相居飛車戦におけるそれ以外の戦法を見ていきます。
(1)右玉(みぎぎょく)
図の後手側の陣形が右玉。矢倉なら本来玉は左に持っていくのが普通だが、図のように右に構え、風車風に指す場合もある。
なお、振り飛車は、玉を右に持って行くが、右玉とは言わない。
(2)雁木(がんぎ)
先手の金銀の陣形を雁木と言う。古来からの戦法の一つで柔軟性に富む。これと言った定跡はなく、力将棋になりやすい。
(3)カニカニ銀(かにかにぎん)
児玉プロの愛用しているのが、先手のカニカニ銀。
居玉のまま、二枚の銀を前戦に繰り出していく戦法だ。図の後、5五銀と一歩交換し、▲5七銀と応援を繰り出す。攻めがやや単調だが、攻め好きの人には面白いかもしれない。
(4)原始棒銀(げんしぼうぎん)
居玉のまま、棒銀にするのを原始棒銀と言う。棒銀は、矢倉、角換わり、対振り飛車といろいろな戦型で利用される戦法だが、そのもっとも簡素な形がこれ。
但し、原始棒銀は、きちんと受けられると、良くはならない。
(5)袖飛車(そでびしゃ)
飛車を一路左、つまり3筋に寄るのを袖飛車と言う。定跡はなく、手将棋となる。
対振り飛車でも、攻める時、3筋に寄ることがあるが、それを袖飛車と言う風には言わない。