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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年9月1日出題)

第464問(2014年8月31日 大石六段-稲葉七段戦)
(問464-1)
先手大石六段、後手稲葉七段で戦型は相掛かり戦。序盤から後手が早い動きを見せ、7筋の歩をかすめ取りやや駒組み勝ちかと思われた。しかし後手の攻めを、バラバラな金二枚で受け止めると、逆に先手が優勢になった。
そして下図、まだ後手陣もしっかりしているように見えるが、それ以上に先手陣に手の付けようがなく、先手優勢。ここで何とか差を詰めたい後手はどう指したか?先手からの飛車打ちが非常に厳しいのでそれを受けることになる。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問464-2)
△6六角と飛び出し、次に△4八金がある。もちろんこれを打たれては先手負けなので、ここは何か受ける一手。どのように受けるのが良いか。受けと言っても、常に盤面全体を見てその応手を決めることになる。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問464-1解答)「先受けの底歩」
何もしないで、一段目に飛車を打たれる手は非常に厳しい。△5一桂を守る為に手駒を使ってしまうのでは相手陣に手が付けられないし、▲5一飛成△2二玉では攻め合い負けになってしまうからだ。そこで稲葉七段の指した手は△6一歩。飛車打ちに対し、△5二銀と盤上の駒で受けようとした。

ただ、そうは言っても▲7二歩成からのと金攻めが見えているだけに後手は非常に忙しい。実戦は、▲7二のと金が動き出す前に先手陣を攻略しようと動いて、次の2問目となった。


(問464-2解答)「当てない方が良い場合」
終盤での受けは、大駒に当てて先手を取った方が良い場合が多い。ここでも▲5七金など当てて受ける手も考えられる所ではあるが、切られて猛攻される心配は残る。
先手からの攻めは、▲6一と〜▲5一とで確実な攻めが残っている。このような場合は、無理して当てる必要はなく、むしろ当てない方が良いということ。

本譜は△4五歩〜△6五桂と何とかアヤを付けようとしたが、先手に丁寧に面倒を見られ差は縮まらず、最後は大石六段が、寄せ方の見本のような挟撃形を作り後手玉を寄せ切った。
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