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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年12月19日出題)

第29問(2005年12月18日:森内名人-三浦八段戦)
(問29-1)
先手森内名人の三間飛車に居飛車穴熊で挑んだ三浦八段。名人の細かい動きから、今▲9三角成の大技が出てポイントを取ったと思えた局面。しかし、ここで三浦八段は解説の佐藤棋聖も気づかなかった絶妙の受けを用意していた。三浦八段の指した一手は?
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問29-2)
双方秘術を尽くして中盤から終盤戦へと突入。名人の▲1三歩に対して△1六歩と突き出して玉を落とした所。普通は王手で駒を取られる時はほとんどあいさつしなければならない場合が多く、特に玉頭だけに△1三同香は自然かと思えるところだが・・・。ここで三浦八段の指した次の一手は?穴熊特有の一手とも言える。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問29-1解答)「馬の位置を変える」
三浦八段の指した手は△7二飛。見ていてこれは驚いた。つまり普通は馬を取るか飛車を取るかしかないと思えるところ。△9三同桂は▲7三飛成で△5五角はあるが、平凡に▲9三龍で△1九角成には▲2八銀がある。馬を取れないのでは△7四銀と飛車を取るしかないが、▲8二馬が好位置で、森内名人が一本取ったと思えたのだが・・・。
どちらも取らない△7二飛が絶妙。本譜▲9四馬に△7四銀▲7二馬となり馬の位置が一路ずれた。これによって、一手で馬を好位置の3七や4六へ引く手が消え、同時に▲7一飛が(馬がじゃまになって)7四の銀取りにならない。この、実戦ではほとんど現れない絶妙の受けで形勢は難解なまま終盤戦へ入った。


(問29-2解答)「”ゼ”の状態へ」
絶対詰まない状態を「Z(ゼット)」とか「ゼ」とか言うが、穴熊の場合、そのような状態で詰めろをかけ続ければ勝てることが多い(参考:「Zの法則」毎コミ)。普通、玉の側の駒を歩で取られる場合は、△1三同香のようにあいさつすることの方が多いが、ここでは▲2四香が厳しく(これが一手スキで△同銀は▲2二龍から詰み)、一手負けになる可能性がある。
ここで三浦八段の指した△3二歩が穴熊特有の頑強な受け。香を取られても龍の横利きを消した為、ゼとまでは言えないがとん死筋を消すことが出来、勝ちに結びつける一手となった。
この将棋は、△7二飛に始まり、双方共に受けの手筋、妙手満載の一局だった。他にも△9三香(32手目)、▲6七角(71手目)、▲7八歩(79手目)、▲3八金(83手目)、▲3七桂(113手目)などいくつでも問題に出来そうな程参考になる手が多かった。テキストを持っている人はもう一度並べてみたら面白いと思う。
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