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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年5月19日出題)

第149問(2008年5月18日:神崎七段-阿久津六段戦)
(問149-1)
後手阿久津六段のゴキゲン中飛車に対し、先手の神崎七段は角交換からの▲9六歩で対抗した。そして、中盤から終盤と力のこもった攻防が続き、図は終盤ですでに120手目。△2八飛成と角を取りながら次に△8八角を見た詰めろ。▲6八角と受けるのでは攻め味もなくなり、▲7四桂から王手で追っても後手玉に詰みはない。ちょっと困ったかに見えた先手だが、三手一組の好手順でこの危機を回避した。その手順とは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問149-2)
一手指した方が良く見える最終盤。しかも玉頭戦になり、白熱した好勝負になった。
今△9四桂の王手に▲9五玉と逃げたところ。これ以上後手からの王手や詰めろは続かず、先手からは6五の桂を取り▲8五桂がある。今度は後手が窮したかに見えたが、玉頭戦ゆえの好手があった。
後手阿久津六段の指した一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問149-1解答)「王手で一歩を補充しその歩で受ける」
ここで神崎七段は王手で▲7四桂とはね一歩を補充。△7三玉に▲6八歩と打って詰めろを防いだ。
指されてみれば当然の一手とも思えるが、▲7四桂が攻めの一手だけにこう跳ねると▲8二角などの継続手を考えてしまう。この状態で手を戻したのが堅実な一手で以下△7七歩が二手スキなため、一手スキで後手玉に迫り、寄せ切れるかどうか難解な終盤戦になった。



(問149-2解答)「玉頭戦は制空権がすべて」
ここで△8三歩と歩を合わせた手が玉頭戦ならではの好手。▲同歩成は△同銀で8四の地点が逆転し後手勝ち。そこで▲6五飛と桂を取り▲8五桂の一手詰を見せるが、△8三歩からの継続で△8四歩が詰めろを防ぎつつ、逆に飛車がいなくなれば△8五金の一手詰を見た一手。これで先手も忙しくなり▲7四桂と詰めろで迫ったが、△7三角の返し技。以下もどちらが勝っているか分からないような熱戦が続いたが、玉頭戦を制した後手が、先手の猛追を振り切り辛勝した。


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