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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年5月29日出題)

第50問(2006年5月28日:村田四段-日浦七段戦)
(問50-1)
ガップリ四つの相矢倉になった本局は、後手の日浦七段が玉頭を厚くしやや指しやすい局面になったが、先手の村田四段も粘り強い指し回しで逆転の機会をうかがっている。
今、▲4四桂と急所の金に狙いをつけ手を渡したところ。この金を逃げる手がないため、△6七銀の攻め合いかと思ったが、ここで日浦七段は決め手ともなるべき味良い受けの好手を放った。先手の攻めを急がせるその一手とは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問50-2)
はっきり優勢になった後手だが、先手の村田四段も金一枚自陣に投入して寄せ損なったら許さない、という局面にして手を渡した。△6七歩成と攻め込んでもこれが詰めろなので勝てそうにも見えるが、▲4二金から王手で角を抜かれ相当危ない。ここで日浦七段の指した受けの一手は。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問50-1解答)「じゃま駒の角を活用」
角という駒は守りには向かない。後手陣を攻める場合も、本譜のように角取りにするのではなく、その側の金を狙うのが正しい。ここで日浦七段の指した一手は△5三角。その受けるにはじゃまになる角を動かし、△4四角の王手を狙う。先手は▲3二桂成しかなく、次の△4四角や△6七銀などが残りはっきり後手が優勢になった。



(問50-2解答)「攻め駒を攻めつつ玉のまわりを広げる」
ここで日浦七段の指した△2四歩が手堅い一手。次に△6七歩成からの攻めに王手で4四の角を抜かれないようにした。
これではっきり手勝ちかと思われたが、日浦七段が慎重になり過ぎて手数はこの後二十数手延びた。先手も切れないように食い付いていたが、さすがに開いた差は埋まらず後手が残した。

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