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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年1月15日出題)

第82問(2007年1月14日:窪田五段-中田七段戦)
(問82-1)
振り飛車党の二人の対戦は、出だしから変則的になり、手将棋となった。軽いさばきで飛角桂を跳ね出してきた後手の中田七段に対し、ガッチリ受け止めた窪田五段。▲4七金の力強い飛車取りに、△6六飛と銀と差し違え、△6五銀を打ち、今△4六歩と急所に歩を叩いた所。
この歩で金は死んでおり、厳しい一手だが、先に先手が駒得をしているので、それでも先手が悪くはない。ここでは、大きく損をしない為の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問82-2)
▲5四歩からの攻めが厳しく、少しずつ先手が残している終盤戦。しかし、次に△5八銀から△6八角成の攻めがあり、この角成を取れない為、このまま攻めるのはかなり恐い。ここで、窪田五段が指した、味の良い攻防手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問82-1解答)「読みを入れて、最小限の損に」
金をタダで取られない為に、どちらかへ逃げたいが、▲5七金寄と玉の方へ逃げるのは、△同桂成▲同金に△4七歩成と成られ、どちらでも取れない(銀で取ると、金がタダ。金で取ると、頭金で詰み)。そこで、ひねって▲3七金と反対側へ逃げたのが好手。△同桂成▲同桂となって、後手の攻めが一段落した。



(問82-2解答)「攻防に馬を引く」
単に▲8三桂成と切り込むのは△同玉▲8六香に△9二玉でハッキリしない。そこで次に▲8三桂成からの詰めろを見せつつ、攻防に▲6六馬と引いた手が手厚い。これは、詰めろと同時に、△5八銀▲7九玉△6八角成▲同玉△6七銀上成に▲同馬を用意している。
但し、実戦もここから精算するよりなく、実際それでかなり難しい終盤戦になったが、少しずつ余していた先手が、最後は即詰みに討ち取った。

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