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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年11月13日出題)

第74問(2006年11月12日:中川七段-鈴木大介八段戦)
(問74-1)
先手の中川七段は、趣向を凝らし角道を開けずに、中飛車に右玉で対抗。中央での小競り合いから難解な中盤に入った。その後、馬を作った先手に対し、端に手を付けた鈴木八段、今香をつり上げ△1八角と打ち込んだ所。ここは受けの手筋と言うものではないが、どのように逃げるのが最善か。さらに、どのような展開になるかも考えて逃げる場所を決めたい。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問74-2)
終盤に入り、後手の猛攻が続いているが、1八の飛車にも当たっており、後手としても忙しいところ。ここで中川七段は敗着とも言うべき手を指してしまい形勢を損ねたが、どのように指すのが最善か。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問74-1解答)「飛角交換でも金をソッポに」
▲2六飛は△2七金▲1六飛△2九角成。▲1九飛は△2七角成▲3八金に△1八歩。角をいじめる前に飛車がいじめられてしまいなかなかうまくいかない。ここで中川七段は▲2八飛と逃げ、△2七金の一手に▲1八飛△同金という手順を選んだ。飛角交換で飛車は取られてしまうが、一時的にせよ金をソッポに行かせたのも大きい。
その後、▲7六馬の銀取りに構わず△1七金と攻め合い、後手が攻めきれるかどうかギリギリの戦いが続いた。


(問74-2解答)「銀損でも玉頭を先手で補修」
実戦は、▲1八金と飛車を取り、それで残していると読んだようだが、次の△5九銀が妙手。普通は▲5七歩成△同金に△5九銀だが、それだと▲4七玉と上がられて寄らない。歩を成る前の△5九銀に▲4七玉なら△6八銀不成なので▲同玉と取ったが△5七歩成と成られ、▲5八歩に△4八銀▲6九玉△6七香から寄せられてしまった。
感想戦で、と言うより歩成り前に打つ△5九銀が見えていれば▲5六銀と歩を払うのがこういう場合の当然の一手。△同飛に▲5七歩と打つような筋は矢倉戦などでも良く出現するが、感想戦ではそれを手抜いて▲1八金と取る手も検討され、それでも先手が凌いでいるようだった。いずれもしても一回は歩を払わざるを得なかったようだ。

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