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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年6月18日出題)

第353問(2012年6月17日 深浦九段-門倉四段戦)
(問353-1)
先手深浦九段、後手門倉四段で戦型は居飛車穴熊対三間飛車。但し、後手の門倉四段が、居玉で右銀を6四へ繰り出す趣向を見せた為力戦調の将棋になった。感想戦では、もっと早く仕掛けるべきだったとの話も出たが、その仕掛けを先手が封じ、下図は2筋を破られ後手が忙しい局面。今△3七歩成に▲同銀と進んだ所だが、ここで後手門倉四段の指した次の三手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問353-2)
先手の優勢な局面から途中に見落としがあり、後手にもチャンスが生まれたかと思われたが、その後冷静にまとめ、下図は先手勝勢の最終盤。但し▲3三歩と攻め急ぐのは△8八歩がありやや危険。ここで先手深浦九段の指した受けの一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問353-1解答)「飛車筋を連打で止める」
問題図で指された手は△2七歩▲同飛△2六歩の連打。飛車筋を止める時に良く使われる手筋で、特に忙しい局面では常用の手筋でもある。但し、歩がなくなる時は連打しない事も多く、この局面でも本来は節約したいのだが、それ以上に▲8六歩と守られる手もあると言うことで、仕方なしの連打となった。

(問353-2解答)「敵の打ちたい所へ打て」
深浦九段の指した▲8八歩が「敵の打ちたい所へ打て」の格言を地でいく先受けの好手。これで△8八歩を防ぐと同時に△7九角成の詰めろも防いでいる。さらにこの局面では△7九角成と成り込む位の手しかないが、▲3九飛が痛打。

本譜は▲3九飛に△7八銀▲同銀△同馬▲3二飛成となり、最後は華麗な詰み手順で後手玉を即詰みに討ち取った。
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