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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年5月14日出題)

第98問(2007年5月13日:橋本七段-阿部八段戦)
(問98-1)
先手居飛車の橋本七段に対し、4手目△3三角と趣向を凝らした阿部八段。角交換後、3筋4筋の位を取り立石流へ。そして今、4四の飛車を一つ3四へ寄ったところ。ここでの居飛車の次の一手は?
ちょっとやさし過ぎるが、序盤の駒組みの当然の一手として初級者用に。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問98-2)
駒組みの途中、後手から仕掛ける順を逃した為、先手が十分の形勢になった。その後、▲6六角の好打から満を持して攻め掛かり必勝態勢に。その最終盤、今△9六桂と王手をされたところ。王手なので取るか逃げるかしかないが、ここでの最善の一手は?勝ちを決める一手でもある。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問98-1解答)「三間飛車の飛車先を受ける形」
ここでは▲2六飛と浮いて△3六歩からの歩交換を受けるのが定跡(というより常識的な一手)。この手を省いて、△3六歩から一歩持たれて3五の歩がなくなると後手にいろいろな攻めの手段が生じる。
この形で気をつけなければいけないのは△1五角と打たれる筋だけで、通常浮く前に▲1六歩を入れておくことが多い。
なお、立石流の一つの攻めの形として△4四角(又は△5四歩から△5三角)として、△3六歩の決戦を見ることが多い。本譜も、早めにこの順で戦うことも出来たのだが、△8四歩から駒組みを進めた為、後手が作戦負けになった。



(問98-2解答)「元が取れる場合は払い、取れない場合は逃げる」
△9六桂の王手そのものは逃げられるとやや重い攻めになりやすい。そこで、普通は逃げて後続があるかどうか考えるのだが、この局面は9三の香が取りになっている。なので、桂を払えば、歩が伸びてきても、根っこの香を取ってしまうことができる。
という訳で、実戦も▲9六同香△同歩に▲9三桂成と進んだ。そして、この局面で先手玉に迫る手がなく、後手玉は詰めろ(▲8三桂△同金に▲7二金(香))。受けても一手一手なのでここで投了となった。


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