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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年9月5日出題)

第14問(2005年9月4日:羽生四冠-中座五段戦)
(問14-1)
本家中座五段の横歩取り8五飛。中盤先手の羽生四冠が▲3四桂を打ちややリードを奪ったところ。これは銀が逃げれば(たとえば△3三銀)、▲2三歩成△同金▲4二桂成とし6七の角で2三の金を取ってしまおうと言う手だ。と言ってこのままでも▲2二桂成から▲2三歩成がある。ここで被害を最小限に抑える手は。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問14-2)
中座五段も離されないように必死にくいついて迎えた終盤。今△3五角と飛車取りに角を出た局面。次に△4六角▲同歩△3八飛からの詰みがあるのでこのままの状態で単純に取られてはならない。ここで聞き手の千葉女流王将が▲4五角を指摘しそれでも先手が勝ちそうだが、羽生四冠はその手を含みに違う受けの一手を指した。
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問14-1解答)「歩成りを間接的に受ける」
2二銀と3四桂がない状態で▲2四歩と垂らされたら誰でも△2二歩と受ける。この筋を間接的に受けたのが△2一歩。あまり見たことのない筋だ。実際、テレビで見ている時は▲3四桂を打たれてはマズイだろうと思っていたが、この受けにはビックリした(解説の先崎八段もこの手には感心していた)。とはいえすぐにつぶれないというだけで、銀桂交換の駒損で後手が大変なのは間違いない。



(問14-2解答)「玉の早逃げ八手の得」
今までに何度も出てきている「玉の早逃げ」がここでも正解。一路寄ることで、飛車打ちには合駒を用意している。この後△3六銀成は厳しい攻めだが、▲4五角がピッタリした攻防の一手(次に▲4二金打(▲4一銀)からの詰み)で羽生四冠の一手勝ちとなった。

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