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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年3月24日出題)

第142問(2008年3月23日:清水女流二冠-矢内女流名人戦)
(問142-1)
本局は、NHK杯本戦へ出場する為の予選決勝戦。
後手の矢内女流名人の一手損角換わりに対し、先手の清水女流二冠は早繰り銀で先攻、序盤から中盤とお互い持ち味を出して熱戦が続いた。
下図は▲2五桂に△3四銀と逃げたため▲3三歩のくさびを打ち込まれた所で、解説では逃げずに攻めたかったと言っていたが、これでもまだ難しかった。▲3三歩に対してはどのように応ずるべきか?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問142-2)
先手の▲8一馬から▲9一馬〜▲7三馬が間に合い、はっきり優勢になった。とは言え、次にこのまま△6七歩成と成られてはあっと言う間に逆転してしまう。
ここで勝ちを確定する清水女流二冠の次の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問142-1解答)「金のかわし方を考える」
▲3二歩成と金を取られながらと金を作られてはいけないので逃げる一手だが、△4三金左はと金と作られるし、△2二金と玉から離れるのは論外。したがって4二か3一のどちらかになるわけだが、このような場合は、回りの状況を良く見て考える。ここで先手の攻めは▲8一馬〜▲9一馬〜▲7三馬と玉の右側からであり、また6四の飛車は攻めたり攻められたりする際、取られる可能性が高い。このような場合、△4二金左では玉が狭くなりまずい。と言うわけでこの局面では引く一手となる。


(問142-2解答)「先手で飛車の利きを止める」
ここでは▲6四桂の王手があまりにもピッタリした一手。王手で△6七歩成からの殺到を止め、△4三玉と逃げれば飛車を取って勝ち。本譜は△同飛と取って▲同馬に△6七歩成▲同金を決めて△6三香と打って最後の勝負にかけた。
一手でも間違えば再逆転するところだが、本譜は清水女流二冠が読み切りで9四の角を取り、後手玉を即詰みに討ち取った。これで予選優勝、NHK杯出場が決まった。

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