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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年2月5日出題)

第85問(2007年2月4日:深浦八段-佐藤棋聖戦)
(問85-1)
後手ながら角交換して向かい飛車に振った佐藤棋聖に対し、先手の深浦八段は銀冠を構築してじっくり迎え撃った。
その後、後手は銀を進出して機敏に攻撃を仕掛け、今、馬を自陣に引きつけたところ。ここでは馬が手厚く後手がやや指しやすそうに見えるが、ここで盛り返すべく指した深浦八段の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問85-2)
途中、佐藤棋聖が攻勢だったが、その攻めを辛抱強く凌ぎ、ここではもうどちらが良いのか分からない局面。しかし、ここで深浦八段は、敗着とも言うべき受けで間違えてしまった。ここではどう指せば良かったかのか感想戦で話された次の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問85-1解答)「馬を消す角の合わせ」
ここで深浦八段は、1七に角を打って馬を消しにかかった。このような馬に対する角の合わせは、中盤で良く出てくるので覚えておきたい。つまり、後手になっても、馬が消えるのは大きいと言う訳だ。なお、1七から打ったのが深浦八段の工夫で、▲2六角では、△5四馬と寄られた後△3六馬が残る。▲1七角に寄る(△5四馬)のは、△3六馬に迫力がない上、▲8三銀などもあり危険だ。


(問85-2解答)「(例外的な)当てない受け」
終盤は、常に一手差の勝負である。そこで、受ける場合にも先手を取りたいので、相手の駒に当てて受けるのが普通だ。
ここで深浦八段は▲6七金打と当てて受けた。もちろん馬が逃げてくれれば先手を取って固められるので十分。しかし、佐藤棋聖は△同馬▲同金に△5五銀と打ち攻めを続けた。この△5五銀が好手で以下は後手の食い付きを振りほどけなかった。
感想戦で出た変化は、ここでじっと▲8九桂と受けておく手。何にも当たっていない受けなので指しづらいが、7七の急所をしっかりと受け、食い付きを防いでいる。

実戦は△5五銀以下▲3三馬に△5七金▲同金△7七金と急所に駒が入り支えきれなかった。

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