第46問(2006年4月30日:阿部八段-広瀬四段戦) |
(問46-1) 先手の阿部八段にNHK杯初出場の広瀬四段は四間飛車穴熊で対抗。銀冠対四間穴熊という定跡形から中盤、細かい折衝が続いた。 今、阿部八段が▲7四歩と歩を取り込んだところ。当然このまま金を取られてはいけないので、取るか引くかしかなく、この場合は、どちらもある手ではあるが、ここで広瀬四段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問46-2) 終盤戦、広瀬四段が巧みにサバキ、攻勢。これを阿部八段がなんとか離されないように持ち堪えている。今、△7五金と上部を金で押さえ、次の△8六桂を見たところ。 △8六桂以外に△6五金から△8九銀の筋もあり、一見受けがなさそうに見えるが、ここで阿部八段は受けの勝負手を放ち、勝負に持ち込もうとしていた。 |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問46-1解答)「金は引く手に好手あり」 こういった局面では、強く△同金と取り、△7五桂などの攻めを見ることもあるが、▲7二歩が利き、穴熊が弱体化するのが気になる。攻めが切れそうな時以外は、金は囲いに使い、玉の安全度を優先するのが穴熊党なら当然の一手。この後、驚きの▲8八銀の受けに、△5六歩▲同銀△5九龍と穴熊の軽快な攻めが続いた。 |
(問46-2解答)「玉の顔面受け」 △8六桂を受ける為▲9七銀と上がってしまうと、いつでも△6五金から△8九銀の攻めが残る。そこで阿部八段は▲9七玉と玉を立ち、この二つの攻め筋を顔面で受け止めた。 その後、△5六歩に▲7六銀引とさらに強く受けたが、広瀬四段の的確な攻めが炸裂、穴熊の遠さをうまく生かし、きれいな一手勝ちをもぎ取った。 |
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