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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年2月28日出題)

第289問(2011年2月27日 丸山九段-三浦八段戦)
(問289-1)
先手丸山九段、後手三浦八段で戦型は横歩取り△3三角戦法。但し、飛車は8四に引き、双方が中住まいという最近ではちょっと珍しい形。そして序盤からお互い角を打ち合う難しい中盤戦へと進んだ。
下図はその中盤の一場面。5五にいた飛車を△5四飛と一つ引き、次に△8八角成▲同金△3四飛の素抜きを狙ったところ。これを防ぐための先手の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問289-2)
終盤に入り、先手優勢で迎えた下図。終盤での考え方として、自玉に一手スキが来ないなら、二手スキをかけて勝ち、相手に一手スキがかけられず、自玉が一手スキになるなら受けて二手以上離さなければならない。この局面は先手が勝ちそうだが、△4六金が来るとうるさそうにも見える。ここで先手丸山九段の指した一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問289-1解答)「例外的な筋悪の受け」
ここで丸山九段の指した一手は▲7七歩。銀が壁になる為、普通は打ってはいけない歩だが、この局面、3四角を助ける手が意外に難しい。元々5六にいた角なのでここへ引くのは完全に手損になり、▲1六角は△1四歩が来る。▲7七歩は部分的には筋悪で、通常なら”考えてはいけない手”だが、ここを収めてしまえば、8五の桂を取る楽しみが残り、また3四の角を最も良い場所に据えておこうという手だった。


(問289-2解答)「一手前に受ける」
この局面、先手玉に一手スキが続きそうにも見えないので、二手スキをかけても勝てそうに思えるが、ここで丸山九段の指した一手は▲6八金と一つ金を寄せて5七の地点を受ける手だった。当然△4六金と入って来るが、さらに▲2五歩と受け、先手玉に詰めろ(一手スキ)がこなくなった瞬間に詰めろをかけた。

実戦は後手も玉の早逃げからチャンスを待ったが、(後手の)持ち駒のない弱点を突くと、最後はきれいな即詰みに討ち取った。
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