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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年4月22日出題)

第394問(2013年4月21日 堀口(弘)七段-永瀬五段戦)
(問394-1)
先手堀口七段、後手永瀬五段で戦型は角換わり腰掛け銀。中盤、角換わり特有の双方仕掛けを伺う細かいやりとりが行われたが、△3五歩▲同歩△2四銀と仕掛けたのは後手の永瀬五段だった。
下図は、▲4四歩の取り込みに△4二金引と引いた局面。▲4四歩の取り込みは大きいが、3七の桂取りが残っていて先手はこれをどう処理するかというところ。ここで指された先手堀口七段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問394-2)
最終盤、すでに後手の勝勢になっている局面。今△7六香と銀を取りながら走った手に対し▲7七歩と受けるのではじり貧と見て▲1二歩と最後の勝負手を放ったところ。ここでは勝ちが一つしかないという訳ではないが、ここで後手永瀬五段の指した手は?三手先まで考えて欲しい。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問394-1解答)「銀のさばきを押さえる」
駒は取られる瞬間にさばきたいので、▲4五桂とか▲2五桂とか跳ねるのが普通だ。しかし、3七の地点が空くといつでも△3七角と打ち込まれて手厚く馬を作られてしまう。
そこで堀口七段の指した一手は▲3八歩。桂を歩で支えて辛抱した。これも普通は▲3三歩の攻めがなくなり疑問になることも多いが、この局面では逆に△3六の銀をさばかせない好手だったのかもしれない。
これに△3三歩と永瀬五段らしい受けの一着に筋良く▲4六飛と浮いた手が(感想戦によると)疑問、先手が形勢を損ねることになった。

(問394-2解答)「要の龍を外す受け」
永瀬五段の指した手は、△2五馬▲1一歩成△6一馬と桂から龍を抜く手順だった。普通は、玉の側の香を叩かれた時は取るのが基本。この局面でも△1二同香と進めても悪いとは思えないが、△2五馬と桂を外した手が6一の龍に当たる決め手となり、これを取ることで勝勢を勝ちに結びつけている。

本譜は、6一の龍を取った事で後手玉は安泰。△7八香成から△6六桂と二手スキ〜詰めろと攻め、最後は先手玉を即詰みに討ち取った。
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