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(2)「塚田泰明の速攻将棋」全7冊

データ
出版社:高橋書店  大きさ:四六判(130*182)  最終の定価はすべて1050円  全て絶版

(1)寄せの手筋168        金子タカシ著 P206 1988年11月30日初版
(2)四間飛車破り 5七銀右戦法 塚田泰明著  P207 1988年11月30日初版
(3)超急戦!!殺しのテクニック  横田稔著   P206 1988年11月30日初版
(4)定跡破り!!勝つ将棋      湯川恵子著  P207 1989年12月1日初版
(5)凌ぎの手筋186        金子タカシ著 P206 1990年4月25日初版
(6)序盤戦!!囲いと攻めの形   横田稔著   P207 1990年6月30日初版
(7)中飛車破り 5七銀左戦法  塚田泰明著  P207 1990年12月10日初版

将棋タウンの古書店」内で見つける場合は、「速攻将棋」で検索して下さい(この文字をコピーし、検索窓に貼り付けると簡単です)。
シリーズ概略
「塚田泰明の速攻将棋」と言う名称でシリーズ化されているが、内容にこれと言った統一性はない(ページ数と値段が一緒くらい)。なお、塚田泰明が著者となっているもの以外は、すべて監修として名を連ねている。また、このシリーズが出た時は、塚田の絶頂期でA級昇級して活躍している時でもある。今では落ちてしまったが、(このシリーズでは)著書そのものが2冊しかないし、なによりこのシリーズは構成と着眼点が良いので塚田の成績には関係なく良書揃いと言っておきたい。

中でも、「寄せの手筋168」は不朽の名著となっている。「凌ぎの手筋186」は寄せの手筋ほどの良さはないものの、類書がほとんどないので、価値的にはさらに高いかもしれない。
寄せの手筋168

不朽の名著として名高い。私自身、これを買って読んだ時はすでに道場の四段になっていたが、読んだ後さらに強くなった気さえした。

中は、章ごとに簡単な説明の後、1ページに二段組みで問題が出題されていく。問題そのものは、「どのように寄せるか」なので詰む場合は、詰み手順を正解とし、詰まない場合は必死をかけるのを正解とするという訳だ。と言っても、ほとんどは必死問題であるが。

今は似たような本、たとえば「光速の寄せ」の手筋の部分などがあり、本の貴重性はやや薄れたが、それでもこの本は初段前後の人に特に有用なものとなっていることは間違いない。

目次

プロローグ 寄せのテクニック”必死”とは?・・・6
第1章 上から押さえる・・・・・・・8
      1問→13問・・・・・・・・・・・・・・・・・・P9→21
第2章 挟撃の寄せ・・・・・・・・・24
      14問→26問・・・・・・・・・・・・・・・・・P25→37
第3章 馬・角の活用・・・・・・・・40
      27問→43問・・・・・・・・・・・・・・・・・P41→57
第4章 龍・飛の活用・・・・・・・・60
      44問→66問・・・・・・・・・・・・・・・・・P61→83
第5章 退路封鎖・・・・・・・・・・・86
      67問→77問・・・・・・・・・・・・・・・・・P87→97
第6章 基本は頭金・・・・・・・・・100
      78問→88問・・・・・・・・・・・・・・・・P101→111
第7章 端玉には端歩・・・・・・・114
      89問→99問・・・・・・・・・・・・・・・・P115→125
第8章 腹銀の手筋・・・・・・・・・128
     100問→114問・・・・・・・・・・・・・・・P129→143
第9章 必殺の両王手・・・・・・・146
     115問→125問・・・・・・・・・・・・・・・P147→157
第10章 寄せアラカルト・・・・・・160
     126問→162問・・・・・・・・・・・・・・・P161→197
第11章 総合問題・・・・・・・・・・200
     163問→168問・・・・・・・・・・・・・・・P201→205
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四間飛車破り 5七銀右戦法

高い勝率を誇っていた当時の塚田自身が愛用していたと言う四間飛車に対する▲5七銀右戦法の解説書である。
対象棋力は、定跡を少し覚えた級位者から上は有段者まで幅広く役立つ。

1章と2章で定跡を解説し、3章ではその実戦譜を解説するという構成だ。

まず第1章では、△5二金型、つまり左銀が△3二の状態での攻め方を解説している。その場合は、▲3八飛からの攻めとなるが、さらにその後の四間飛車の主な対応にもそれぞれに指し方が書かれている。(43ページ)

第2章では、△4三銀型に対する攻め方だ。この場合は▲4六銀と出て攻めるが、それに対する四間飛車の五つの対応策にそれぞれさらなる攻めが解説されている。(65ページ)

第3章では▲5七銀右の実戦譜と解説が七局載せられている。定跡と実戦はどうしても違うところがあるのでその辺りも詳しく書かれているので助かる。(85ページ)

定跡編、実戦編ともに見易く分かりやすい。定跡の最後の方は、どれも居飛車良しで終わっているが、もちろん実戦はそんな簡単にはいかないのだが、初段くらいの人たちが見るにはかえってはっきりした局面まで進めてくれるので分かりやすいとも言える。

対四間飛車に悩んでいる、初、二段クラス中心の人向けだ。

目次

プロローグ なぜ史上最短の攻めなのか?・・・・・7

第1章 5二金型四間飛車vs3八飛作戦・・・・・・・・13
●3八飛型、緩急四つの戦い方・・・・・・・・・・・・・・14
△4三銀には急戦仕掛け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
△6四歩にはチャンスあり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
△4五歩には角交換後持久戦・・・・・・・・・・・・・・・36
△5四歩には▲9七角で料理・・・・・・・・・・・・・・・・46
第1章のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56

第2章 4三銀型四間飛車vs4六銀作戦・・・・・・・・57
●速攻4六銀型、五つの戦い方・・・・・・・・・・・・・・58
△3二飛には100%の攻め・・・・・・・・・・・・・・・・・・60
手厚い△3二金には揺さぶり・・・・・・・・・・・・・・・・88
出戻り銀には桂の二段跳ね・・・・・・・・・・・・・・・・・96
角交換にはじっくり駒組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・106
△4五歩には馬をつくって対抗・・・・・・・・・・・・・・114
第2章のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・122

第3章 対四間飛車 採用率100%の戦法(実戦編七局収録)・・123
●講座とは違う駆け引きの妙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
待機作戦は急戦でつぶす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126
  昭和61年 名将戦 ▲塚田泰明六段vs△飯田弘之四段
角交換には角の打ちこみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・136
  昭和60年 天王戦 ▲塚田泰明六段vs△関屋喜代作六段
▲9七角で念願のA級入り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・144
  昭和63年 順位戦 ▲塚田泰明王座vs△真部一男七段
総数372手の死闘を制す・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・156
  昭和62年 順位戦 ▲塚田泰明王座vs△勝浦修九段
大山流の袖飛車に対抗・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・170
  昭和63年 日本シリーズ ▲塚田泰明王座vs△大山康晴十五世名人
”攻める振飛車”を撃破・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・184
  昭和60年 名将戦 ▲塚田泰明六段vs△西村一義八段
角交換に左美濃で持久戦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・196
  昭和60年 王将戦 ▲塚田泰明六段vs△森けい二八段
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超急戦!!殺しのテクニック

題名と目次だけを見て奇襲戦法を紹介した本かと思ったが、実際はちょっと違った。

説明しづらいので「はじめに」から著者の言葉を引用させてもらう。
『三十種、どの戦法をとっても敵の意表をつく妙手、好手、奇手がちりばめられている。戦型も振飛車、居飛車、本格的指し方から奇襲にいたるまで、とりまぜてあるから、序盤戦のカタログとして読んでいただいてもいいし、中盤の攻防の手筋集として読んでもらってもいい。もちろん定跡書としてとらえていただいても、いっこうにかまわない。さらにこれを三十のショートミステリーに見たてて、楽しく読んでもらってもいい。どう読まれようと、「へえ、将棋ってこんなにおもしろいのか」と思っていただければ、それに勝る筆者の喜びはない。』

中には、ちょっと奇襲っぽい戦法もあるが、たとえば、四間飛車や中飛車の自然な駒組みに対し、居飛車側がほんの少し駒組みを省略して攻めに出る。その僅かの差をきちんと振飛車が対応していないとつぶれてしまう、などということも紹介していて面白かった。
さらにこの本の良いところは、その後に、「サバイバルテクニック」として、ではどうすれば良かったかをきちんと説明していることだ。「このようにしておけば、互角の戦いだった」というのが為になる。

対象棋力は、やはり初段を中心にした人たちに最も役に立つと思うが、高段の人にも面白く読める箇所はたくさんあるし、読みやすいので級位者の人たちにも「これを使ってみよう」というのがたくさんありそうだ。定跡を良く知っている人ほど面白く読めると思う。

あまり類書のない良書である。

目次

プロローグ 事件を解決するのはあなただ・・・・・8

第1章 相居飛車編・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
1 相掛かり銃撃殺人事件・・・・・・・・・・・・・・・・10
2 鎖鎌銀相討ち事件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
3 角換わり棒銀傷害事件・・・・・・・・・・・・・・・・22
4 早繰り銀敵将捕獲作戦・・・・・・・・・・・・・・・・28
5 雀刺しドリル掘削事件・・・・・・・・・・・・・・・・・34
6 点と線・特急棒銀号事件・・・・・・・・・・・・・・・40
7 矢倉中央重爆撃作戦・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
8 雁木囲い撲殺事件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52
9 塚田特別料理毒殺事件・・・・・・・・・・・・・・・・64
(塚田実戦)ハードパンチ殺人事件
       (▲塚田泰明vs△森けい二)・・・・・70

第2章 振飛車編・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・75
1 対中飛車不動金縛り事件・・・・・・・・・・・・・・76
2 四間飛車へ贈る鎮魂歌・・・・・・・・・・・・・・・・82
3 鳥刺し振飛車丸焼き作戦・・・・・・・・・・・・・・・88
4 石田流攻撃部隊壊滅作戦・・・・・・・・・・・・・・94
5 対穴熊棒銀捕物控・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100
6 対穴熊桂騎兵の舞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・106
7 居飛車穴熊解体新書・・・・・・・・・・・・・・・・・112
8 向飛車刺し違え事件・・・・・・・・・・・・・・・・・・118
9 カレイなるヒラメ泥棒・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
10 中飛車宙吊り殺人事件・・・・・・・・・・・・・・・130
(塚田実戦)ツカダの恩返し
       (▲塚田泰明vs△大内延介)・・・・136

第3章 戦法番外編・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・141
1 袖飛車切り裂き魔事件・・・・・・・・・・・・・・・・142
2 屋根の上の角将軍・・・・・・・・・・・・・・・・・・・148
3 阪田流向飛車の逆襲・・・・・・・・・・・・・・・・・154
4 無頼漢、升田式石田流・・・・・・・・・・・・・・・・160
5 相早石田場外乱闘事件・・・・・・・・・・・・・・・166
6 筋違い角矢倉城炎上事件・・・・・・・・・・・・・172
7 相横歩取りの決闘・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・178
8 ヘンタイ横歩取り事件・・・・・・・・・・・・・・・・・184
9 夢幻世界横歩取り4五角・・・・・・・・・・・・・・190
10 横歩取り通り魔事件・・・・・・・・・・・・・・・・・196
(塚田実戦)二十九秒即死事件
       (▲塚田泰明vs△高橋道雄)・・・・202
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定跡破り!!勝つ将棋

アマ界では有名な湯川恵子さんの著書である。一風変わった本で説明が難しいが、次の監修のことばがこの本の内容を良く表している。

『前半は、湯川さんの自信の経験を中心に、ひとつの読み物、という感じで書かれ(性格テストなんてのもある)、中ほどでは、”詰み”や”必死””玉の囲い”といった手筋を取り上げ、後半は逆転術を中心に、実戦での戦い方のコツを、心理面も含めて書かれている。
今まで入門書というと筋のよい、形のよい手ばかりを説くものが大部分だったが、逆転するテクニックや相手に合わせた戦法など、非常に現実的で、「勝つためには」を強く意識したものになっている点が本書の特徴である。現在アマ女流棋界のトップにいる湯川さんの体験がストレートに表れていて、なるほど、こちらのほうがはるかに説得力がある。』

級位者向けの本ではあるが、読み物としても結構面白い。

目次

第1章 楽しみながら強くなる・・・・・・・・・・・・・・・・7
好きなところから入る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
好きな仲間をつくる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
勝つことが上達への近道・・・・・・・・・・・・・・・・22
自己流一本槍こそ将棋の真髄・・・・・・・・・・・32
好きなフォームを伸ばす・・・・・・・・・・・・・・・・38
性格テスト・あなたは何党か・・・・・・・・・・・・・48
塚田泰明八段・次の一手(7問)

第2章 強くなるには基礎知識・・・・・・・・・・・53
駒組みで半分勝てる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
定跡手順より手筋を仕込め・・・・・・・・・・・・・64
中盤は駒の働きと駒得・・・・・・・・・・・・・・・・・92
終盤は詰将棋と必死・・・・・・・・・・・・・・・・・・104

第3章 快感!将棋の逆転術・・・・・・・・・・・119
相手が転ぶから勝てる・・・・・・・・・・・・・・・・120
逆転は玉頭攻撃から・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
恐怖心がミスを生む・・・・・・・・・・・・・・・・・・130
辛抱する木に花が咲く・・・・・・・・・・・・・・・・136
最高の逆転劇は即詰み・・・・・・・・・・・・・・・144
時限爆弾を仕掛ける・・・・・・・・・・・・・・・・・・150
逆転のシナリオを描く・・・・・・・・・・・・・・・・・160

第4章 実戦的新格言集・・・・・・・・・・・・・・・167
1 突かれて困る薄い玉頭・・・・・・・・・・・・・・168
2 死んだ飛車より生きた角・・・・・・・・・・・・・170
3 打たせてはいけない桂・・・・・・・・・・・・・・172
4 手のないときは飛車を攻めろ・・・・・・・・・174
5 詰んでいても投げるな・・・・・・・・・・・・・・・176
6 角筋には中合いの歩・・・・・・・・・・・・・・・・178
7 飛車はソッポで取らせろ・・・・・・・・・・・・・180
8 タレ歩は金銀より強し・・・・・・・・・・・・・・・182
9 迷ったら取れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・184
10 無用な王手はするな・・・・・・・・・・・・・・・186
11 桂頭に手あり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・188
12 金取りが勝負・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・190
13 受けるなら二手分・・・・・・・・・・・・・・・・・・192
14 注意一秒、詰み一分・・・・・・・・・・・・・・・194
15 質駒には逆質駒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・196
16 遊び駒と遊ぶな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・198
17 金銀六枚なら必勝・・・・・・・・・・・・・・・・・200
18 穴熊には回り龍・・・・・・・・・・・・・・・・・・・202
19 若い子には力戦型・・・・・・・・・・・・・・・・・204
20 おいしいほうを食べろ・・・・・・・・・・・・・・・206
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凌ぎの手筋186

「寄せの手筋168」とあわせ、金子タカシ氏の不朽の名著である。

この本は守りの立場から終盤の手筋を一ページに2問ずつ載せている。内容は、目次を見てもらえば分かるが、合駒を考えるものと、最終盤にしのぐための手筋問題が主である。

難易度はかなり難しいと言っておきたい。ほとんどが有段者向けだが、一問一問じっくり考えて答えを見て納得すれば、初段クラスの人にも十分役立つと思う。

類書がほとんどないだけに貴重な本である。

目次

プロローグ 終盤の速度計算−しのぎと寄せ・・・・4

第1章 詰みを逃れる合い駒テクニック・・・・・・・・・13
      1問→70問・・・・・・・・・・・・・・・・・・15→84
第2章 攻撃を考えた合い駒テクニック・・・・・・・・・85
      71問→86問・・・・・・・・・・・・・・・・・87→102
第3章 必死を逃れるしのぎテクニック・・・・・・・・・103
      87問→166問・・・・・・・・・・・・・・・・・105→184
第4章 攻撃を考えたしのぎテクニック・・・・・・・・・185
      167問→186問・・・・・・・・・・・・・・・・187→206
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序盤戦!!囲いと攻めの形

題名に「序盤戦!!」とあっても定跡書ではない。この本は、「囲いの形」と「攻めの形」を数多く紹介しているユニークな本である。

前半では囲いの形を(70ページ)、後半では攻めの形を(127ページ)解説。ただ、あまりにも多くの形を載せようとした為に、一つ一つについての説明が少なくなってしまったのは残念だ。

特に前半の囲いの形は、読んで勉強するというよりも辞書的な意味合い、一通り知っている人が確認の意味で読んでみると言った感じが強い。後半の攻めの形は、過去の歴史に現れた実戦例なども取り上げている為、面白く読めた。

対象棋力はイマイチはっきりしないが、級位者から有段者まで面白いと思う人はいると思う。この本を読んですぐに実戦で試したり強くなったりすると言う訳ではないが、”将棋”を全局的に眺める一つの方法として読んでみたい。

目次

プロローグ オリジナルの駒組みを創造しよう・・・・9

第1章 囲いの形・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

1 端にこもるが超近代戦・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
    9筋の囲い
2 由緒正しき玉の定位置・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
    8筋の囲い
3 臨機応変バランス感覚玉・・・・・・・・・・・・・・・・46
    7筋の囲い
4 変幻自在実戦的安定玉・・・・・・・・・・・・・・・・・66
    6筋の囲い
5 原初の囲いは中住まい・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
    5筋の囲い

第2章 攻めの形・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81

1 単純ながら奥深い端飛車・・・・・・・・・・・・・・・・82
    9筋の攻め
2 折り目正しき正統居飛車・・・・・・・・・・・・・・・・104
    8筋の攻め
3 軽快巧妙さばきが身上・・・・・・・・・・・・・・・・・142
    7筋の攻め
4 宗桂も愛用のゆかしき戦法・・・・・・・・・・・・・162
    6筋の攻め
5 アマもプロもまん中勝負・・・・・・・・・・・・・・・・184
    5筋の攻め
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中飛車破り 5七銀左戦法

塚田は「はじめに」の中で、『私は、昔から「振飛車には急戦」がモットーで、中飛車に対してはだいたい、「5七銀左戦法」を採用している』と述べている。

四間飛車に対しては前作「四間飛車破り 5七銀右戦法」を述べた訳だが、これと同じ構成で中飛車破りを書いたのが本書である。

1章2章でまず定跡を解説し、3章でその定跡を使った実戦譜を解説するという方式だ。
まず第1章では、△3二金と守る前に△5四歩を突いた形を解説。いきなり▲3五歩の急戦策だ。それに対する振り飛車の対応にさらに詳しい解説がある。(52ページ)

第2章では、△3二金と守られた時に対する攻め方だ。じっくり駒組みをした後、▲4六歩や▲3八飛からの攻め方が書いてある。さらに振り飛車から△4五歩と角交換を迫った場合の指し方もある。(46ページ)

第3章では▲5七銀左の実戦譜と解説が九局載せられている。定跡書の後半にある実戦譜には良くその定跡とかけ離れた実戦譜が載せられている本があるが(実は結構ある)、やはり解説した定跡に沿った実戦譜を載せてもらいたいものだ。そういう意味でもこの実戦譜は役に立つと言えよう。(99ページ)

四間飛車破りと同じくこちらの中飛車破りも、定跡編、実戦編ともに見易く分かりやすい。また、先手番の場合だけとか、最後の方はどれも居飛車良しで終わっているとか、高段者には問題のある部分もあるが、初段くらいの人たちが見るにはかえって分かりやすい。

対中飛車に悩んでいる、初、二段クラスの人向けの良書である。

目次

プロローグ 手厚い守りには手厚い攻め・・・・・・・6

第1章 5四歩型中飛車vs3五歩早仕掛け・・・・・・11
●5四歩型、三つの急戦策・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
△3五同歩には▲4六銀で速攻・・・・・・・・・・・・・・16
△3二飛には▲4六銀と出る・・・・・・・・・・・・・・・・・40
△3二金にはじっくり攻める・・・・・・・・・・・・・・・・・・52
第1章のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62

第2章 3二金型中飛車vs手厚い6八金直・・・・・・63
●3二金型、緩急二つの作戦・・・・・・・・・・・・・・・・64
△5四歩には▲4六歩から・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
角交換には位取り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
第2章のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・108

第3章 中飛車をぶっとばせ!!(実戦編9局収録)・・・・・・・・109

超急戦の受けつぶし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・110
   ▲塚田泰明四段vs△脇謙二四段
ねじり合いを制す・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120
   ▲大山康晴十五世名人vs△塚田泰明五段
王座奪取への一局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・132
   ▲塚田泰明七段vs△中原誠名人・王座
袖飛車をたたきつぶす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・144
   ▲塚田泰明八段vs△加瀬純一五段
必殺の遠見の角・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・154
   ▲塚田泰明八段vs△森けい二九段
らしくない会心譜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・164
   ▲塚田泰明四段vs△森信雄四段
持久戦を打ち破る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・176
   ▲塚田泰明王座vs△米長邦雄九段
厚みが生きた一局・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・186
   ▲田辺一郎六段vs△塚田泰明六段
記録をかけて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・196
   ▲塚田泰明六段vs△佐藤大五郎八段
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