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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年12月12日出題)

第28問(2005年12月11日:中村八段-羽生四冠戦)
(問28-1)
先手中村八段、後手羽生四冠の(先週に引き続き)ガップリ四つになった矢倉戦。
やはり先手が猛攻撃を仕掛け、今▲3四銀と▲1三角打の攻めを見せつつ上部を押さえたところ。このまま▲1三角を決められ、▲4五銀と金を取られてはたまらない。と言って△2四銀のような手は▲同角から寄ってしまう。意外に受けづらく羽生四冠はどう受けるだろうと思っていたが、ここで強い受けを。
手筋の受けではなく、その局面で読みを入れて指す一手と言える。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問28-2)
難解な終盤戦。矢倉を攻める時に良く出る△6九銀と言う手筋の攻め。この攻めに対しどのように応対するか。手抜くか、金を引くか、駒を一枚投入して受けるか、その局面ごとにいろいろな手があり難しいところ。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問28-1解答)「拠点を払い、相手の金駒にぶつける受け」
ここで羽生四冠は△3三金と歩を払った。このような受けは、▲同銀と取る手の他に、▲1三角打や▲1一角、▲3一角など様々な攻めを受けきれるかどうか読む必要がある。そうした攻め筋に対し、一つでもはっきり寄せきられてしまう手順があると成立しない。但し、成立する場合は、相手の攻めを焦らせる意味があり、本譜は▲2五銀と引いた為、一手の余裕を得た。感想戦では▲1一角と打って相当だったらしい。


(問28-2解答)「状況を見て判断する」
矢倉の金に銀をかける手は、前にも問題にしたが、常に他の状況を見て判断する必要がある。受けとしては主に(1)手抜き(2)金引き(3)金駒を投入の三つがある。
今回は金駒がないので(3)は出来ないが、一枚銀が入ったら、相手が寄るかどうかとかいろいろ考えてその局面ごとに判断して指すことになる。この後、△5八銀打▲3四歩△4三金▲3三香と進みどちらが勝っているのか分からない難解な終盤戦が続いたが、最後は羽生四冠が貫禄を見せた。

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