ホームへ戻る/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋
(2008年6月9日出題)

第152問(2008年6月8日:川上六段-阿部八段戦)
(問152-1)
先手川上六段の居飛車に対し、4手目に端歩を突いた阿部八段は、結局四間飛車に振って対抗した。これに▲3七銀から▲2六銀と棒銀に出て、良く見られる定跡形となったが、△6五歩に▲7七桂と歩を取りに行き難しい戦いが始まった。
そして終盤に入り、△5六歩に今▲3三歩△2二飛と進んだところ。飛車は押さえ込んだが、依然△3六歩が残っている為この筋を受けなければならない。先手の次の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問152-2)
難しい終盤戦が続いていたが、▲4六銀から▲7三歩と叩いた手が悪く、先手が形勢を損ねた。それでも一枚金をはがし、△4六歩と銀を取った手に対し、▲6一馬と入ったところ。
ここで後手阿部八段の指した一手は?ここでは先手の次の狙いを見破る必要がある。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問152-1解答)「垂らしの歩を払いながら銀を中央に使う用意」
ここで先手の川上六段は▲5六金と歩を払った。金が守りからは離れるが、5六の歩を払い、同時に△3六歩には▲4六銀を用意している。
実戦は以下△5四銀とこれも駒を中央へ使う好手で、まだ難しい戦いが続くかと思われたが、▲4六銀と追われてもいない銀を繰り出したのがやや疑問で、△4五歩とかえって急がされることになってしまった。



(問152-2解答)「攻め筋を見破り手堅く受ける」
ここでの先手の狙いは▲7四桂又は▲8三馬からの即詰み。二つの筋はあるが重複しているので、いずれも7二の地点を受ければ受かる。
但し、先手玉に迫るには△7七金が一番早く金は手持ちにしておきたいところ。そこで感想戦では△4二飛も話されていたが、実戦、△7一金に▲5二馬と逃げるしかないのであればこれが一番手堅いのかもしれない。

金を手放した為、多少先手玉は遠くなったが、△4七歩成から△3八歩と止める手まで間に合い、最後は先手からの王手ラッシュを凌いで勝ち切った。


先週の問題へ/来週の問題へ

ホームへ戻る/受けの手筋表紙へ