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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年11月26日出題)

第376問(2012年11月25日 阿久津七段-森内名人戦)
(問376-1)
先手阿久津七段、後手森内名人で戦型は相矢倉。但し、後手が注文を付けた無理矢理矢倉であった為、先手の阿久津七段は囲いより攻めの態勢を優先、十分な仕掛けを得ることに成功した。しかしその後、追い過ぎたことも原因になり終盤はどちらが勝っているか分からない混戦となっていった。そして下図、今▲5二のと金を▲5三とと引いて龍で王手したところ。ここで指された後手森内名人の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問376-2)
先手の攻めを凌ぎ逆転、今度は後手が反撃に出て△4九銀と金にかけたところ。▲8一金は詰めろでない為△5八銀成で簡単に負け。そこでこの金取りをどうするか。先手阿久津七段の指した次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問376-1解答)「角筋に龍を呼び込む中合いの歩」
ここで森内名人の指した一手は△4二歩の中合い。この歩の意味は、▲同龍と龍をこの位置に来させることで、△8三玉と逃げた時に、▲6三とを消していること(△4二角と抜かれてしまう)。もちろん▲4二同龍以外の手で迫られる手段がある時は疑問手になってしまうが、このように龍を使う以外に手がない時は、呼び込んでおく手は好手になる。▲4二龍△8三玉で凌ぎの道筋が見えてきた。

(問376-2解答)「遊び駒の活用」
▲4八金など金をかわして受けられれば良いが、かわせるようなら相手も銀を掛けたりはしてこない(但し、級位者の場合は、かわせることも多いのでしっかり読みを入れたい)。本譜はすでに苦しいが、ここで阿久津七段の指した一手は▲6七銀引。もっとも使われていない▲5六の銀を引いて金を守り最後の勝負にかけた。

本譜はこの後、△8九と▲6九玉に△4六桂が詰めろ。さらに▲5九銀の受けに△8五桂も詰めろと常に詰めろで迫られ最後は受けがなくなり、先手玉は即詰みに討ち取られてしまった。
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