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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年3月11日出題)

第390問(2013年3月10日 郷田棋王-羽生NHK杯選手権者戦)
(問390-1)
先手郷田棋王、後手羽生NHK杯で戦型は後手のゴキゲン中飛車に先手の超速。果敢な仕掛けから、先手が大技を繰り出しペースをつかんだ。今、△3九銀不成と当たっている△3八の銀を逆に当て返して進んだところ。▲4八の金は単純に取られてはいけないので、受ける一手だがどのように受けたら良いか。先手郷田棋王の指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問390-2)
終盤、6三の金を取りながら、▲6三桂成と桂を成ったところ。もちろんどちらかで取るしかないが、どちらで取る方が良いか。後手羽生NHK杯の指した一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問390-1解答)「場合の好手-玉から離れる金」
このような場合、▲5八金右と玉の方に動き、△3七歩成には攻め合いを目指すのが普通だ。しかし、郷田棋王は▲3八金と玉から離れていった。△3七歩成には▲同飛から飛車を交換しても攻め合いで勝てると読んだ意表の一着。
実際、後手も飛車一枚な為、薄い先手玉を寄せるのも大変で、この判断は正しかったようだ。

(問390-2解答)「場合の好手-玉から離れる金 part2」
▲6三桂成には△同銀と形良く取るのが普通だ。しかしこの場合は、▲5三桂成がありこれは一手早く寄ってしまう。そこで実戦は△6三同金。形は悪いのだが、いわゆる場合の手だ。
実戦はこれに、▲5三桂成と筋良く攻め込んだがこれにも△同金と”形”ではなく”読み”で取った。

本譜の最終盤はものすごい局面が生じた。先手玉が詰むや詰まざるやになったのだが、その詰み手順が難解。これをきっちり詰め切り後手の羽生NHK杯が勝利、決勝戦へ駒を進めた。(その最終盤は「今週の実戦の詰み」へ)
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