将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2010年9月13日出題)

第266問(2010年9月12日 谷川九段-豊島五段戦)
(問266-1)
先手谷川九段、後手豊島五段で戦型は横歩取り△8五飛戦法。これに対し先手の谷川九段が新山崎流の構えを取った為、定跡形のまま開始から10分程度で終盤戦へとなだれ込んだ。未知の局面へ入ってから小考が続き、下の局面は△3八香成に一旦と金で3二の金を取ったところ。現時点は先手の金得だが、△4九飛成▲6八玉△5八金の三手詰を受けなければならない。ここで指された先手谷川九段の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問266-2)
8筋に歩を叩き、金をつり出してから△2九龍と入った手に対し、玉を広くしながら角筋を通す▲6五桂を跳ねたところ。
ここで、△4八桂成▲同金△7七銀という手が攻め筋となるが、すぐに実行して良いものかどうか。ここで指された後手豊島五段の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問266-1解答)「終盤の受けは先手を取る」
ここでは、▲6五桂と逃げ道を開ける手と▲3九歩と歩を打つ手、▲3九金打と金を打つ手のほぼ三択。と言っても▲6五桂のような手は、△4九飛成から金銀をボロボロ取られとても勝てない。▲3九歩は受けとしては考えられるが、△4九成香▲同玉となった局面は先手になっておらず、また攻めの急所である▲3三歩も打てなくしてしまいまずい。という訳でここでは、やむを得ない手ではあるが▲3九金打と先手を取る一手となっている。ただ、△4九成香▲同玉に△2五飛成と成り返られてやや後手有利の状況が続いた。


(問266-2解答)「詰み筋を消す-馬は自陣に」
ここで豊島五段は△6四馬と引いた。この手を指さずに△7七銀と踏み込むのは、▲同角と取られ、△7九龍に▲4二香からの攻めがあり、この香を取ると詰みまであり逆転してしまう(この手順は感想戦で)。
△6四馬▲7五金の交換は、後手玉を安全にすると同時に金の質駒も見て、後手十分な形になった。

本譜は、△6四馬▲7五金の後、△4八桂成から△7七銀を決行。最後は谷川九段のお株を奪う光速の寄せを披露し、先手玉に華麗な必死をかけた。

先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ