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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年12月22日出題)

第480問(2014年12月21日 橋本八段-畠山七段戦)
(問480-1)
先手橋本八段、後手畠山七段で戦型は先手の中飛車に後手の居飛車。途中、先手から角を交換し、いわゆる角交換振り飛車に居飛車がどのような駒組みをするかという進行になった。
その居飛車の駒組み。工夫を凝らしたがそれでも先手が中央から早めに動き、戦いは始まった。その総交換が行われた所が下図。飛角交換で、先手が桂得を果たしている。今、△6九飛と打ち込まれた所だが、ここで指された先手橋本八段の指した一手は何か?△3九銀と打たれても詰むわけではないが、こういう所にくさびを打ち込まれて良いわけはない。この手を防ぐ効率良い受けとは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問480-2)
駒割りはまだ桂得くらいだが、持ち駒の数が違いすぎて先手優勢。とは言え、玉の近くに張り付かれているので、対応を間違えると逆転してしまう。ここで指された先手橋本八段の指した三手一組の手順とは?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問480-1解答)「終盤に放つ攻防の角」
ここで良く出題する「攻防の角」がここでも正解。△3九銀を受けるなら、▲5九歩も「金底の歩」なので筋であるし、▲4九銀打と埋めておくのも堅い。しかし、やはり終盤は攻防手を打ちたいし、効率の面ではこちらが上だろう。

本譜は単に香を拾うくらいかと思ったが、畠山七段は△4九銀から先手玉を薄くして勝負しようとした。しかし結果としては、先手の駒台に駒が増えていっただけで、なかなか効果的な攻めにはならなかった。


(問480-2解答)「異筋の打ち場所」
問題図の局面でもすぐに先手玉に何かあるわけではないが、受けるなら▲3八銀と美濃にするのが普通だ。ところが実戦、橋本八段は▲3六銀と上から龍取りに打った。つまり、▲3八銀だと玉はしっかりするものの△4五龍と引かれて龍が軽い。これなら△4六龍と一つ引くよりなく、龍が狭いという訳。そして△4六龍に▲4七歩も継続の読み筋。△同金と角取りを解除させておいて▲2五桂から攻めに出た。

本譜は▲6五の桂が金に替わり、さらに歩で金を取ったこともあり先手が大きな駒得となった。そして、最後の△3六桂からの美濃に対する攻めもしっかりと受けきり、先手の完勝譜が出来上がった。
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