将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2011年6月20日出題)

第304問(2011年6月19日 畠山(鎮)七段-森九段戦)
(問304-1)
後手森九段のゴキゲン中飛車に先手の畠山七段が穴熊にし、後手も穴熊を目指した為相穴熊になった。戦いは後手が銀損ながらと金の活用を見込む攻めで踏み込み形勢不明の戦いとなった。
今、▲6五桂と先に居飛車が振り飛車穴熊に食いつこうとしているところ。ここではどのように受けるのが良いか。後手森九段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問304-2)
先手の攻め、後手の受けが延々と続き、その攻めが切れるかどうかというところ。▲7三金に、単に△7二香も考えられるところだったが、森九段は一旦2四にいた馬を△3三馬と引き、受けの応手を聞いた。何もしないで、△7九龍と取られてしまっては終わってしまうので、何か受けるしかないが、どのように受けるのが良いか。先手畠山七段の指した一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問304-1解答)「1.歩の利く筋からは逃げない 2.相手の駒に当てて先手で受ける」
ここで森九段の指した一手は△6四銀。7三の金はどこへ逃げても▲7三歩と一発叩かれるのが痛い。特に相手に歩が一歩しかない場合は、歩切れにする意味で逃げる場合もあるが、このように何歩もあって叩かれる場合は逃げないことが多い。また6四銀以外の手で受ける手がないこともないが、終盤では相手の駒に当てて先手を取るのが良い場合が多い。▲7三桂成には△同金と取り、依然6四の銀が馬に当たっており、結局この馬はこの銀との交換になった。


(問304-2解答)「終盤は攻防の一手を」
今までにも何度も出てきたように、「終盤は攻防の一手を」指したい。ここでは、△7九龍を防ぐためだけなら、5五で止めたり、▲6六歩、▲7七歩などいろいろな受けがある。しかしそれらは受けただけの手であると同時に、6、7筋に歩を打ってしまうと、攻めに使えないというデメリットも生じてしまう。
そこで畠山七段の指した一手は▲6六桂。△7九龍を防ぐと同時に将来▲7四桂と跳ねたり、7四と5四の地点を押さえているという意味もある。

本譜はそれでも攻めが細く、つながっているのか切れているのか難しい局面が続いたが、最後に後手に疑問手が出ると、穴熊の絶対詰まない特性を生かして、一気に後手玉を受けなしに追い込んだ。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ