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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年3月4日出題)

第389問(2013年3月3日 鈴木大介八段-渡辺竜王戦)
(問389-1)
先手鈴木大介八段、後手渡辺竜王で戦型は先手の四間飛車に後手居飛車穴熊。お互い十分に囲い合い、さらに先手が理想形を目指した瞬間後手が仕掛けて戦いが始まった。この仕掛けが機敏で今下図まで進んだところ。次に△8六角と出られては先手敗勢になるとなれば次の一手は当然の着手となる。ここで指された先手鈴木八段の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問389-2)
局面は終盤、仕掛けが成功し後手優勢のまま下図を迎えており、先手陣はあまり受けようのない形をしている。と言って、▲5二とと攻め合うのも穴熊が固くてとても間に合わない。ここで指された先手鈴木八段の一手は?悪いながらももし正確に指さなければ逆転するかもというプレッシャーを与える一着。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問389-1解答)「飛車を押さえ込む香打ち」
次に△8六角から飛車をさばかれてはとても勝てない。という訳で、ここは▲8五香とここを受ける一手。本来、香を使ってしまうのは辛いのだが、仕方ないと同時に、将来8一の桂は取れそうなので、それほどためらう理由もなく打てる手でもある。実戦は、△7二飛に▲9六歩から▲6四歩と反撃し、それなりに先手もやれるように見えたが・・・。

(問389-2解答)「と金取りを催促する龍引き」
第1問の時点では、後手の飛角を押さえ込み、まだ大変と思われたが、実際はその後の疑問手もあったと思われ、第2問まで来ると後手必勝になっている。
それでも、▲6七龍とと金取りに引きつけた手はしぶとい一着。△6九龍は▲同龍△同とでと金が離れ、△6九とは▲7八角でと金が消え、もう一頑張りできる。

ただ、本譜の△8八龍が冷静な一手。次に△7五角があるので、▲9三角とこれも手筋の受けを放ったが、△9四角がその上を行く攻めの好打。攻守共に見込みがなくなり、この時点で先手の投了となった。
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