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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年8月25日出題)

第463問(2014年8月24日 屋敷九段-山崎八段戦)
(問463-1)
先手屋敷九段、後手山崎八段で戦型は横歩取り△3三角戦法。後手の山崎八段が、電王戦で有名になった△6二玉を指したが、屋敷九段はその局面では踏み込まず駒組みを続けた。そして仕掛けは後手から。その後手に最強の手で応対すると一気に険しい終盤戦へ突入した。
下図は、今8六で飛車の交換が行われたところ。ここで後手の山崎八段はどのように指したか?当然△3二金を何とかしなければいけない局面だ。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問463-2)
上図から数手、今△1八歩と打たれたところ。部分的にこの歩の攻めは受けようがない。なので▲2三歩成から一直線の攻め合いになるかと思いきや、ここで屋敷九段はなかなかの攻防手をひねり出した。その先手三手一組の手順とは?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問463-1解答)「金は引く手に好手あり」
駒得になるので、△2三金と角を取る手は自然だが、▲同歩成からの攻め合いはまだ先手玉がしっかりしており後手自信のない局面。そこで後手の指した一手は△3一金。「金は引く手に好手あり」の格言通りの一着で、飛車の打ち込み場所がなくなり、今度は先手が工夫しなければならなくなった。


(問463-2解答)「逃げ道を開ける攻防手」
ここで屋敷九段の指した手は▲5五馬と一つ上がり、△1九歩成に▲6五桂と桂を跳ねる手。▲5五馬だけだとイマイチぴんと来ない一着だが、▲6五桂と跳ねてみればその効果は一目瞭然。先手玉は、▲6八〜▲7七と逃げることが出来、攻めては▲5四馬△同歩▲5三角や▲7四歩が非常に厳しい攻めとなる。

本譜は全てを受け切れないと見て、△6五角と角を切り、△2九と〜△2六桂の攻めに命運をかけた。そして、実際その速度計算は正しく、後手優勢の局面が終盤まで続いたが、やや攻守にちぐはぐな面があり逆転。最後は先手の屋敷九段が、後手玉をきれいに寄せ切ることに成功した。
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