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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年11月29日出題)

第277問(2010年11月28日 木村八段-松尾七段戦)
(問277-1)
先手木村八段、後手松尾七段で、戦型は横歩取り△8五飛。途中、先手が▲6六歩と角道を止めたのに対し、△6四歩から△6五歩とここを争点に戦いが始まった。
下図は、後手が角を切って龍を成り込み、今△7六金と角銀取りに金を打ったところ。ここで指された先手木村八段の一手は?大きく損をしないためにはどうすべきか。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問277-2)
先手の攻めは▲6二とから▲5一とで分かりやすいが、後手からの攻めにどのようなものがあるのかが難しい。実戦は▲6二とと取り、これは自然な一手に見えたが、次の△2七歩成が好手だった。この手からずっと詰めろが続いたことを考えると、▲6二とでは受けの手を指さなければならなかったようだが、どうすれば良かったのか?感想戦で一番検討され、難解だった受けの一手は?
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問277-1解答)「基本は駒損しないこと」
△6七金と角を取られながら王手されては終わってしまうが、角を逃げるのも△6六金で銀を取られてしまう。ここでは、▲7六同角と金を取る一手で、△同龍に▲7三歩成も仕方ないところ。3手目も▲7七金などと銀を助けると△7四龍と引かれ、駒割り五分で龍と飛の差があり大差になってしまうからだ。
玉が詰む場合を別にすれば、やはり駒の損得、駒の働きに差を付けられないよう注意して指す必要がある。


(問277-2解答)「有効だった攻防の角」
部分的に▲9六角は見えても、△5九角▲3九玉に△8九龍と逃げられながら急所に入る手が見えるので、ダメと思ってしまいそうだ。
しかし、実際にはその先があった。この角を打っておけば、▲6九歩と角の利きで龍を止める手などもあり、感想戦では長々と検討されたが、はっきりした結論は出ずこれで受け切れていた可能性も高い。

本譜は▲6二とに△2七歩成が好手で、この後は、長手数の詰みを見ながら詰めろが続き、先手玉は最後までその詰めろを外すことが出来なかった。

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