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NHK杯に見る受けの手筋

(2017年4月24日出題)

第595問(2017年4月23日 桐山九段-飯島七段戦)
(問595-1)
先手桐山九段、後手飯島七段で戦形は横歩取りの出だしから飛車を引いて相掛かりとなった。その後、後手が中央の位を取ったのに対し、先手は右銀を繰り出して対抗。戦いは、後手が△4五歩を突いて始まった。
そして下図、今△7五歩と7筋の歩を突いたところ。▲同歩が悪い訳ではないが、多くの場合7筋の歩を切らされるだけでも攻めに幅が出て、大きな利かされと言える。そこで先手の桐山九段はどうしたか?先手の指した次の一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問595-2)
後手の攻めの間隙を縫って、先手もと金を作り反撃、攻勢に立ったかと思われたが、やや急ぎ過ぎた為反動が厳しかった。下図は、後手優勢で進んでいる終盤戦。今▲4一角とかけたところで、これは▲3二龍からの詰めろになっている。そこでどのように受けるのが良いか。二通りの正解がある所だが、実戦で指された後手飯島七段の手は。それは三手一組の手順になる。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問595-1解答)「取られそうな歩を突き出す」
ここで▲6四歩とこの歩を突きだしたのがいかにも手筋と言った感じの突き出しだ。△6五銀などと歩を補充されながら出てこられるのを防ぎ、何かの時には大きな拠点にもなっている。こうした歩は、いろいろな場面に出てくる手筋とも言える。

本譜は△5三銀と上がってこの歩を狙いに行ったが、その瞬間に▲4五銀とぶつけて難解な終盤戦へ突入した。

(問595-2解答)「かわす受け方と一枚埋める受け方」
▲4一角に対し単に△3三金とかわしておく手もある。ただちょっと薄いので、良く攻め筋を読んで読み抜けのないようにしないといけない。それに対し、本譜は△8七銀成と金を取り、△同銀に△3一金打ちと一枚投入して受けた。こちらの方がしっかりした受けで、必ず角金交換になるが、相手にもまた受ける余地を与える。その時々でどの駒が持ち駒にあったら良いか、自陣は大丈夫かなどどちらの方が良いかを考える必要があるだろう。

本譜は、先手も▲7八歩と受け、まだまだ難しい終盤戦が続きそうだったが、△2二角から△3一金と龍を捕獲する手が回ると後手が再び優勢に。最後は駒をもらうと先手玉を即詰みに討ち取り、後手飯島七段の勝利となった。

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