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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年11月2日出題)

第222問(2009年11月1日郷田九段-北浜七段戦)
(問222-1)
先手郷田九段、後手北浜七段で、(△8五飛ではない)横歩取り△3三角戦法となった。お互いが飛角を細かく使った後、後手の北浜七段が左銀を繰り出し、それに反発する形で戦闘が始まった。
そして今、▲1六に打った桂を味良く▲2四桂と跳ね出したところ。ここで後手北浜七段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問222-2)
終盤、どちらが優勢か難しい局面で、後手は△4八とから△6九銀と鋭い寄せを披露。事前に△7五歩を叩いた効果もあって、この局面は△3六桂からの詰めろとなっている。ここで先手郷田九段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問222-1解答)「要(かなめ)の金は逃げるのが基本」
この問題は初心者向け。攻める時は玉の側の金を攻めるのが基本だが、受ける時はその逆で玉の側の金を取られないようにする。特に、金銀が二枚以上いて、すぐ取り返せる時は、逃げずに一手を攻めに使うことも良くあるが、この局面のように、▲3二桂成と金を取った手に対し△同玉と玉でしか取れない場合は、まずかわすことを考えたい。
本譜はこの後、▲3四歩と突き出した手に対し、△4八とから△6九銀と鋭い寄せを見て難解な終盤戦になった。



(問222-2解答)「大駒は近づけて受けよ」

表題の格言通りの局面ではないのだが、ここで郷田九段の指した▲4六歩がこの場合の受けの好手。問題図より何もしないと、△3六桂で簡単に詰んでしまうが、たとえば▲3六銀のようにこの桂だけを受けても△2八角成と成ったり、△5八金から△7八銀成と金を補給する手などがあって受けになっていない。
そこで▲4六歩と玉頭の歩を突いたのが軽い受けの一手。△同角と角で取らせればそれだけで先手玉の詰めろが消える為、▲3三歩成など攻めることが出来る。
但し、玉頭の歩を上げるのは部分的には危険な意味もある。受けとして成立しないことも多いため、その局面局面で良く読みを入れたい。

実戦も、この開いた空間を狙って△5五桂と打ち、一時は先手が負けになったかと思える局面もあったが、勘違い?もあり、後手の攻めを余した先手が最後は即詰みに討ち取った。


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