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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年8月4日出題)

第460問(2014年8月3日 香川女流王将-熊坂五段戦)
(問460-1)
先手香川女流王将、後手熊坂五段で戦型は先手の三間飛車対左美濃。居飛車が中央に位を取った手に反発し、▲6五歩から▲5六歩と仕掛けて戦いが始まった。
下図はその直後、今▲5六銀に△5七歩と叩いたところ。本来なら叩かずに△6六銀と出たい所だが、それはかわされてまずいと見た手筋の一着。ここで先手はどう対応するか。先手香川女流王将の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問460-2)
中盤から終盤にかけ先手が猛攻し、今▲6一飛と打ち下ろしたところ。この手は、金取りであると同時に、▲4三銀成や▲4一飛成△同銀▲2三金からの寄せなど様々な筋を見ている。そうした筋が大丈夫と見るなら(△6三の)金を助けるし、寄せ切られてしまうなら、金を助けている暇はないと読む。ここで指された後手熊坂五段の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問460-1解答)「序盤ほど拠点を残さない」
歩の叩きには様々な応手がありその局面ごとに違う。従って、一つ一つ考えなければならないが、大きな考え方として、序盤であればあるほど歩の拠点は残さない、歩の得も大きいと考えたので良い。
ここでも、たとえば△6六銀と出て、それから叩かれた場合は、逃げるしかないが、まだ5筋で銀がぶつかった状態での△5七歩に逃げるのは、銀交換後の打ち込みや、逃げられた後でも大きな利かしとして残ってしまうことが多い。

本譜は、▲5七同金と歩を払い、以下△6六銀▲同金△同歩▲7四歩から▲6六角と大きくさばいて、先手のやれそうな局面で進んだ。

(問460-2解答)「攻め駒を攻める」
ここで後手熊坂五段の指した一手は△1二角。金取りや攻め筋を単に受けるだけでは辛いと見ての一着。つまり(△1二角は)▲4一飛成からの攻めを受けつつ、金を取られても銀を取り返すという手だ。ちょっと変わった筋に見えるが、受け将棋の人ならアマ有段者でも打ちそうな手で、(たとえば△5二角のように)単に受けるだけの手に比べ、強い受けと言える。
感想戦では、これに▲4五角と打つ変化が調べられ、それも有力そうだったが、実戦は▲4三銀成から切り込んだ。

本譜は最後、先手がうまく詰めろを掛けられれば勝ちという局面になったが、それが出来ず、結局最終盤は、詰むや詰まざるやの際どい勝負となり、後手玉は詰まず後手の勝利となった。
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