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NHK杯に見る受けの手筋

(2018年10月22日出題)

第671問(2018年10月21日 深浦九段-今泉四段戦)
(問671-1)
先手深浦九段、後手今泉四段で、戦型は先手の居飛車穴熊対ノーマル四間飛車からの銀冠。中盤は双方細かく動き、仕掛けのチャンスをうかがったが、後手の4筋の位に対し先手から動いた。しかしその反撃が厳しく思ったほどの戦果にはならず、そのまま難解な終盤戦へ突入。下図はお互い馬を作り、今△5五歩と突いたところ。ここで指された先手の次の一手は?何かを受けるという訳ではないが、中終盤では当然こう指したいという一着。
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問671-2)
終盤の入口からねじり合いが続いている。今、▲4六歩と馬を支え、次に▲5四馬から▲3二角を見たところ。ここで指された後手の次の一手は?4五の馬を取ると、▲同桂と取られ金に当たる。そうしたことを踏まえ、ここからの三手はどう進んだか?後手今泉四段の指した次の一手は?三手まで。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問671-1解答)「未然に当たりを避ける-金駒は玉へ」
単に▲5五同歩は馬を消され(飛車を切られ)、後手の馬が遠く△2一にまで利いてきてしまう。そこで▲6七金寄と寄ったのが実戦。△5六歩の取り込みが金に当たるのを避けると同時に、馬に当てながら金を玉の方へ近づけることが出来るので味の良い一着だ。後手もまだ馬を切るわけにはいかない為、△5四馬と好所に引くが、馬を引かせたので▲5五歩と先手で歩を取ることが出来た。

本譜は△5五同銀に▲4五馬と馬をぶつけたが、後手も△4二飛と飛車を活用し、難解な終盤戦が繰り広げられ第2問へ続いている。

(問671-2解答)「自陣には飛車より馬」
形勢判断では飛車と角は同じに見るが、実際には特に初心者には角より飛車の方が使い勝手が良い。だから出来れば飛車は切るべきではないのだが、自陣にいる飛車と馬ということになれば、多くの場合馬の価値の方が高い。
そこで△4五飛と飛車を切り、▲同桂にじっと△6三金寄と逃げておいたのが実戦。終盤では後手になる手はまずいことが多いので、このように後手を引く手はどうしても考えづらいが、この三手一組が好手順だった。

ただ本譜はそれでもまだ難しかった。感想戦ではこの後、▲5九飛から△5八歩〜△6九角にこの飛車を▲5五飛と切って行ったが、それが疑問で後手に形勢が傾いたようだ。そして最後、駒を渡しても自玉に詰みのないのを読み切り、先手玉に必死をかけ、後手今泉四段の勝利となった。
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