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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年11月30日出題)

第226問(2009年11月29日藤井九段-近藤六段戦)
(問226-1)
先手藤井九段、後手近藤六段で、相振り飛車の戦型へと進んだ。そして、序盤から△3六歩の拠点を作らせる工夫の駒組みから端攻めで藤井九段が先攻。下図は、▲9五香と歩を取りながら香を走ったところ。ここではどのように受けるべきか。実戦でも頻繁に出てくる形なので取り上げたが、ここでの手筋の受けとは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問226-2)
端攻めから玉頭攻めが厳しく、優位に立った藤井九段だったが、頑強な受けにあい、さらに受けにも疑問手が出て形勢は急激に接近した。図は今△9九角と両飛車取りに角を打たれたところ。いろいろな手段が考えられるところだが、もっとも味良い次の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問226-1解答)「歩打ちの場所をなくす受け、なくす攻め」
このような端攻めは良く実戦でも生ずるが、ここでの手筋の受けは、△9四歩▲同香△9三桂というもの。つまり△9四歩は、単に△9三桂だと▲9四歩と打たれるのでその場所にあらかじめ香を呼び込んでおくという理屈。また、△9三香と香で取るのでは、▲同香成△同桂の後、やはり▲9四歩と打たれてしまう。

なお、最初の局面で、単に△9三桂と歩を取った場合は、▲9四歩と打つと△9二歩で単なる桂得で終わるが、もし▲9二歩△同香としておいて▲9四歩と打てば、9二に歩が受けられないのでより得をすることが出来る。
このような歩打ちの場所をなくす受けや攻めは端攻めにおいて良く出るので覚えておきたい。



(問226-2解答)「相手玉との兼ね合いで両取りを防ぐ」

この両取りは後手玉が薄いため部分的には簡単に受かる。たとえば、単に▲6八飛と回っても▲8一金の一手詰みがあるため龍は取れない。しかし、△6六桂や△6六歩などこの地点に攻めの拠点を築く攻めが考えられ、急所となっている。そこで、「敵の急所は我が急所」ということで、ここに一手詰みをみながら▲6六香と先着するのが味良い一着。そして△6五歩に一気に詰めろをかけ続ける予定だったが・・・。

実戦は錯覚もあり、(感想戦によると)一時は逆転もしていたらしい。しかし、後手も寄せ手順を逃すと、最後は即詰みに討ち取り先手が辛勝した。

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