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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年8月15日出題)

第312問(2011年8月14日 村中六段-三浦八段戦)
(問312-1)
先手村中六段、後手三浦八段で、手順こそ両者工夫の駒組みだったが、結局相矢倉に落ち着いた。そして、△8四銀と出た瞬間に先手が仕掛け、それを後手が受けるという展開になり、今▲5四歩の取り込みに△4五桂と打ったところ。ここで指された先手村中六段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問312-2)
中盤、力の入った攻防が続いているところで、今▲4一銀と手筋の銀を放ったところ。もちろん銀一枚では手にならないが、もう一枚の銀が4七に落ちていることを見越した攻め。後手もこの4七の銀を取られることを想定して次の受けの手を考えなければならない。ここで指された後手三浦八段の次の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問312-1解答)「叩きを未然にかわす飛車浮き」
ここで村中六段の指した一手は▲5六飛と△5七歩の叩きを未然にかわす手。これは、実戦に良く出てくるので級位者の人には知っておいてもらいたい一手であるし、有段者であれば実戦で使いこなしたい一手でもある。
本譜は、これでも△5七歩と垂らし、次の△4七成銀を見て攻め立てた。


(問312-2解答)「離れ駒をなくす場合の受け」
本来、金は下にいた方が利きが多く固いし、この場合は△3一金が銀取りにもなるので、余計に下に引きたくなるが、ここで(△3一金には)▲4七金△同成桂に▲5二銀打とからまれ、その時に4三の金が浮いている為、後手を引いてしまう。そこで実戦は△3三金直と立って金取りをかわした。

本譜はそれでも▲4七金から▲5二銀打だが、今度はタダ取りではない為、ここで手を抜き、△8七金と攻めてきわどい攻防が続いた。そして最終盤、お互いが間接的に玉をにらむ角を打ち、複雑な局面が出現したが、後手の角取りに構わず先手の角を取りに行った手が決め手となり、三浦八段が勝ちを決めた。
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