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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年2月10日出題)

第436問(2014年2月9日 丸山九段-三浦九段戦)
(問436-1)
先手丸山九段、後手三浦九段で戦型は横歩取り△3三角戦法。先手が▲3四飛のまま駒組みを進めた為、後手も△7六飛と横歩を取る珍しい形となった。
そして中盤、飛車交換から一気に終盤戦へ突入。どちらが読み勝っているか難しい戦いになったが、少しずつ先手の丸山九段の方が良さそうなまま最終盤へと入っていった。
下図は今△2七にあったと金を払ったところ。駒割りこそ後手の桂得だが、陣形が弱く、このまま攻め合っても勝てそうもない。そこで後手三浦八段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問436-2)
先手はと金を作り、▲4一とと言う分かりやすい攻めが待っている。しかし、後手も△5五歩から中央の薄い所を攻めて来ようとしていて、一手争いになりそうな感じだ。
ここで先手丸山九段の指した一手は?▲4一とで勝ちなら分かりやすいが、そう簡単ではない。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問436-1解答)「壁を一部でも解消する」
ここで三浦八段の指した一手は△6二金。このような局面は反対側だが二枚落ちの上手に良く出てくる。その場合(ここでも)△7一銀〜△6二銀〜△5三銀と解消出来ればそれ以上のことはない。
ただ、ここではさすがにその暇はない。そこで一手でも△6二金と寄って逃げ道を広げたのが本譜。解説の木村八段が、是非覚えて欲しいと言っていた手筋で、これにより先手からの攻めを相当遅らせることが出来る。

(問436-2解答)「攻める前の自陣強化」
ここで▲3八銀と引いて馬に当てた手がそつのない一着だった。▲4一とでは△同金▲同龍のあと△2七馬と銀を取られながら好位置に動かれてしまう。香は取られるものの、△1九馬と動かせればその筋はなくなる。

本譜は、先手玉も相当危ない所まで追い詰められたが、最後は銀頭に香を打つ華麗な手筋で後手玉をきれいに寄せ切ることに成功した。
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