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NHK杯に見る受けの手筋

(2017年1月30日出題)

第583問(2017年1月29日 広瀬八段-永瀬六段戦)
(問583-1)
先手広瀬八段、後手永瀬六段で戦形は横歩取り。両者中住まいから先手が▲3六歩と飛車の横利きを止めた瞬間に、後手が動き、飛車切りから角打ちと一気に激しい流れへと進んだ。
下図は△2四歩に▲同飛!と一手で取られる形に飛び込んだところ。もちろん何の代償もなく飛車を取られては終わってしまうが、ここではこの一手という返し技がある。ここで指された先手広瀬八段の次の一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問583-2)
どちらの攻めが早いかという一手争いの終盤戦になった。下図は▲2四桂△3一金にちょっと筋は悪いが▲3二香と直接金頭に打ち込んだところ。この手は△4一金なら▲2二飛、△4二金なら▲3一香成から▲3二桂成を見ている。そこでどう指すか?どのように応対したら一番先手の攻めを遅らせることができるのかという問題。ここから指された次の三手を問う。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問583-1解答)「邪魔駒を消す歩の成り捨て」
ここは▲3三歩成がこの一手とも言うべき一着。角で取れば飛車が横に逃げられ、他の駒で取れば飛角交換に持ち込める。また、△2四香と飛車を取ってくれば▲3二とと金を取りこれは▲4二飛を見て先手必勝だ。

この▲3三歩成に本譜は△同銀。以下▲4四飛△同銀▲8一歩成で難しい終盤戦に突入した。

(問583-2解答)「飛車の利きをそらす駒の活用」
△4二金▲3一香成△3六桂はどうかという攻め合いも考えてしまうが、永瀬六段はそれよりさらに一手稼げる手段を用意していた。それが△4一金で、▲2二飛に△3三銀とこの銀を使って飛車の利きをそらそうと言うもの。以下▲2一飛成に△3六桂と打って後手は一手勝ちを目指した。

本譜はどうも後手の方が一手早そうだったが、先手も粘ってものすごい終盤戦が繰り広げられた。それでもその一手差がなかなか詰まらず、さらに後手は中段へ逃げ出した玉を丁寧にケアし、最後は蓄えた駒で先手玉を即詰みに、後手永瀬六段の勝利となった。

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