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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年7月23日出題)

第108問(2007年7月22日:森下九段-増田五段戦)
(問108-1)
先手森下九段の居飛車に対し、一手損角換わりを選択した増田五段。同型腰掛け銀から、(局後、森下九段が知らないと言っていた)攻めを敢行した。
そして今、△7五歩▲同歩に△8五桂と跳ねたところ。ここではどのように受けるのが”形”か。森下九段の次の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問108-2)
中盤から終盤に入り、後手の攻めがつながるかどうかという局面が続いたが、森下九段が、後手の妙手を見落とした為、一気に受けがなくなってしまった。
下図は▲9六玉に△8四銀と縛られたところ。ここでは正しく指されれば先手に勝ちはないが、それでも勝負術として「なるほど」と思える森下九段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問108-1解答)「桂取りを残す銀立ち」
△7五歩▲同歩が入っていなければ、▲8六銀とするよりない。しかし、先に歩を突き捨てられて▲7六銀と立てる形は、この方が▲8六歩から桂取りをせかすことが出来るという意味でより良い場合が多い。
実戦もこの後、▲8六歩から▲8五歩という手順が回り、後手の攻めがつながるかどうかギリギリの攻防が続いたが、その後の急所で先手に見落としがあって、後手が一気に勝勢となった。



(問108-2解答)「終盤は良く読んで、最善の粘りを」
△8四銀としばられた局面、普通はこの銀に当てて▲9五銀と打つのが筋だが、この場合は△9四歩がピッタリで受けがなくなる。そこで△8六金を受ける為に▲7七角と打ったのが実戦的な粘り。これでも△9五歩と押さえる手はあるが、焦って攻めると逆転の余地もある。
本譜は手堅く飛車を取り、▲5五桂の開き直りに、△9九飛と角の筋に打つ飛車が決め手で先手の投了となった。

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