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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年2月3日出題)

第435問(2014年2月2日 森内竜王・名人-郷田九段戦)
(問435-1)
先手森内竜王・名人、後手郷田九段で戦型は相矢倉。但し、先手が早囲いを目指し、後手がそれをとがめに行く力戦調の将棋になった。そして中盤、二枚の銀交換からさらに角の取り合い、大駒の取り合いと華々しい戦いが繰り広げられ、形勢混沌のまま終盤戦へ突入。
下図は今△2九にいた馬を△4七馬と引いたところ。先手が攻めるには、部分的には▲3四銀成が筋で非常に厳しいが、ここでは△5六馬があり出来ない。そこで先手の指した受けの一手とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問435-2)
終盤、際どいながらも少しずつ後手が残せそうな局面になっていった。それでも今、▲6二歩と飛車の横利きを止められ、次に▲3一馬からの詰みを見られている。
ここで後手郷田九段の指した一手は?将棋では、相手の玉が詰まないのであれば、むやみに王手せず受けに回った方が良いことが多い。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問435-1解答)「大駒の利きを止める先受けの歩」
▲3四銀成は△5六馬、▲2五銀は△2八飛と王手で攻め駒を取られてしまう。そこで、馬の利きを止めながら、△2八飛にも先受けする▲5八歩が森内竜王・名人の指した一手だった。部分的には良くある味良い一着。但し、ここで受けに回って後手を引くのでは辛い一着とも言える。

(問435-2解答)「玉の早逃げ八手の得」
頻繁に出題する早逃げがここでも正解。3一香を惜しんで、ここで受けようとすると受けきれなくなる可能性がある。このような時は、多少駒損しても上部へ出てしまうのが分かりやすい。ただ実際は、それでも難解だった。

本譜最終盤は、お互いの玉が詰むや詰まざるやになり、最後、郷田九段の放った「詰ましに来い」というせかしの歩に、踏み込んでいった森内竜王・名人だったが、打ち歩詰に凌がれ後手玉に詰みはなかった。
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