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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年6月8日出題)

第202問(2009年6月7日北浜七段-中川七段戦)
(問202-1)
先手北浜七段の▲2六歩、後手中川七段の△8四歩から相掛かり系統の将棋に進んだが、すぐに定跡から外れ手将棋となった。
その後、後手の中川七段が先攻、先手玉に襲いかかって先手は▲7五銀と飛車に当てて先手の攻めを凌ぎにかかったところ。ここで後手はどのように指したら良いか。実戦で指された手は最善とは言えなかったようだが、感想戦で話された手と合わせどうすれば良いかを考えて欲しい。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問202-2)
後手の見落としもあり攻めを完全に受け切った先手の北浜七段。すでに必勝局面となっているが、それをさらに確実にする一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問202-1解答)「飛車の取らせ方を考える」
飛車を切って△7七歩や△5七桂成など踏み込む手も見えるが、この攻めは常に▲8一飛と王手で8五(桂)や8六、8七の駒を取られる筋を見られる。そこで同じ飛車を取られるのでも、▲8二馬から▲7一馬と馬で取らせることで、▲8一飛と王手で攻め駒を抜かれる筋を防ぐと言うのが一つの考え方。但し、本譜は、△5七桂成〜△6七成桂に▲6一飛とここから打つ手があり、またこの筋を見落としていたとのことで、後手の攻めが切れてしまった。また、8一、6一の筋があるのなら飛車は横に逃げておくべきだったとの感想もある。
もっとも▲6一飛さえなければ(たとえば5二に銀がいるような場合)、このように二手かけさせ馬で取らせる手筋と言うものも有効になるので覚えておきたい。



(問202-2解答)「龍を近づけない一段歩」
ここで▲6九歩と一段目に歩を打ったのが手堅い一手。1九の香は取られてもたいしたことはないが、9一の香を龍で取られるのは△9七金などがあり、玉の近くだけに逆転の味を残すことになり気持ち悪い。そこで自分の龍の利きに歩を打ち相手の龍を回らせないようにした。これで先手玉は鉄壁。

本譜は入玉することも可能ではあるが、先手の北浜七段は、▲2四歩〜▲5四歩と味を付け、固い後手玉を真っ正面から寄せに行き、最後は龍切りから即詰みに討ち取った。


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