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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年6月21日出題)

第254問(2010年6月20日勝又六段-西尾五段戦)
(問254-1)
先手勝又六段の居飛車に後手の西尾五段は早石田。これに序盤から駆け引きがあり、数手で未知の局面へと進んでいった。
下図はその乱戦からの終盤、今▲5三歩と叩いた所だが、局後の感想ではここでは▲5六銀と金を取る手を先に指すべきだったとの話だった。ここで簡単に寄せられない為の後手の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問254-2)
先手が寄せを逃し、最終盤の玉頭戦へともつれ込んでいった下図。玉頭戦では常に自分の玉頭を厚くした方が勝ちやすい。今、△7五金と王手で▲8七玉とさせ、△8五歩とこの地点に駒を打たれないよう、しかも次の取り込みを見た攻防手を放ったところ。ここで指された先手勝又六段の次の一手は?
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問254-1解答)「相手の駒に当てて先手を取る」
先手玉に必死がかかれば別だが、何もしないで▲5二歩成△同金▲5三歩とされるとあっと言う間に寄ってしまう。また、飛車を4二以外の所へ逃げるのは、馬取りになっていない為、▲5六銀と金を取られ、△同銀に5二金と打ち込まれて、△同飛▲同歩成△同金に再度▲5三歩と打たれてやはり寄ってしまう。
ここでは△4二飛と馬に当てながら逃げるのが受けの強手。▲5六銀なら△4三飛と馬を取れるのがその効果で、実戦は▲5二金△同飛▲同歩成△同金となったが、金がない為、▲5三歩には△4三金が成立する。その為、実戦は最後の▲5三歩で▲5六金△4三金と進んだ。


(問254-2解答)「玉頭戦は常に味方の駒を」
ここで▲9五金とこの地点に金を打った手が玉頭戦ならではの好手。△7六角には▲7七玉で、△8六金には▲9八玉、実戦の△8六歩には▲9七玉で堪えている。実戦は歩を取り込んだ後、▲8四歩を消す為△8四香とここでも攻防の手を放ったが、▲9四金打から一気に寄せに出た。

本譜は▲9四金打に対し△7四玉と逃げても▲4四龍があり詰みなので、△同馬と取ったが、▲同金以下ピッタリ後手玉を詰ませ終局となった。
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