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NHK杯に見る受けの手筋

(2017年8月28日出題)

第613問(2017年8月27日 阿部健治郎七段-稲葉八段戦)
(問613-1)
先手阿部七段、後手稲葉八段で戦型は角換わり。居玉のまま双方が銀を繰り出す早繰り銀で、最新研究の戦いとなった。その超急戦の仕掛けから、後手が自陣角を打ち、この角筋をめぐる戦いに。さらに自玉にも手を入れ、長い戦いとなった。
その中で、少しずつ先手の攻めが急所に入るようになり、有利に。下図は93手目の終盤戦の局面で、角銀交換ながら龍を作り、先手有利。ただここで簡単に終わらないのがプロの将棋だ。ここではどのように受けたら良いか?後手稲葉八段の指した次の一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問613-2)
難解な終盤戦は続いていたが、そこを凌いで抜け出したのは後手だった。下図は、歩頭に動いた奇手▲7六銀に△8七歩と玉頭を叩き、その受けの勝負手を不発に終わらせたところ。後手玉は詰めろでこそないが、駒を渡せば詰むので、攻めるなら先手に駒を渡さずに詰めろをかける必要がある。そこでここで指された後手の次の一手は何か?稲葉八段の指した手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問613-1解答)「龍に当てて飛車取りと自陣への寄せを受ける」
飛車をタダで取られるのは論外だが、かといって単に飛車を逃げるのでは、▲3二でも▲4二でも銀を打たれるととてももたない。また、△5三飛と龍に当てるのは考えられるが、▲4一龍で常に先手で攻められる(△2一角も▲4一龍で次に▲4二銀)。そこで△3二角と龍に当てて、飛車を守りながら自陣の強化を図ったのが実戦。▲5四龍△同角▲5二飛には△3二角と引いて頑張る読みだ。

本譜は▲4八龍と自陣に引き上げたが、これがどうだったか。△4六歩と龍を止められ一気に分からなくなった。そしてこの後も難解な終盤戦が延々続いていく。


(問613-2解答)「攻めの中心の駒に当てて受ける」
何もしないと▲3四飛からすぐに必死がかかる。と言って△8七角成と切ってから詰めろをかけると逆に詰められてしまう。そこで△4三銀と受けに回ったのが実戦。特に△3四を守るのに△2三銀ではなく、攻めの中心の駒である▲4四金に当てて△4三銀とこちらから打ったのが強い受けだった。

本譜は、▲6四飛と間接的な王手角取りに打ったが、この瞬間に△8七角成と角を切り、▲同金に△5四歩(▲6四の飛車取り)がこれも次の一手の問題にしたいような軽妙な受け。これで一気に後手優勢、混戦を抜け出し、後手稲葉八段の勝利となった。

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