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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年1月25日出題)

第233問(2010年1月24日糸谷五段-鈴木八段戦)
(問233-1)
後手鈴木八段の四間飛車に先手の糸谷五段は、本家の糸谷流。中盤、後手が積極的に仕掛けたが、うまい反撃にあい、逆に先手が攻勢を取った。
今、▲6五金と7六の金をぶつけたところ。このまま▲6四金△同銀▲同角と単純に銀損になってはそのまま終わってしまう。ここでは、どのように受けたら良いか。鈴木八段の次の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・やさしい



(問233-2)
後手の玉を美濃から引っ張り出し、持ち駒も豊富で先手が勝勢に近い。しかし今△3四桂と逃げ道に打たれ、次に△2六銀(金)からの攻めをみられたところ。ここで受けを誤ると、一気に逆転されることもある。△3四桂に対し指された糸谷五段の一手は?


(難易度・・・超難問



(これより下に解答)

(問233-1解答)「大駒の利きを止める一手」
とにかく金駒一枚損するのは論外なので、そのことを受ける一手だが、△6五金と取る以外には△7五歩と止める手くらいしかない。△6五金と取るのは、平凡に▲同桂と取られ、二枚の桂と角まで存分に通ってきて、とても支えきれない。△7五歩と止めると▲6四金△同銀に▲5四金が見えるが、単純な銀損や角桂をさばかせるよりははるかに良いという訳。
しかし、この後も先手の攻撃が続き、先手優勢なまま終盤に入った。



(問233-2解答)「遠くから角を利かす受け」
ここで糸谷五段の放った▲5九角が決め手とも言える受けの好手。何もしないと△2六銀(金)から3七に打ち込まれてしまうので、▲4五歩と取る手を考えそうだが、やはり△2六銀とこの地点を押さえられるのは大きく、逆転される余地を残す。

本譜はこれ以上先手玉を追撃する手がなく、△6八銀と打って受けの角を攻めたが、この角を取られる間に▲4四成桂から▲3四成桂と押さえの駒を取りきって、先手が勝ちを決めた。


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