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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年12月17日出題)

第129問(2007年12月16日:羽生二冠-久保八段戦)
(問129-1)
後手久保八段のゴキゲン中飛車に対し、超急戦になる変化もあったが、△3二金と長い戦いを選択した為、お互いガッチリ囲い合うことになった。
さらにお互いが銀冠に組んでから盤面の右左で細かい動きがあり、そこから全体の戦い、玉頭戦へと入った。そして今、△8五歩▲同歩に△7四桂と控えの桂を打ったところ。次に単純に△8六歩を打たれては終わってしまうので、ここは何か受けなければならないが、どのように受けるのが良いか。羽生二冠の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問129-2)
玉頭戦は、駒の損得とか他の場所にある駒の効率などに比較的影響を受けず、玉頭を制した方が勝ちやすい。今、羽生二冠が▲8四銀と玉頭に銀を打ち込んだところ。ここでは少し後手が大変そうではあるが、一気につぶれないように受けるにはどのように受けたら良いか。久保八段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問129-1解答)「元の駒を取り切る受け」
ここで羽生二冠は▲7五歩と根っこの桂に催促をかけた。この手は△8六歩に▲7六銀を用意したと言うわけではなく(銀の逃げ道を開けるような手も受けの手としてはある)、△8六歩に▲7四歩と元の桂を外してしまおうと言う手。銀桂交換の駒損にはなるが、▲7四歩が攻めの拠点として働き(実戦も一手取らせることで先手を取った)、玉頭戦で主導権を握ろうとするものだ。



(問129-2解答)「上から受ける特殊な形」
ここで久保八段は△6四銀打と上から銀を打って7三へ利かせた。この局面は△8四銀と取るか、銀を打って受けるなら△7二銀と下から打つのが普通だが、▲7五歩と上を押さえられるとこのような玉頭戦では勝ち目がなくなる。という訳で上から打ったが、それでも▲7五歩と打ち△同銀左に▲7三銀不成△同玉▲6五銀と上からかぶせるように攻めていった。
その後後手も玉をつり出し勝負形に持って行こうとしたが、最後は詰将棋並みの華麗な手筋を使い後手玉を即詰みに討ち取った。


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