将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2013年4月29日出題)

第395問(2013年4月28日 森九段-畠山(鎮)七段戦)
(問395-1)
先手森九段、後手畠山七段で戦型は先手の角交換向かい飛車(後手から角交換)。中盤、お互い美濃囲いの状態で、▲8五桂と居飛車の歩を払う筋で戦いが始まった。これに△8四飛と一つ引いた手が工夫で、下図は△7四飛から今△7六飛と走ったところ。9四に桂がいるのは先手も工夫して▲8六飛と浮いた手に対する一着。ここで先手森九段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問395-2)
先手の端攻めが成功し、下図は先手優勢。後手は▲4四角成と馬を作られ、さらに▲1四歩が残っている為忙しい。しかし現時点は▲1一飛の一手詰がありこれを受けなければならない。後手畠山七段の指した一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問395-1解答)「後手でもさばきを封じる手」
銀とかがあれば7七へ打つ手も考えるが、持ち駒が角と歩しかないので▲7七歩△8六飛▲同飛△同桂と進むのはやむを得ないかと思っていた。ところがここで森九段の指した一手は▲7七角。飛車取りの先手にはならないが、△8六飛を消し、また△8八歩など飛車成りの狙いも同時に消している。手番は後手になるものの飛車のさばきを封じ、▲4四角の飛び出しも見て渋い一着だった。

(問395-2解答)「先手で陣形を強化する」
▲1一飛を受ける手はいろいろあるが、先手を取らないと、▲1四歩が激痛だ。そこで畠山七段の指した一手は△2二角。▲同馬なら自動的に玉を右辺方面に逃げ、▲1四歩からの攻めを甘くしようとした一手。実戦は、▲3四馬と逃げ、△4三金▲4五馬△5四金▲4六馬△4三香▲3六馬ととにかく馬に当てながら少しでも陣形を整備しようとした。しかし、▲1四歩は依然残り、しかもこの手は厳しかった。

本譜は、△9九の龍を切り、先手玉にあと一歩の所まで迫ったが、最後は必死をかけられ、森九段が一回戦を突破した。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ