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NHK杯に見る受けの手筋

(2018年2月12日出題)

第636問(2018年2月11日 斎藤慎太郎七段-山崎八段戦)
(問636-1)
先手斎藤七段、後手山崎八段で、戦型は相居飛車。但し、▲7六歩に二手目△6二銀と上がり、数手後、△7四の歩を飛車で取らせた為、あまり前例のない手将棋となった。その後、先手は棒銀、後手は早繰り銀の形から難しい中盤戦となったが、後手が角筋を使い攻勢をかけた。下図はその終盤。今△5二玉と△4一から早逃げをしたところだが、ここで先手の斎藤七段は冷静な一着で形勢を互角に戻した。ここで指された先手斎藤七段の指した一手は何か?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問636-2)
この将棋の終盤は、形勢が揺れ動く大熱戦となった。下図は今▲4二金と歩を取りながら龍を生かそうとしているところ。▲8二飛はすぐに角で取られる形になっているが、△8二角は▲5二金打とされると詰んでしまう。そこでどうするか?ここではひと目こう指すところと言うべき手順がある。後手山崎八段の指したここからの三手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問636-1解答)「攻めを遅らせる平凡な受け」
▲4四香から攻めたくなるが、△2九馬が次に△3九馬や△3七桂成を見て厳しい。そこで▲3八銀とこの筋を受けたのが実戦。指されてみればなるほどという当然の一着。しかし、受けるだけの手と言うのは、強くなると逆に指しづらく、読みから抜けることが多い。一手受けたことで、相手の攻めが二手も三手も遅くなるのであればその受けは正しい受けであり、この▲3八銀の手から互角の難解な終盤戦が続くことになった。

本譜はこの後、先手にもチャンスが回ったが、狭いところ(▲8二)から飛車で王手した為、後手玉を捕まえづらくなり、そして第2問へと続いていく。

(問636-2解答)「早逃げしながら飛車を取る」
ここでの次の三手は△7一玉▲5二金△8二玉だ。この飛車を取れば、先手玉が相当危なく、実際これが詰めろだった。従って上図より▲6一金に先手玉を詰めればきれいな後手勝ちで終わっていたのだが・・・。

本譜は時間つなぎに打った△7一歩が悪手。この瞬間、今度は先手に攻めのターンが回ったが、先手もこのチャンスを生かし切れず、二転三転したこの将棋は、結局後手山崎八段の勝利で終わった。

なお、最後の即詰みではなく、その少し前の段階での先手玉の詰みを「今日の実戦の詰み」として出題したので、そちらもどうぞ。
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