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将棋に関するミニ感想

2006年1月
1月20日(金)   「やさしい5手詰」の作り方

時間の過ぎるのは早い。ちょっとよそ見をしているとあっと言う間に三ヶ月も四ヶ月も経ってしまう。

このミニ感想もいつの間にか半年も書かなかった(^^;
知っている人は少ないと思うが、実はこのミニ感想、前身の日記帳は一週間に一回くらい書いていたのだ。それがだんだんと面倒になり、月2回くらいに減り、次第に月一回ペースに。

そして今ではネタが出ると、そのネタをメールマガジンへ持って行ってしまうので、まったくこちらに書くことがなくなってしまった。ちなみに、話の短い”小ネタ”はつぶやきに使っている。

実は、今週のやさしい5手詰。今回は作るのに久々に苦労したのだ。そこでこれもメルマガのネタにしようと思っていたのだが・・・。
今週は、(先週の)王将戦が面白かったのでこのネタがあり、来週のメルマガも”ちょっとした出来事”があったので、書くことが決まっている。と言うわけで、しばらくほうっておいたこちらのミニ感想に書くことにした。


さて、「やさしい5手詰」は最初から5手詰を作っている訳ではない。自分の作った3手詰をちょっと修正して5手にしているだけだ。

たとえば先々週の問題(105問)は、2003年3月の149問からの作成である。

5手詰(1月3日出題) 3手詰(元になった3手詰)

要するに、基本となる3手に最初の2手を加えただけという”手抜き”作成だ。もちろん後ろを伸ばすこともある。これが頭の良い詰将棋作家なら、もっとずっとうまく修正するのだろうが、自分にはとてもできない。
なお、このように元の3手詰は日付順に使っているので、もし分からなかったら、この前後の3手詰を捜すと良い。

そして、時間もほとんどかけず、ちょっと修正して、「ハイ、出来上がり!」という感じである。

今週もこんな感じで作ろうとしていた。元図面は2003年3月25日出題の下図である。


これは、▲1三に角を打ち、△同玉なら▲2三金まで、△同桂なら▲2一金までという詰将棋である。

こうした詰将棋に前二手を加える場合、駒を打って、応対させることを考える訳だが、盤面が狭すぎてうまくいかない。

たとえば、3二に何かを打って、同香の形になれば良いわけだが、3一に香を置くと、2三金で簡単だ。と言って、香のかわりに金や銀では3二へ移動した時2三に利いてしまう。

何かに取らせるのがダメなら、玉を移動させるしかない。考えられるのは、3一に玉を置き、▲2二銀△同玉と言う手順を入れることだ。

よし、この線で考えようと思い、まず▲2二銀の時、逃げられた時に詰むようにした。つまり5三辺りに歩を置くのである。これなら▲2二銀に△4二玉なら▲5二金までだ。

早速これで柿木の余詰め検討にかけてみる。(←一瞬で答えが出るので自分で考えようとしない)

すると、初手2二銀の他に、2一とでも2二角でも4二銀でも1三角でも詰みと出た。こんなに余詰めが多いとつぶすのは容易ではない。特に▲2一とがやっかいだ。▲2二銀と打って逃げたとき、角と金を両方使ってピッタリ詰むようにしないといけない。
そこで、4一に玉方の駒を置き、▲2二銀から▲3一角の筋を使おうとしたら、いきなり5三から角を打たれて沈没。この後もいろいろやったが、どうしても余詰めが消えない。


いい加減嫌になって、「じゃもうこれで良いかな。」って左の問題でお茶を濁そうとしたのだが・・・。

この問題を将棋センターに来ていた「詰将棋の苦手な」1級の人に出したら、すぐに解かれてしまった。

「うーん、やっぱりいくらなんでも、初手▲2二角成と駒を取る手じゃなぁ〜」って感じでどうしても納得がいかない。

しかし、2二から駒を捨てていくのは、余詰めが消えない。

結局この日は諦めてそのままにしておいた(最悪この図面でいいや、って)。


翌朝、まどろみながらふと、「そうだ、5三に桂を置けば、5三から角を打たれないし、4二〜5一と逃げたとき▲6一金で詰むじゃない」って気が付いた。但し、4一から駒を打たれないようにここに利かし、さらに5二へ逃げられないようにここにも駒を置かなければならない。


頭の中で考えた図面が左図である。

これを起きてから早速パソコンに入れて余詰め検討させてみた。すると、▲2一と△同玉▲2二銀△同玉▲1三角の筋がまだ残っていた。

「そうか、この筋が残っているんだっけ」と思い出した。そう、これはいろいろ動かしていた時にも出てきていた筋なのだ。

しかしすぐに気付いた。「そうだ、銀を角にしたらどうだ。頭が丸いから詰まなそうじゃない」と。

持ち駒、角角金で2二角から入る。▲1三角の手順前後も利かないし、今度こそ出来ただろうと期待を持って余詰め検討のボタンを。

しか〜し。やっぱり▲2一とから余詰め。「えー、いったいどうして!?」と思い手順を再現させてみると、▲2一と△同玉▲1二角!△1一玉▲2二角!△同玉▲2三角成△3一玉▲3二馬!△同玉▲3三金以下。

強引に詰ますなぁと思ったが、この解決はすぐに出来た。要は3三に駒を利かせば良いんだ。という訳で飛車を龍に変える。

「これでどうだ!!」(←ソフトに威張っている)

再々再度余詰め検討のボタンを押した。そしてついに余詰めなしの表示が。

「よっしゃあ!!」ようやく出来た。いやいや今回は時間がかかった。いつもは10分か20分で作り終えるのに、これは1時間以上考えていただろう。

「え?そんなにかかってこの程度」って言わないでくれ。才能ないんだから。。。

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