勝負第1局」(山崎-郷田)(文:鈴木健二氏)、「女流王座戦第3局」(加藤-伊藤)(文:池田将之氏)(この将棋は持将棋でしたが7ページの解説)、「第4局」は巻頭カラーに棋譜を含め2ページのみ。「倉敷藤花戦第2局」(甲斐-里見)(文:渡辺大輔氏)、「日本シリーズ決勝」(三浦-深浦)(文:小野寺隼氏)、「王将戦挑戦者決定リーグ戦」(文:鈴木健二氏)があり、この王将リーグ戦は挑決の羽生-久保戦の他、最終局3局も棋譜があります。

リレー自戦記」が帰ってきました。1回目の今回は、佐藤康光九段。取り上げた棋譜は王将戦挑戦者決定リーグ6回戦の深浦九段との一戦。角交換向かい飛車で、序盤は定跡形でしたが、駒組み途中の平凡とも思える一手を咎めに行き、まさに康光vs深浦という将棋そのものでした。将棋の内容もそれ以外にちょこちょこ触れられている話も面白く、再開一発目は大成功でしょう。

連載されている定跡講座の前に、短期講座が載っていました。「相振り飛車の可能性」という題で講師は杉本昌隆七段です。今回は基本編で来月は上級編と言うことですから、二回限定なのかもしれません。その基本編、相振り序盤の△3六歩問題からちょっとしたハメ手、矢倉拒否の構え、金無双のコツなど、基本とは言え大切なポイントを分かりやすく解説しています。

永瀬拓矢六段の「矢倉早囲い塾」。第2回で「後手急戦に気をつけろ!」です。早囲いを目指す直前の▲3七銀に対する△4四歩。以下▲6八玉に△7五歩の急戦。この解説が一つ。さらに△7四歩を突かず、早めに△8五歩を決め、▲6八玉と上がった瞬間、△8六歩▲同歩△同角の強襲。今回はこの二つの変化を解説しています。
隔月講座である門倉啓太四段の「最新定跡探査」で、振り飛車編Vol.1「藤井システム-再流行の予感」。藤井システムの最新形を2回に渡って見ていくと言うことで、今回は後手藤井システム。居飛車側は、目指すは穴熊ですが、もちろん振り飛車の陣形によっては急戦も視野に入れます。その急戦での最新の変化や、穴熊に囲う瞬間に振り飛車から動く変化、いつどの将棋でこれが指されたかまで載せながら最新の研究と見解を載せています。知らない人にはやや難しいかと思いますが、藤井システムを指す人や振り飛車には居飛車穴熊としている人には現在の状況が良く分かりたいへん役に立つ講座となっています。

かりんの将棋上り坂↑」vol.13で「対四枚落ち・四間飛車6筋位取り型」。今回は、実戦で四枚落ちを勉強ということですが実際に指した棋譜を使っているのではなく、最も自然に組んだ定跡と言っても良いような形からの破り方と寄せ方の練習です。四枚落ちならではの、8、9筋への殺到(下手側から見て)。使える手筋が分かりやすく書かれていますので、級位者の人必読です。

付録は編集部編「現役棋士データブック2016」の(下)。今月は「た行」から「わ行」まで。先月の後半部分で、同じく一人一人について過去4年のデータの他、プロフィールやエピソードなどが載せられています。
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表紙 2016年1月号(12月3日発売)の内容と感想
巻頭カラーは主に三つ。一つは「羽生名人と書家の吉川壽一氏の対談」。二つ目は「青野九段と薬局会長である渥美雅之氏の対談」。そして三つ目は「竜王戦第3局」(糸谷-渡辺)(記:田名後健吾氏)です。

今月号から巻頭にある「
懸賞詰将棋」の出題者が変わりました。先月には谷川九段が降りることが出ていましたので、誰になるのか楽しみにしていましたら、若島正氏でした。プロ棋士でこそないですが、詰将棋を作るのはもちろん解くのも、さらに指し将棋も強い天才肌の人。詰将棋界の第一人者と言って良く、私はパズルのような詰将棋を作るというイメージを持っています。そして今回、最初の一問はまさにパズル的。簡素で、解いて見たいと思わせる配置、その中に小技を織り交ぜ解後感抜群。手数はちょっと長いですが、難易度は詰将棋サロンの中間くらい。今までの谷川九段の詰将棋もすばらしいものは多かったのですが、ひと目見て後回しにしていたのを、今度はまず最初にここから読む事になりそうです。

プロ棋戦としては「竜王戦第3局」の他に、村山慈明七段の解説で「
竜王戦第2局」(糸谷-渡辺)が、佐藤天彦八段の自戦解説で「王座戦第5局」(羽生-佐藤天)があります。村山七段の解説は序盤講座的な内容も含まれており勉強になります。また自戦解説はやはり実際の対局者がどのような読みをしていたかを正確に知ることが出来、こちらも面白い記事で両方共一気に読んでしまいました。
棋譜は他に、「女流王座戦第2局」(加藤-伊藤)(文:馬上勇人氏)、「第1局」は棋譜のみ。「倉敷藤花戦第1局」(甲斐-里見)(文:一瀬浩司氏)と、「加古川清流戦第3局」(増田-稲葉アマ)(文:雲井宏氏)、「第1局」と「第2局」は棋譜のみ。「新人王戦第3局」(菅井-大橋)(記:池田将之氏)など。さらに「盤上盤外一手有情」の中に「第28期竜王戦昇級者決定戦3組」(阿部健-佐藤紳)などもあり、今月号は棋譜がたくさんです。

今月から定跡講座が二つ連載され始めました。その一つ目が、金井恒太五段の「最新定跡探査」で、今月号は居飛車編Vol.1「矢倉-見直された△4五歩」です。居飛車編と振り飛車編が交互に掲載されるようですので隔月での連載。そして「公式戦での実戦をもとに最新定跡を追いかけていくという趣旨」な為、内容的にはやや難しいかもしれませんが、プロ将棋を良く見る人にはこの戦型が出てきた時に理解しやすく役立ちそうです。
そしてもう一つの講座が、永瀬拓矢六段の「矢倉早囲い塾」。第1回目の今回は「早囲いは先手矢倉の新エース」として注目され始めた理由からその基本的な駒組み、ポイントを解説しています。こちらは、実戦で指してみたい人への講座で特に初段前後の人達にちょうど良さそうです。

イメージと読みの将棋観2」、新しくなって30回目。今月のテーマは、(1)馬対抗の向かい飛車、(2)お前らには指せん手や、(3)石田和雄、大感涙の即詰み手順、(4)トップ棋士との相談将棋の四つ。(1)は馬を作り合う乱戦風向かい飛車。王位戦挑戦者決定戦、菅井-広瀬戦で有名になった局面。(2)は昭和14年、高島-升田の香落ち戦。升田が指した意表の一着について考えて見て下さい。(3)は昭和45年の石田-中原戦。両者30秒の終盤戦の中の詰み。実戦中ならプロでも見逃す難解さで、詰むと分かっていても詰ませられれば有段者です。(4)は昔あった相談将棋に関連して、羽生名人と若手六段3人の相談将棋ならどっちが勝つでしょう?と言うもの。テーマ1では意見にあまり差はなく、テーマ2の形勢判断が人によって違うのが驚きでした。

かりんの将棋上り坂↑」vol.12で「端の攻め方、守り方」です。先日の実戦に現れた端攻めからその基本の受けや攻め方など。級位者には即、役に立つ講座内容になっています。

付録は編集部編「現役棋士データブック2016」。(上)ということですから、二回又は三回に分けての付録のようです。一人一人について、過去4年のデータの他、プロフィールやエピソードなども載せられています。
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