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将棋のマナーについて

将棋のルールを覚えたら、対局をする前に、マナーについても、お話ししておきます。
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マナーは、お互い、気持ちよくゲームをするための常識です。厳格にする必要のないものもありますが、最低限必要なマナーはきちんと守るようにしましょう。

(1)「待った」はいけません

一度指した手を戻して、別の手を指すことを「待った」と言い、一番のマナー違反です。
将棋で、「指した」というのは、駒を動かし、その駒から指が離れた瞬間をいいます。したがって、駒が手から離れたら、もう指し直しはできないことになります。
この「待った」については、初段くらいの人でも、たまにする人がいます。
私は、もう強くなる必要がなく、楽しんでやっている級位者の人には、「待った」を許していますが、もし、自分は強くなりたい、と思い、将棋を指すのでしたら、絶対、「待った」はしないようにして下さい。
「待った」はマナー違反であると同時に、上達への妨げになります。

但し、「待った」の中で、反則をした場合はちょっと違います(たとえば、王手を見落として、別の手を指したり、二歩を打ったりした場合)。
プロなら当然のこと、アマでも四段以上になったら、たとえ練習将棋でも、そこで反則負けにしますが、初二段クラスの場合は、「待った」を許す場合もあります。
私は、級位者の場合は、反則の場合に限り、「待った」をしても良い、と考えています(但し、これも、より強くなろうという志の高い人は、自分から投了することをお勧めします)。

(2)始めと終わりにあいさつをします

指し始める前には、必ず、「お願いします」と礼をします。
そして、玉を詰まされた時や、勝ち目がなくなって、投了する時は、必ず、「負けました」と言って、意思表示をして下さい。
投了時の意思表示は、「負けました」の他にも、「ありません」とか「ダメですね」とかいろいろありますが、要は必ず、投了の意志を告げる事です。
何も言わず、持駒を盤上に置き、席を立ってしまう人もいますが、あまりマナーが良いとは言えません。
ネット対局などでも、負けそうになると、終了してしまう人がいるようですが、やはり、これもマナーの問題です。

(3)駒は駒台に置く

取った駒は、相手から良く見えるように、駒台に置きましょう。
駒を握りしめていたり、相手の見えない所に置いておくのは、マナー違反というよりルール違反です。

(4)助言はいけません

他の人の将棋を見ていて、「助言」してはいけません。
まれに、有段者同士でも、もうその局面を過ぎてから、「こうしたら良かった」と、言うことがありますが、言った後、また局面が戻ることがあります。
人の将棋には、完全に終了するまで、口を挟まないようにしましょう。


以上が、マナーの中でも、もっとも大切なものだと思われます。
これ以外では、それほど重要ではありませんが、以下のことも一応知って置いて下さい。


(5)上手(強い人や同じくらいなら年上の人)が王将を、下手(弱い人)が玉将を取ります

駒は、基本的には、上手が王将を取り、下手は玉将を取ります。
アマでは、あまり気にしない人が多いのですが、弱いうちは、必ず、玉将を取ると覚えていれば、問題はありません。
なお、普及駒の場合、どちらも玉か王になっていて、区別のないものもあります。

(6)から打ちや駒をたたきつけたりしてはいけません

有段者になっても、駒をから打ち(指す前に別の場所で何度か打つ)したり、必要以上に、駒を盤上にたたきつけたりする人がいますが、これもあまりマナーが良いとは言えません。

(7)「指し手を戻す」こともやめましょう

「待った」そのものは、マナー違反と言うより、ルール違反(その場で負けになる)に近いものですが、たとえば、駒を動かした後に、まだ駒が手から離れないうちに、戻すことは、ルール違反ではありません。
しかし、頻繁にこの「戻し」を行うことは、やはりマナーとしてはあまり良いものではありません。
駒を打ってから、失敗に気づくことは、ありますが、できるだけなくすよう、指す前に充分考える習慣をつけましょう。

(8)自分だけの長考はよしましょう

上級者の将棋では、対局時計を使って、それぞれ持時間を設定して対局することが多いので、問題はないのですが、対局時計がない場合には、自分だけ長考(長い時間考えること)は、差し控えるようにしましょう。
特に初心者同士の対局や、駒落ちの対局では、1局に1時間くらいが目安となります。

(9)対局中のおしゃべりは控えましょう

相手の指し手の悪口を言ったりするのは、論外ですが、関係ない話題でも、相手の考えを妨げるような話は控えましょう。
但し、友人同士で、わいわい指すのが楽しい場合は、この限りではありません(昔の縁台将棋などはそうでしょう)。

(10)感想戦を行うようにしましょう

将棋が終わった後は、お互いに、どの手が良く、どの手が悪かったのか、検討しましょう。
特に駒落ちで、強い人の意見を聞くのは、上達に役立つはずです。


マナーを守ることは、お互い気持ちよく将棋を指すことができると同時に、それが上達へも寄与するものであると考えられます。
楽しく将棋を指すために、最低限のマナーは必ず守って下さい。

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