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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年5月14日出題)

第348問(2012年5月13日 南九段-行方八段戦)
(問348-1)
先手南九段、後手行方八段で戦型は右玉対菊水矢倉。あまり定跡形にない力模様の駒組みから、小競り合いそして盤面全体の戦いへと入っていった。今、先手が6、7筋から攻め込むのは容易でないと、一旦1筋へ飛車を転換、その後△1四に香を打たせたことに満足して▲7九飛と振り戻したところ。ここで指された後手行方八段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問348-2)
先手玉はすでに受ける場所が多すぎ受けきれない状態になっていて後手必勝。ただし王手なのでこの局面は当然王手を防がなければならない。このような局面で最も安全で効率の良い受けとは?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問348-1解答)「戦いの前に陣形整備」
ここで行方八段の指した一手は△2二銀と1三の銀を引いて陣形を整備する手。なんとも渋い一着だが、戦いが始まると1三銀は浮き駒で狙われやすいということからこのように引いて自陣を引き締めた。そして実際、この手は後になって十分利いてきたと言える。

(問348-2解答)「金底の歩岩より固し」
終盤で受ける場合は、安い駒で受けられればそれに越したことはない。という訳で、ここでは△4一歩がピッタリした一手。また、もし3筋が二歩ではなく歩を打てるとしても、このような局面では△3一歩ではなく、△4一歩と打ちたい。と言うのも、やはり玉の空間を広く取りたいからで、▲1三歩と垂らされた時などに3一に駒があるのとないのとでは、詰ますのに一枚違ってくる。

本譜はこの後、一旦▲3九香と受けたが、平凡に△5八金から△5七金とされ以下数手で先手の投了となった。
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