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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年6月24日出題)

第403問(2013年6月23日 金井五段-井上九段戦)
(問403-1)
先手金井五段、後手井上九段で戦型は相矢倉。ガップリ四つの駒組みから、先手銀損定跡と言われる手順で、先手の攻め後手の受けという形で進行した。
下図は▲6八にいた角を切り、今▲4四桂と急所に桂を打ったところ。ここで後手井上九段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問403-2)
後手の厳しい反撃に耐えられるかどうかと言うところ。8二の飛車取りにもなっているし、一手すけば▲3六桂も厳しい。今△5七角と打たれた所だが、ここで先手金井五段の指した一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問403-1解答)「遊び駒を受けに活用」
△3二の金は逃げられれば良いが、動くと▲1三銀もあり詰んでしまう。と言ってこのまま▲4一銀と掛けられても負けだ。そこで、一旦△3四銀と歩を払いながら遊んでいる銀を活用したのがこの一手とも言える受けの筋。
これに対し、先手は▲1三歩成△同歩▲同香成から▲3二桂成と龍を作る形で攻め込んで行った。


(問403-2解答)「敵駒に当てる受け」
△6六角成を防ぐ為、▲7七金打と打つのは普通だが、(8二の飛車取りにはなっているものの)特に横からの攻めをせかしている訳ではない。ここで金井五段の指した一路の違いである▲6七金打と打った手が受けの強手だった。△7八成銀▲同玉となった局面は飛車取りと5七の角取りが残し後手は相当忙しい局面になっている。

本譜はこの後△6八金から攻めたが、駒を蓄えた先手が、後手の王手が途切れた瞬間、豊富な持ち駒で後手玉を即詰みに討ち取った。
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